結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35296(T2002−35296/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3332881号商標(以下「本件商標」という。)は、「QUEEN」の欧文字を横書きしてなり、平成5年4月21日登録出願、第14類「銀,人工ダイヤモンド,人工真珠,その他の人工宝石,本真珠,身飾品」を指定商品として、同9年7月18日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下1.ないし4.のとおりである。
1.登録第463958号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和29年8月20日登録出願、第36類「帯止、ズボン釣、ガーター及び腕止、手巾類、釦鈕、装身用ピン」を指定商品として、同30年4月5日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
2.登録第463959号の2商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和29年8月20日登録出願、第36類「帯止、ズボン釣、ガーター及び腕止、手巾類、釦鈕、装身用ピン」を指定商品として、同30年4月5日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3.登録第2207971号商標(以下「引用商標3」という。)は、「QUEEN GALLERY」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年10月20日登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録され、その後、平成12年4月4日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
4.登録第2477047号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成2年11月19日登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同4年11月30日に設定登録され、その後、平成14年12月3日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。
1.「QUEEN」、「クイーン」の語について
今日の欧文字の氾濫した取引市場、特に、本願の指定商品の取引界における欧文字、英文字の普及程度を勘案するなら、「QUEEN」、「クイーン」 の語は、日本語同様、例えば「クイーンコンテスト」、「○○クイーン」等既に、日常会話にても多用され親しく好んで使用されているものと認められる特段の事情がある。
2.引用各商標について
(1)引用商標1及び引用商標2
身飾品、あるいは貴金属製品の取引界においては、商標構成中の「Dia」及び「Diamond」の文字が、当該商品の原材料・品質表示としての「Diamond」(ダイヤモンド)を表示するものとして、あるいは、その略称として通常一般に使用されており、当該商品の原材料・品質表示であると認められる。
しからば、引用商標1及び引用商標2におけるその商標のいわゆる要部と認められる部分は、「Queen’s」であるから、引用商標1及び引用商標2は、「クイーンズダイヤ」、「クイーンズダイヤモンド」の称呼、「女王のダイヤ」、「女王のダイヤモンド」の観念のほかに、略して単に「クイーンズ」の称呼、「女王の」の観念にて取引に供される場合が認められるものである。
(2)引用商標3及び引用商標4
今日の欧文字、特に英文字の氾濫している取引界にあって、特に、本願の指定商品のような「装飾的」な商品にあっては、「GALLERY」の語は、既に日本語同様に多用され、「ギャラリー」、「廊下、展示場、美術館」の意味合いを有する語として、日常会話を含め日本語同様多用されており、特に、本願の指定商品の取引界においては、販売展示場所等を一般に表示する顕著性のない語である。
しからば、引用商標3及び引用商標4のいわゆる要部と認められる部分は、「QUEEN」、「Queen」と認められるものであるから、引用商標3及び引用商標4は、「クイーンギャラリー」の称呼、「クイーン展示場」の観念のほかに、単に略して「クイーン」の称呼、「女王」との観念にて取引に供されるものと認められる。
3.出所の誤認混同について
本件商標と引用各商標とが同一又は類似の商品に使用され市場に提供された場合、簡易迅速化されての電話等口頭取引で時と所とを異にした通常取引においては、その称呼、観念が酷似し、互いに誤認混同しての取引がなされること明らかであると認められ、本件商標は引用各商標と類似するものといわざるを得ない。
4.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標は、登録後5年以上にわたり乙第1号証のように、当該指定商品と共に使用流通し、被請求人の商標として広く業界に周知されるに至っている旨主張する。
しかしながら、乙第1号証のみでは被請求人の具体的な使用規模が不明であり、現時点で何等補充の資料の存在もない点からすると、本件商標が「周知」であると主張する理由根拠は、全く認められないものである。
むしろ、引用各商標の今日まで永年の使用実績からみるなら、一般の取引者、需要者は、本件商標と引用各商標を互いに誤認混同することは明らかである。
(2)本件商標と引用各商標の類否については、本件商標の審査段階における登録異議の申立て事件(以下「前審異議の申立て」という。)と本件事件とは異なるものであるから、「答弁」につき何等援用が認められる理由根拠はない。
被請求人は、引用商標1又は引用商標2が不可分、かつ、有機的一体的の文字であるから本件商標とは非類似である旨主張するが、前記2.(1)のとおり、上記引用各商標中の「Dia」及び「Diamond」の文字が、商品の原材料、品質表示として認識されるとみるのが合理的であり自然である。
