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Trademark Appeal Case

不使用取消と指定商品の範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30192(T2001−30192/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2070985号商標(以下「本件商標」という。)は、「HIWATT」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年8月8日登録出願、第11類「電気通信機械器具及びその部品並びに附属品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年8月29日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標は、その指定商品中の「CCDカメラ・ドーム型CCDカメラその他のCCDビデオカメラ,ビデオカメラ用交換レンズ,ACアダプター,DCプラグ,マイクロフォン,コネクター,ケーブル,CCDカメラの附属品,その他の電気通信機械器具,並びに前記これらの各商品に類似する商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証を提出した。

1 請求の理由

(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中、請求に係る商品について使用された事実が存在しないから、その登録を商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。

(2)本件商標は、請求に係る指定商品について、不使用である事実に関する状況を以下のとおり述べる。

(ア)本件商標の商標権者の現実の営業内容は、「楽器」に関するものに限定されており、「楽器」中でも特にエレキギター関連商品の製造販売のみを行っている企業であることが明らかである(甲第3号証)。

(イ)そして、本件商標を商標権者が現実に使用している事実は確かに存在しているが、その使用をしている現実の商品は、用途が限定された「ギターアンプ」であり、「汎用性のあるアンプ」ではないことが明らかである。

(ウ)さらに、本件商標は完成品である「ギターアンプ」のブランドとして使用されているものであり、「ギターアンプ」の完成品以外の商品について、本件商標が使用されている事実も存在しないこと明らかである。

(エ)本件商標の指定商品である「電気通信機械器具」の商品概念の範疇に「汎用性のあるアンプ」は含まれているが、「ギターアンプ」のように専ら楽器に用いられるものとして取引される「アンプ」の場合には、第24類「楽器」の商品概念の範疇に含まれ、かつ、確定した運用が特許庁で行われている(甲第5号証)。

2 答弁に対する弁駁(第1回)

(1)請求人が甲第4号証として提出した被請求人のカタログ掲載商品「HIWATT SHORTY」は、「汎用性のあるアンプ」ではなく「専ら楽器に用いられる(ものとして取引される)アンプ」と認識されるものであるから、当該商品について本件商標を使用している事実をもって、本件審判請求に係る指定商品中、「電気通信機械器具」に属する「汎用アンプ」について被請求人が本件商標を使用していることにはならない。

(2)被請求人が本件商標を使用する商品「HIWATT SHORTY」が「AUX端子」を装備している一事をもって、当該商品が「汎用アンプ」であると認識されるものであるか否かを、商品分類を考慮しながら以下に検討する。

(ア)被請求人の発行に係るカタログ(甲第10号証)から被請求人によって取り扱われている商品群を見ると、アンプに関する部分は、わずかに6頁足らずのものであり、その他の部分は全てエレキギター及びその附属品に関する商品紹介で構成されている。

(イ)被請求人は、「HIWATT SHORTY」以外の「アンプ」は「汎用アンプ」ではなく「ギターアンプ」であると主張しているが、当該カタログにおける被請求人の商品構成からして、ギターアンプでないものを敢えてエレキギターが主力商品である被請求人のカタログに注意書きもなく掲載する必然性が認められず明らかに不自然である。また、当該カタログは、有名電気店のLAOX(ラオックス)の「楽器館」で入手したものである。秋葉原地域の電気店においては、一般的なオーディオ製品はいずれの店舗においても扱われているが(乙第4号証ないし乙第8号証)、逆に被請求人のカタログ掲載の商品はいずれの店舗でも扱っておらず、同地城での唯一の楽器専門店であるLAOXの「楽器館」においてのみ扱われている事実が存在し、他の電気店では被請求人のカタログさえ置かれていない事実が存在する。すなわち、オーディオとしてのアンプは、秋葉原地域の電気店のどの店舗でも扱っているが、楽器用アンプは特殊であるために通常の電気店では扱っていないのが実情である。

一方、楽器店が多く存在する御茶ノ水地域では、秋葉原地域の電気店とは対照的に、被請求人のカタログの入手を容易に行うことができる(甲第11号証ないし甲第14号証)。

(ウ)さらに、被請求人のインターネット上のホームページをみると、2001年度版のカタログ入手にあたっては、「最寄の楽器店」店頭若しくは被請求人自身に請求するよう明記されている事実が存在する上に(甲第15号証)、商品購入にあたっても、「お近くの楽器店にお問合せ下さい」と明記されている事実も存在する(甲第15号証)。すなわち、被請求人自体も楽器専門店以外の販売ルートを利用して被請求人の商品を販売することを意図していない事実が明らかである。よって、被請求人は楽器店が取扱う商品、楽器(エレキギター)及び楽器専用品(エレキギター附属品並びにギター用アンプ等)のみを扱っていると考えるのが自然である。

