Trademark Appeal Case
一般名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−22985(T2001−22985/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ワンツーワンエージェントサポートシステム」の片仮名文字及び「ONE TO ONE AGENT SUPPORT SYSTEM」の欧文字を二段に併記してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,損害保険についての相談,保険情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成12年9月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願の出願人は、保険業法により規定されている業務以外の業務を営むことができない者であるから、その指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に係る業務を行っているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。
(2)本願商標は、「顧客との一対一の対応を図る代理店の支援システム」といった意味合いを理解させる「ワンツーワンエージェントサポートシステム」「ONE TO ONE AGENT SUPPORT SYSTEM」の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記システムにより販売又は提供される商品又は役務であることを理解するに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書の要件に該当するか否かについて
請求人の提出に係る甲第2ないし第9号証によると、保険業法第98条において、「保険会社は、第97条の規定により行う業務のほか、当該業務に付随する次に掲げる業務その他の業務を行うことができる。」と規定されており、限定条件付きながら「付随業務」をも行うことができることが認められる。
しかしながら、保険業法第106条第2項第1号において、「保険会社・・・の行う業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの」と規定され、また、その内閣府令である同法施行規則第56条の2(保険会社の子会社の範囲等)第1項第16号において、「他の事業者のために電子計算機に関する事務を行う業務(電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計若しくは保守又はプログラムの設計、作成、販売若しくは保守を行う業務を含む。)」と規定されているとおり、本願の指定商品(第9類)との関係においては、請求人が具体的に行うことのできる業務は、極めて限定されていることが認められる。
しかるに、本願商標は、上記限定された業務に係る商品の範囲を超える商品を指定商品とするものといえる。
そうすると、少なくとも上記限定された業務に係る商品の範囲を超える指定商品については、原審説示のとおり「本願の出願人は、保険業法により規定(限定)された業務以外の業務を営むことができない者」といわざるを得ず、結局、その指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に係る全ての業務を行っているものとは認められない。
(2)商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて
本願商標は、「ワンツーワンエージェントサポートシステム」及び「ONE TO ONE AGENT SUPPORT SYSTEM」の文字よりなるところ、その構成中の「ワンツーワン」及び「ONE TO ONE」の文字は「1対1の対応」を意味する英語であって、消費者をひとくくりで扱う「マス・マーケティング」に対し、顧客一人ひとりのニーズに応えることにより個々の顧客満足の向上を目指す手法として、昨今注目されている「ONE TO ONE Marketing」を想起させるものである。
また、「エージェント」及び「AGENT」の文字は「代理人、代理店」を意味し、「サポートシステム」及び「SUPPORT SYSTEM」の文字は、本願の指定商品又は指定役務との関係では、電子計算機を用いた「サポート(支援)システム」の意を認識させるにすぎないものであって、近年、生命保険業界等においては、「代理店の経営や営業等をサポートするコンピュータ・システム」の意味合いを表す語として普通に使用されている実情がある。
このことは、例えば、以下の新聞報道及びインターネット・ホームページ情報により、その一端を窺い知ることができる。
(ア)2002年6月12日付け日刊工業新聞23頁
「インタビュー/大同生命保険社長・宮戸直輝氏『独自のビジネスモデル構築』」の見出しの下、「7月に創業100周年を迎える大同生命保険は、・・・。営業には重点投資し、中身の濃い拡大路線をとる。解約されない契約、事業職員の質の向上、代理店のサポートシステムの構築を目指す」との記事。
(イ)1996年11月12日付け日刊工業新聞25頁
「安田火災、ホームバンキング型経営サポートシステムを開発。整備工場代理店対象に」の見出しの下、「安田火災海上保険(社長有吉孝一氏)は、翼システムと共同で整備工場代理店を対象としたパソコンによるホームバンキング機能を持った新型経営サポートシステムを開発、今月から安田火災の二輪店を除く整備工場代理店約二万四千店を対象に本格販売を開始した。」との記事。
(ウ)「日本興亜損保ニュース」(http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/news2001_06_05_virtual_counter.html)
「日本興亜損害保険株式会社(社長:松澤 建)は、新会社のコーポレートメッセージ『あなたを全力で支える』を実践するために、ネット上のバーチャルカウンター(仮想お客様窓口)の開設ならびに代理店、営業拠点、損害サービス拠点、総合コミュニケーションセンターのお客様対応チャネルを統合する「お客様トータルサポートシステム」の整備計画をつぎのとおり策定いたしましたのでお知らせします。」との記載。
(エ)「損害保険代理店募集のご案内」(http://www.ace-insurance.co.jp/announce/information.html)
「■システム ・代理店サポートシステムソフト『ステラ』」との記載。
(オ)「シンカナのオリジナル自動車保険システム」(http://www.clio-shinkanagawa.co.jp/tsujidou/hoken.htm)
「W(ダブル)サポートシステムなら、いざという時にダブルでお客様をしっかりお守りいたします。」との記載。
(カ)「生保ソリューション」(http://www.scs.co.jp/finance/solution/seiho/case03.html)
「概要 保険販売チャネルとして代理店販売があげられます。代理店システムは、代理店管理だけではなく、代理店による顧客サービスの向上、業務処理効率拡大、営業サポートシステム等の提供を行います。」との記載。
上記の実情からして、本願商標は、全体として「一対一対応で個々の代理店業務をサポート(支援)するコンピュータ・システム」程度の意味合いを看取させるものといわざるを得ない。
そうすると、本願商標は、その指定商品又は指定役務について使用した場合、特に看者の注意をひく特徴的な部分がなく、これに接する取引者・需要者は、該商品・役務が、単に「一対一対応で代理店を支援する商品(ソフトウエア)ないし役務」であることを表示したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書及び同法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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