ちなみに、先行登録例から明らかなとおり、商標中に当該文字を含んでなるものは、その指定商品が当該文字に相応した商品に限定され登録されている点からしても何等疑問の余地はなく、既に確立された審査基準である(甲第6号証の1ないし5)。
また、被請求人は、引用商標3及び引用商標4について、「GALLERY」の文字部分は、「販売展示場等」の意味合いが理解されない旨主張するが、前記2.(2)のとおり、「GALLERY」(ギャラリー)の文字は、「展示場、美術館等」の意味合いとして、販売・展示方法を表示し顕著性のない語である。
特に、引用商標4は、甲第5号証によれば、単に「クイーン」との称呼が生じ得ることの記載があり、請求人の主張根拠における証左と認められるものである。
5.むすび
叙上のとおり、本件商標は、引用各商標とその称呼、観念において類似し、その指定商品も相抵触しているものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項弟1号により、その登録は無効にされて然るべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1.本件商標は、出願公告後、本請求人により、本件審判の証拠と同一証拠をもって前審異議の申立てを受けたが、同申立ては理由がないとの決定がされ、登録されたものである。そして、その後5年以上にわたり、乙第1号証にあるように、その指定商品に使用され、被請求人の商標として広く業界に周知されるに至っている。
2.請求人は、前記前審異議の申立てと同一証拠及びほぼ同一理由により、本件商標の登録の無効を請求しているので、答弁の重複を避けるために、新たに申し立てられた無効理由についてのみ答弁する。
(1)請求人は、引用商標1及び引用商標2につき、その構成中の「Diamond」、「Dia」が、指定商品の原材料、品質を表示するものであるから、商標としての要部は「Queen’s」であるから、これより「クイーンズ」の称呼、「女王」の観念のもとに取り引きされると主張する。
しかしながら、引用商標1及び引用商標2の構成中の「Queen’s」は、形容詞的所有格であって、後半の名詞「Diamond」又は「Dia」とは、不可分、かつ、有機的一体的の文字であることはいうまでもないところである。
したがって、これら商標の称呼は、「クイーンズダイアモンド」又は「クイーンズダイア」であり、「女王のダイアモンド」又は「女王が持つダイアモンド」、「女王のダイア」又は「女王が持つダイア」と観念するのが相当である。
そうとすれば、それぞれの商標の構成中の「Diamond」又は「Dia」は、単なる商品の品質、原材料等を表すものではなく、「女王のダイアモンド」又は「女王の持つタイアモンド」等の意味合いをもつ「豪華、絢爛たる特殊なダイアモンド」を表すものであるから、これ以上の顕著性を備えたものはないものと思料される。
(2)請求人は、引用商標3及び引用商標4についても、その構成中の「GALLERY」は、一般に「販売展示場所」等を示す顕著性のない語であるから、それぞれの商標の要部は、「QUEEN」であり、これより「クイーン」の称呼、「女王」の観念にて取り引きされると主張する。
引用商標3及び引用商標4においては、「クイーンギャラリー」及び「ザクイーンギャラリー」の称呼と「女王の美術館」、「女王の建てた美術館」及び「女王陛下の美術館」、「女王陛下の建てた美術館」との豪華、かつ、権威ある美術館の観念が生ずると解釈すべきを相当とし、請求人のいう「販売展示場等」の庶民的、一般的な観念ではないと理解される。
そうとすれば、それぞれの商標の構成中の「GALLERY」は、前半に「Queen」又は「The Queen」なる語を備えているが故に、極めて強烈で権威ある意味合いを持ち、請求人のいう顕著性のない語と理解することはできない。
(3)仮に、請求人の主張する取引業界の称呼の簡素化に従い、引用商標1ないし引用商標4が全て「クイーンズ」、「クイーン」と簡略称呼され得るものとすれば、称呼の同一又は類似として、先行登録商標第463958号によって、後願の引用商標1ないし引用商標3は、連合商標出願でない限り、拒絶され、登録され得なかったはずである。ところが、これらの引用各商標は、厳然として並立し、商標登録第463959号、同2207971号、同2477047号として現存しているところをみれば、請求人の称呼簡略の論理は成り立たないものである。
現に被請求人においても、引用商標3と同義、かつ、後願たる登録第4069907号商標(「QUEEN PEARL」、乙第2号証)を、何の支障もなく取得し、維持している。
3.よって、本件商標は、引用商標1ないし引用商標4と「クイーン」の称呼を共有するとしても、それぞれがもつ観念上、称呼上の明瞭な通念からして、両者は相紛れるおそれがないものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当せず、本件無効審判は理由がないものである。
1.本件商標について
本件商標は、「QUEEN」の文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「クイーン」の称呼及び「女王」の観念が生ずるものである。
2.引用各商標について
(1)引用商標1は、「Queen’s Diamond」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上一体的に表されているばかりでなく、その構成中の「Queen」、「’s」及び「Diamond」の各語は、それぞれ「女王」、所有格を表す記号と文字、及び「ダイヤモンド」の意味を有するものとして、わが国において一般によく知られている平易な英語といえるから、これより「女王のダイヤモンド」なる観念が無理なく生ずるものである。また、引用商標1全体を称呼した場合の「クイーンズダイヤモンド」の称呼は、さほど冗長にわたるものではなく、むしろ構成文字全体から1つの観念が生ずることを考えると、自然の称呼というのが相当である。
してみると、引用商標1は、これを構成する「Queen’s Diamond」の文字の不可分一体性は強いものというべきであって、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Queen’s」若しくは「Queen」の文字部分のみに着目し、これより生ずる「クイーンズ」若しくは「クイーン」の称呼、観念をもって商品の取引に当たるものとはみられないというべきである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「クイーンズダイヤモンド」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「女王のダイヤモンド」なる観念を生ずるものといわなければならない。