(エ)乙第3号証として提出された「HIWATT SHORTY」の取扱い説明リーフレットをみると、その上段部分には、英文表記により「HIWATT GUITAR AMP」との記載があり、これは「HIWATTブランドのギターアンプ」であることを明示するものである(甲第16号証)。また、その下段部分の文章においても、その冒頭で「HIWATT GUITAR AMP」と同様に明示されており、これに続く当該商品構成の説明文章では「ギター用のアンプヘッド」とスピーカーのセット商品であることが明示されており、フロントパネルの説明部分では、「INPUT」と特記してある主要な機器を接続するジャックには、「ギター」を入力するジャックである旨が明示されている(甲第16号証)。なお、被請求人が主張する「汎用性のあるアンプとしての機能を備えている旨の説明」は、乙第3号証の取扱い説明リーフレットには明示されていない。

(3)「HIWATT SHORTY」の取引市場での認識

(ア)被請求人の商品である「HIWATT SHORTY」の取引市場での認識をみると、2002年度版の「最新エレクトリックギターカタログ」では、わずか2頁であるがギター用アンプの紹介もあり、その中には、被請求人の他のアンプと共に「HIWATT SHORTY」が掲載されている(甲第17号証)。このような状況でのギター用アンプの紹介スペースにおいて、ギター用アンプでないもの(又はギター用にも使用できる汎用アンプである程度のもの)をその注意書きもなく敢えて掲載することは考えずらいところである。

(イ)インターネットによる検索結果によると、YAHOO及び楽天のショッピングサイトの検索結果では、「楽器、器材」、「楽器」のアイテム中に「アンプ」、「ギター」の項目があり、その中には被請求人の商品である「HIWATT SHORTY」が掲載されている(甲第18号証及び甲第19号証)。YAHOO及び楽天で掲載されていたMUSICLAND KEYのサイトをみると、このサイトの運営会社は全国に8店舗を有する楽器店であり、被請求人の商品である「HIWATT SHORTY」はギターアンプとして掲載されている(甲第20号証)。また、楽天で掲載されていたワタナべ楽器店のサイトをみると、被請求人の商品である「HIWATT SHORTY」は自宅練習でもサウンドに小型アンプのギターアンプとして掲載されている(甲第21号証)。さらに、検索サイトBIGLOBEで掲載されていた34MUSIC STOREのサイトを見ると、被請求人の商品である「HIWATT SHORTY」は、エレキギター購入者を対象とする激安セット販売品を構成するギターアンプとして掲載されている(甲第22号証)。

(4)上記事実関係に基づく結論

(ア)被請求人商品の「HIWATT SHORTY」の用途及び販売方法の実態を精査すると、被請求人も自認するとおり、販売ルートを楽器店に限定しており、音響機器一般を扱う電気店等の販売ルートを通じて販売することを意図していないばかりか、販売店側においても楽器店以外では取扱い自体が行われていない。

(イ)さらに、被請求人商品「HIWATT SHORTY」は、その取引者間においても「ギター用アンプ」として認識され、かつ、「ギター用アンプ」として取引されていることは明らかである。この点、「楽器用アンプ」、特に「ギター用アンプ」等のようにその趣味性が極めて強い商品において、その取引者及びその関連書籍の出版社がその用途を誤認して取引又は紹介することは考えられないことである。

(ウ)また、被請求人商品「HIWATT SHORTY」が「AUX端子」を装備していることは、あくまでギターの練習及び演奏に付随して関連機器を利用する目的を成就するために、その接続機能を付加させたにすぎないものと理解すべきものである。すなわち、「AUX端子」を利用して接続する機器の利用が主目的ではなく、あくまで「ギター用アンプ」又は「楽器用アンプ」としての機能が主目的であり、これに付随する一機能が追加されたにすぎないものである。

(エ)さらに、被請求人は、商品「HIWATT SHORTY」以外の被請求人取扱いのアンプは、全て「ギター専用アンプ」であることを自認しており、かつ、その他に本件商標の使用の事実を何ら立証していない。

3 答弁に対する弁駁(第2回)

