結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30775号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
I 本件商標
本件登録第2335634号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示した構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和63年11月30日登録出願、平成3年9月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
II 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1.本件商標は、その指定商品について、商標権者、または使用権者による使用の事実がない上、通常使用権者がいたことについても登録原簿から確認できなかった。
したがって、本件商標は、3年以上不使用であるので、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標は不使用に当たらないとして証拠を提出しているが、いずれも本件商標を使用していると認めるに足る資料はない。
ライセンシーが使用しているとの主張に関する証拠(乙第3号証)にしても、この登録商標が使用されていたことについての実質的な資料ではないし、その使用者とジャス・インターナショナル株式会社(以下「ジャス・インターナショナル」という。)との使用許諾の契約は平成10年5月の段階で行われており、この時点でハーベイ・ボール氏が商標権者でもなく、ジャス・インターナショナル等との関係についても全く不明瞭な契約と言わざるを得ない。
(2)ハーベイ・ボール氏に関する英国紙の記事については、多くの証拠資料を提出しているが、これとてその真偽は別としてハーベイ・ボール氏の著作権に関する記事にすぎず、しかもいずれの記事も同一文調であり、一つの配給元を出所とする記事が多数紙に掲載されたと思われるものであり、わが国商標法所定の使用を裏付けるものではない。
(3)乙第7号証ないし乙第9号証で初めて商品にいわゆるスマイルマークを取り付けたものを提示し、これらが本件審判請求以前から使用されていたかに主張しているが、おおよそどの靴を見ても同じマークが本体とは全く別ステッチで縫合されたものであり、それぞれ靴の全体処理のユニークさに比べ極めて不自然なマーク付けがされている。このようなことから単に乙第7号証の写真のみで真実使用されていたと見ることは極めて不自然と言わざるを得ない。
(4)この種の商品であれば、靴の内容物のみならず、これのパッケージ等も伴っていたであろうに、そのようなものは全く示されていない極めて不自然な対応である。
(5)以上述べたとおり、被請求人の本件商標が使用されたとする主張は理由がない。
III 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1.本件商標は、平成10年5月11日に被請求人(ハーベイ・ボール)に譲渡された。
被請求人は、ジャス・インターナショナルとライセンス契約を行い、日本国内を含めた全世界での商品化事業を平成10年1月9日より推進している(乙第1号証)。
2.本件商標は、被請求人が1963年12月に米国マサチューセッツ州ウスター市で創作したもので、現在被請求人は著作権を主張している(乙第2号証)。
被請求人は以前より、黄色い顔に小さい目の「SMILEY FACE(スマイリー・マーク)」は、米国人である被請求人の創作であると主張していたが、本件商標の請求人が創作者でない事を示す「英文新聞記事」と「アメリカ郵政公社投票パンフレット」を翻訳した、主な3つの例を提出する。
3.被請求人(代理人)は、本件商標を使用した商品化事業を行うため、平成10年5月11日に「株式会社信興」(以下「信興」という。)とライセンス契約を締結し、かつ、商標使用を許諾している。そして、同社は現在に至るまで本件商標を使用した商品の製造、販売を行っている(乙第3号証ないし乙第6号証)。
したがって、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に「スリッパ(はき物)」について、被請求人により日本国内において継続して使用されていることは明らかである。
4.被請求人は、平成9年9月1日に前商標権者より商標使用許諾を得て、乙第7号証に示す商品(靴)を米国から輸入して日本国内で販売していた(乙第7号証ないし乙第9号証)。
IV V当審の判断
本件商標について、本件審判の請求前3年以内の期間内に、被請求人及び使用権者がその指定商品について使用していたか否かについて検討する。
1.本件商標の権利者等について
(1)本件商標は、その権利がアキレス株式会社より米国のハーベイ・ボールに譲渡され、その移転登録が平成10年8月24日になされたことは、商標登録原簿の記載より認め得るところである。
(2)被請求人(現権利者)が本件商標と極めて近似する「SMILEY FACE(スマイリー・フェイス)」と称する図形を創作したこと、及び該図形が米国郵政公社による1970年代記念切手を選定する投票で高い投票を得ていることなどが乙第1号証添付のパンフレット、乙第2号証及び平成10年11月11日差し出しの答弁書添付の書類より認められる。
(3)しかしながら、上記(2)に記載した事柄が、本件取消審判における本件商標の指定商品についての使用事実を立証する証左とはなり得ないものであることは明らかである。
2.使用事実を立証する証拠について
(1)乙第1号証
答弁理由によれば、ジャス・インターナショナルは、被請求人とライセンス契約を締結し、平成10年1月9日より商品化事業を推進している旨主張するが、乙第1号証(ジャス・インターナショナルの作成に係る「企画書」)は、まさしく「企画書」であり、本件商標がその指定商品について使用された事実を立証する証左は見当たらない。また、その作成年月日の記載もない。
(2)乙第3号証ないし乙第6号証について
乙第3号証(商標使用契約書)よれば、ジャス・インターナショナルは、平成10年5月11日に信興との間で本件商標について使用契約を締結したことが認められるが、乙第4号証(信興の作成に係る「販売報告書」)は、本件商標を使用した「スリッパ類」を平成10年5月11日より販売したことを報告するのみの書類であり、この事実を客観的に立証する証左はない。
乙第5号証(注文・納品明細書)には、「商品名」として「スマイリー ヘルシー イエロー」なる記載が認められるが、これが本件商標と相違することは明らかであり、また、如何なる商品の取引があったのかも不明である。
乙第6号証(売上伝票)についても、乙第5号証と同様、如何なる商品の取引があったのか、また、その商品に本件商標が使用されたのか不明である。
(3)乙第7号証ないし乙第9号証について
乙第7号証(靴の写真)には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付された靴が認められるが、靴に付された商標が「SMILEY FACE(スマイリー・フェイス)」と称されたとしても、乙第8号証(輸入証明書)及び乙第9号証(国内販売証明書)は、一私人の証明によるものであり、実際に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(「SMILEY FACE;スマイリー・フェイス」と称される図形)が、本件審判の請求前3年以内に日本国内において取り引きされたことを客観的に立証するものとは認められない。
3.以上によれば、乙各号証を総合勘案しても、商標権者及び使用権者は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において本件商標をその指定商品について使用していたと認めることはできない。また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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