(2)引用商標2は、「Queen’s Dia」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上一体的に表されているばかりでなく、その構成中の「Queen」、「’s」の各語は、それぞれ「女王」、所有格を表す記号と文字を表す英語として、また、「Dia」の語は、「ダイヤモンド」の略語を表す語として、わが国において一般によく知られているものといえるから、これより「女王のダイヤモンド」なる観念が無理なく生ずるものである。また、引用商標2全体を称呼した場合の「クイーンズダイヤ」の称呼は、さほど冗長にわたるものではなく、むしろ構成文字全体から1つの観念が生ずることを考えると、自然の称呼というのが相当である。
してみると、引用商標2は、これを構成する「Queen’s Dia」の文字の不可分一体性は強いものというべきであって、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Queen’s」若しくは「Queen」の文字部分のみに着目し、これより生ずる「クイーンズ」若しくは「クイーン」の称呼、観念をもって商品の取引に当たるものとはみられないというべきである。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して「クイーンズダイヤ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「女王のダイヤモンド」なる観念を生ずるものといわなければならない。
(3)引用商標3は、「QUEEN GALLERY」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上一体的に表されているものである。
また、引用商標3の観念についてみるに、その構成中の「QUEEN」は「女王」を意味する英語としてわが国でよく知られているものである。一方、「GALLERY」は、「回廊、画廊、美術品を展示する部屋、ゴルフ試合などの観客」等を意味する語としてわが国において普通に使用されているものであるところ、前半部分の「QUEEN」との関係からみれば、「画廊、美術品を展示する部屋」の意味を理解させるものであって、引用商標3全体として「女王の画廊、美術品を展示する部屋」なる観念が生ずるものというのが相当である。
さらに、引用商標3は、その構成文字全体から生ずる「クイーンギャラリー」の称呼は、さほど冗長にわたるものではなく、むしろ構成文字全体から1つの観念が生ずることを考えると、自然の称呼というのが相当である。
してみると、引用商標3は、これを構成する「QUEEN GALLERY」の文字の不可分一体性は強いものというべきであって、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「QUEEN」の文字部分のみに着目し、これより生ずる「クイーン」の称呼、観念をもって商品の取引に当たるものとはみられないというべきである。
したがって、引用商標3は、その構成文字に相応して「クイーンギャラリー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「女王の画廊、美術品を展示する部屋」なる観念を生ずるものといわなければならない。
(4)引用商標4は、「The Queen」の文字、及び該「Queen」の文字中の「n」の右縦線をその左縦線の2倍程度下に長く伸ばし、該右縦線を二分するように同縦線の中間部にほぼ直角に交差するように長い横線を引き、「n」の右縦線と該長い横線とが交差したすぐ右下に「GALLERY」の文字をやや小さく書してなるものであるところ、「The Queen」の文字と「GALLERY」の文字は、文字の態様を異にするものであるとしても、その構成全体は、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、引用商標4は、引用商標3と同様の理由により、全体として「女王の画廊、美術品を展示する部屋」の観念が生ずるものであって、その構成文字全体から生ずる「ザクイーンギャラリー」の称呼、若しくは定冠詞「The」を省略した場合の「クイーンギャラリー」の称呼は、自然の称呼というのが相当である。
したがって、引用商標4は、その構成文字に相応して「ザクイーンギャラリー」の称呼、又は「クイーンギャラリー」の称呼を生ずるものであって、「女王の画廊、美術品を展示する部屋」なる観念を生ずるものといわなければならない。
3.本件商標と引用各商標との対比
本件商標と引用各商標は、それぞれ前記した構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標より生ずる「クイーン」の称呼と引用各商標より生ずる「クイーンズダイヤモンド」、「クイーンズダイヤ」、「クイーンギャラリー」及び「ザクイーンギャラリー」の称呼は、構成する音数等の差異により明らかに聴別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標と引用各商標は、それぞれ前記のとおりの観念を生ずるものであるから、観念において相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本件商標と引用各商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
したがって、引用各商標から単に「クイーンズ」若しくは「クイーン」の称呼、及び「女王の」若しくは「女王」の観念をも生ずることを前提に、本件商標と引用各商標とが称呼及び観念において類似するとする請求人の主張は理由がない。
4.むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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