株式会社シンコーミュージックが出版する楽器専門雑誌「YOUNG GUITAR」の別冊として出版された「YOUNG GUITAR Special 〔Hardware〕Issue 楽器大全」(以下「楽器大全」という。)には、被請求人の商品「HIWATT SHORTY」が掲載されている(甲第24号証 160頁)。このことは、掲載雑誌の性格からしても(雑誌名が「YOUNG GUITAR」であるのであるから、楽器「ギター」に興味がない者がみる合理的理由がそもそも存在しない)、商品「HIWATT SHORTY」は楽器の範疇(楽器特にギター専用アンプ)に属するものであるから、同誌に掲載されていることは明らかである。さらに、汎用性であることがその商品機能・用途の上で主要なものであれば、その点のセールスポイントが特記されて当然であるが、そのような記載は見当たらない。

4 よって、被請求人がその商品「HIWATT SHORTY」に本件商標を使用していた事実は、「専ら楽器に用いられるものとして取引されるアンプ」に使用されていたことを証明するにすぎず、これを根拠に本件商標の指定商品中、「電気通信機械器具」について本件商標を使用していたことを立証したことにはなり得ない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第18号証を提出した。

1 被請求人の主たる業務は楽器の販売、楽器の輸入であり、「ギターアンプ」が主力商品である事実は、請求人の述べるとおりである。しかしながら、被請求人は「ギターアンプ」のほか、「汎用アンプ」も販売している。

請求人提出の被請求人のカタログ(甲第5号証と記載されているが甲第4号証の誤記と認められるので、以下「甲第4号証」とする。)に掲載されている商品中、「HIWATT SHORTY」は「汎用アンプ」であって「ギター専用アンプ」ではない。同商品は、本件審判請求日前より販売されていることは請求人提出の証拠より明らかであるが、同商品の掲載された現在使用中の被請求人の商品カタログを提出する(乙第1号証)。

そこで、「HIWATT SHORTY」について検討すると、同アンプの説明にも「AUX IN」の文字が示されているとおり(甲第4号証及び乙第1号証)、その外部入力端子(「補助入力端子」という場合もある。)として「AUX端子」を備えている。「AUX端子」は、楽器のみではなく、ステレオ、CDラジカセ、テープレコーダー、テレビなど音声再生機能のある電気通信機械器具に接続することのできる入力端子である(乙第2号証)。同商品の取扱い説明リーフレットにも「〜CD入力等のAUX端子〜等の機能を備えており〜」と記載され、同商品が楽器専用のアンプではなく、汎用性のあるアンプとしての機能を備えている旨の説明があり、同リーフレットの「FRONT PANEL(表側パネル)」のつまみ部分の説明に「AUX IN」の説明として「カセット、CD等の入力端子です。」の旨の記載がある(乙第3号証)。

ステレオ、CDラジカセ、テープレコーダー、テレビなどの音声再生機能のある電気通信機械器具においては、AUX端子を備えていることは、外部音源を入力する機能を装備している機器であることを示しているため、商品価値を高めるものとして知られている(乙第4号証ないし乙第7号証)。なお、最近ではパソコンの音声を再生させるためのアダプターにも装備されている(乙第8号証)。

以上のように、アンプが「AUX端子」を備えていることは、CDラジカセ等、楽器以外の商品に接続して使用することが可能であって、楽器専用のアンプではなく、汎用性のあるアンプであることを示すものである。そして、「AUX端子」を備えている「HIWATT SHORTY」には甲第5号証及び乙第1号証掲載の商品写真に示すごとく、大きく「HIWATT」の商標が付されていることから、本件商標「HIWATT」が「電気通信機械器具」に属する商品「アンプリファイア」について使用されていることは明らかである。

ちなみに、再生される音の質の違いから「楽器専用アンプ」と「汎用アンプ」では、音の再生される仕組み(回路)に違いがあり(乙第9号証)、「AUX端子」を備えた場合に、間違えて接続すると再生音の質が劣化するため、「ギター専用アンプ」には「AUX端子」は備えられていない。このため、被請求人の取り扱うアンプも甲第4号証及び乙第1号証に掲載されている商品中、「HIWATT SHORTY」以外の商品は「ギター専用アンプ」であるため「AUX端子」を備えていない(カタログ掲載の他の商品には「AUX IN」の記載がない)。

2 請求人は被請求人が本件商標を使用する商品をアンプに限定しているが、被請求人は本件商標をスピーカーについても使用しているので、証拠を提出する(乙第10号証)。

3 請求人は、本件アンプ「HIWATT SHORTY」が「AUX端子」を装備している一事をもっては汎用アンプであるということはできないと主張するが、その一事、すなわち「AUX端子」を装備するという事実のみをもって、ステレオ、CDラジカセ、テープレコーダー、テレビ等の音声再生機能のある電気通信機器に接続可能なアンプとなるのであるから、本件アンプがギター専用アンプではなく、汎用アンプであることはこの事実で必要かつ十分に立証されているのである。

ちなみに、エレキギターアンプの世界的ブランド(米国Marshall社、米国Fender社)を始めとする他社ブランドのカタログ及びホームページを見ると、「汎用アンプ」が掲載されている(乙第13号証ないし乙第17号証)。これらの商品もすべて「CD インプット」、「AUDIO IN端子」、「AUX IN」、「CD INPUT」、「AUX INPUT」のような簡単な記載のみであり、「このアンプは汎用アンプです。」のような特記は一切されていない。

4 請求人が傍証的に主張する本件商標の使用の事実の立証に関する反論

(1)楽器店で汎用アンプを取り扱うことの必然性

請求人の主張に従えば、あたかも楽器店・楽器の取扱いサイトでは楽器以外の商品を取り扱っていないかのごとくである。しかしながら、小規模な楽器店や楽器の取扱いサイトでも楽器以外の商品をも取り扱っていることは立証するまでもない事実である。

また、ユーザーにとっては、「ギターアンプ」と「オーディオアンプ」双方の機能を備えた商品は、製造者・販売者側からだけではなく、需要者側からも本件アンプのような「汎用アンプ」に対する根強いニーズがあるため、被請求人は本件アンプを製造・販売しているのであって、需要者のニーズに応えるためにカタログにも掲載しているのである。世界的ブランド各社(乙第11号証ないし乙第15号証)も、このような需要者のニーズに応えるべく汎用アンプを製造・販売しているのである。そして、そのような需要がある以上、楽器店という販売ルートでこれらの商品を取り扱うのは当然である。

(2)「AUX IN」の記載

一般に商品カタログは多種商品を掲載しているものである。例えば、被請求人のように「ギター」、「ギターアンプ」、「汎用アンプ」の売上が全商品の売上の多くの比率を占める製造者・販売者が総合カタログを出すにあたって、「汎用アンプ」の割合が仮に少ない場合であっても、これに他の商品とともに「汎用アンプ」を掲載することは当然である。

また、エレキギターのユーザーにとって、必需品たる「アンプ」に「AUX IN」の記載があれば、それが何を意味するか、すなわち「CD入力等の端子であって、CD等のオーディオ機器に接続可能な商品である」ことを意味するということは、一目瞭然なのである。

(3)カタログへの「汎用アンプ」たる機能についての説明の必要性

本件アンプは「汎用アンプ」であるから、もとより「ギター用のアンプ」としても利用できるのであって、その機能とともに、他のオーディオ機器に接続することのできる機能も搭載している点で「汎用」すなわち「一つのものを広く諸種の方面に用いることのできる」アンプなのである。

ちなみに、「HIWATT GUITAR AMP」の記載の意味は、一般のオーディオアンプに比較するとギターの音の出力において、その質・パワーともに優れているため「ギター用のアンプとして利用する場合においても優秀な機能を有する」ということである。その商品の優れた機能の側面を強調することが他の機能を否定することにはならないはずである。

そもそも、カタログの記載によって商品の機能・内容等が左右されるものではなく、ある商品に複数の機能が備えられている場合に、その中のどの機能を記載するかは販売戦略によるものであって、販売者の自由なのである。機能のすべてを記載していなければ、その商品のカタログ足り得ないということはなく、また、カタログに説明がなければその商品の属性が異なってしまうということはないはずである。

(4)カタログ掲載頁数と使用事実の証明

請求人は、カタログにおける、本件アンプの掲載頁数の割合の少なさについて言及しているが、仮に被請求人の取り扱いに係る全商品が100万機種あったとしてもそのうちの1機種についてのみであっても本件商標を付された商品が審判請求の登録前3年以内に販売されている事実があれば、本件商標を使用している事実に変わりはないから、カタログに掲載の頁数や掲載の有無それ自体さえも問題とはならない。

5 以上のとおり、被請求人は本件商標を審判の請求に係る指定商品中「電気通信機械器具」に属する商品たる「スピーカー」及び「汎用アンプ」について、本件取消審判の請求日より、3年以上前から継続して、わが国において使用しているものであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。

第4 当審の判断

1 被請求人が本件商標を使用していることについては、当事者に争いがない。そこで、使用商品が本件商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に属する商品であるか否かついて、以下検討する。

2 請求人及び被請求人の主張によれば、被請求人の主たる業務は楽器の販売、楽器の輸入であり、「ギターアンプ」が主力商品である事実は、共に認めるところである。

そして、被請求人の提出した、商品カタログ「FERNANDES 2001年版」(乙第1号証)によれば、被請求人は、「HIWATT」及び「HIWATT」と「SHORTY」文字を二段に併記した商標を商品「アンプ」に使用している事実が認められる。

ところで、請求人の提出した「商標実務者のための概説類似群コード 発明協会発行」(甲第5号証)及び登録された商品の実例(甲第6号証)にもあるよう、商品「アンプ」のうち「汎用性のあるアンプ」は、平成3年政令299号による改正前の商標法施行令第1条所定の商品の区分に属すべき商品を掲げる同法施行規則第3条所定の別表第11類の「電気通信機械器具」の概念に属し、「ギターアンプ」のように専ら楽器に用いられるものとして取引される「専用アンプ」は、同第24類の「楽器」の概念に属するものとされているところである。

そこで、被請求人の使用する前記した「アンプ」(乙第1号証)が「汎用性のあるアンプ」か「ギター専用のアンプ」であるか否かについて検討するに、該「アンプ」の説明の「INPUT」項に「AUX IN」の文字が表示されていることが認められる。

そして、「音楽用語辞典」(乙第2号証)には、「AUX」の文字は、「予備の、補助という意味。アンプなどの予備入出力に表示される。...テレコやチューナーの出力、電子楽器の出力など、ライン・レベルと呼ばれる信号であれば、そのまま接続可能である。」と記載されている。

さらに、被請求人の使用する「アンプ」(HIWATT SHORTY)の説明書きには、「HIWATT SHORTYは、...CD入力等のAUX端子、ヘッドフォン端子等の機能を備えており...」及び同リーフレットの「FRONTPANEL(表側パネル)」のつまみ部分の説明に「AUX IN カセット、CD等の入力端子です。音量調整は接続した機器側で行って下さい。」と記載、説明している(乙第3号証)。

また、被請求人の提出した他社のカタログ、取扱説明書等(乙第4号証ないし乙第8号証)によれば、CDラジカセ、テープレコーダー、テレビなどの音声再生機能のある各種商品において、AUX端子機能を装備している機器であることを表示していることが認められる。

そうとすれば、被請求人の使用する「アンプ」(HIWATT SHORTY)は、請求人の提出した甲第3号証、甲第4号証、甲第10号証ないし甲第22号証及び甲第24号証によれば、「楽器(ギター)用のアンプ」として適した商品であると認められるとしても、「AUX端子」の接続機能を備えていることよりすれば、CDラジカセ、テープレコーダー等、楽器以外の商品に接続して使用することが可能であって、機能として汎用性のあることを示しており、「楽器」のみに用いられると限定できないものであるから、全く「汎用性のあるアンプ」でないと断定することはできない。

してみれば、本件商標は、被請求人(商標権者)により、審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中「電気通信機械器具」に属する「汎用アンプ」について、使用していたものというべきである。

3 請求人は、本件商標の使用について、被請求人の主たる業務は楽器の販売、輸入であり、「ギターアンプ」が主力商品であること、被請求人が本件商標を使用する「アンプ」のカタログは、楽器店でのみでしか入手できなかったこと、エレキギターを主たる商品として掲載している被請求人のカタログに注意書きもなく「汎用アンプ」を掲載することは不自然であること、汎用性のあるアンプとしての機能を備えている旨が明示されていないこと、カタログにおいて本件「アンプ」の掲載頁数は6ページにすぎないこと等主張する。

しかしながら、これらの主張は、「アンプ」に関する商品の間接的取引の実情であり、この諸事情をもって、被請求人の使用する前記「アンプ」が「汎用アンプ」でないものと断定する根拠(理由)にはなり得ないから、この点に関する請求人の主張は採用の限りでない。

4 以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中「CCDカメラ・ドーム型CCDカメラその他のCCDビデオカメラ,ビデオカメラ用交換レンズ,ACアダプター,DCプラグ,マイクロフォン,コネクター,ケーブル,CCDカメラの附属品,その他の電気通信機械器具,並びに前記これらの各商品に類似する商品」についての登録は、商標法第50条の第1項の規定により、取り消すことはできない。

なお、被請求人は、本件商標をその指定商品中の「電気通信機械器具」の範疇に属する「スピーカー」についても使用していると主張しているが、上記のとおり、被請求人の使用している「アンプ」は、「汎用アンプ」と認定できるものであるから、該「スピーカー」の使用についての検討は不要とした。

よって、結論のとおり審決する。

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