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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の真偽

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31104号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2141744号商標の指定商品中「医療機械器具」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2141744号商標(以下、「本件商標」という。)は、「フォーミー」の文字を横書きしてなり、昭和62年5月29日に登録出願、第10類「理化学機器器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至同第6号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「医療機械器具」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者により使用した事実が存しない。さらに、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標の使用の事実を述べ、乙第1号証乃至同第5号証を提出しているが、これは本件商標を「医療機械器具」について使用しているといえるか疑問であり、また、この証拠だけでは本件商標を使用していることを何ら立証していることにはならない。

乙第1号証の「硝子シャーレ」は、「理化学機械器具」に属するものであり、「医療機械器具」に含まれる商品ではない。

乙第2号証の「点検鏡」と乙第3号証乃至同第5号証の「ルーぺ」については、これは本来的には「光学機械器具」に属するものであるが、汎用性のあるもので、用途が「医療」にも使用されることを鑑みて、これらが「医療機械器具」に含まれるものであることは是認する。

しかし、商標の使用態様が、乙第2号証乃至同第5号証のものは、いずれも、手製のラベル又はシールを無理に貼り付けたものであり、このような使用の仕方はこの種の商品においては有り得ないものである。

乙第2号証及び同第3号証の「点検鏡」及び「ルーぺ」には、「フォーミー」のシールが貼り付けられている。

乙第4号証の「ルーペ」には、箱体と本体に「フォーミー」のシールが貼り付けられているが、箱体には別に「HEINE」の商標があり、これが真実の商標ではないかと思われる。

乙第5号証の「ルーペ」には、「フォーミー」のシールが貼り付けられているが、別に「HEADLUPE」の英文字で商品の普通名称が付されている。

これらはいずれも、一見して無理に急ごしらえで「フォーミー」のシールを貼り付けたものであることが分かり、実際の品物は貼られていないのではないかと疑える。

そこで、平成11年3月18日に入手した被請求人(新潟精機株式会社)の「TOOLS 総合カタログ VOL No104(平成10年1月現在)」(甲第3号証)をみるに、この総合カタログの第37頁には、乙第2号証の「点検鏡」と乙第5号証の「ルーペ」、第38頁には、乙第3号証の「ルーペ」、第44頁には、乙第4号証の「ルーペ」がそれぞれ写真で掲載されているが、ここにはどれを見ても「フォーミー」のシールは貼られていないものであり、これが実際の商品における商標の使用態様である。

又、これら乙第2号証乃至同第5号証の写真だけでは、商標の使用をしていた状況が極めて不明であり、いつ、誰に、何を、何個販売したかの資料、例えば「納品書・請求書・領収書・売掛け台帳」等の状況証拠で明らかにすべきであるが、被請求人はこの点は何も提出していない。

さらに、乙各号証を撮影した日は本件審判請求の予告登録日の後であるから、これらの写真の証拠だけでは客観的に使用の事実を証明したものとはいえない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第5号証を提出した。

(1)答弁の理由

本件商標は5年前から現在に至るまで被請求人が乙第1号証乃至同第5号証に示す態様で継続して使用している。

被請求人が本件商標を継続して使用している商品、即ち被請求人が製造販売を行っている商品は、「硝子シャーレ」、「点検鏡」及び3種類の「ルーペ」であるが、これらの商品は、請求人が取消しを求めている商品「医療機械器具」に属する商品である。

乙第1号証は、「医療用硝子シャーレ」の写真であり、本件商標が付されて使用されている。この使用商品「硝子シャーレ」は、医療手術等で摘出物をいれるとき等に使用するもので「医療機械器具」の「手術用機械器具」に属する商品である。

乙第2号証は、「医療用点検鏡」の写真であり、本件商標が付されて使用されている。この使用商品「点検鏡」は、医療手術等で見えない患部等を映すために使用したり、治療器具としても使用するもので、「医療機械器具」の手術用機械器具に属する商品である。

乙第3号証は、「医療用ルーペ」の写真であり、本件商標が付されて使用されている。この使用商品「ルーペ」は、電灯の先端に拡大鏡を設けたもので、医療手術時に暗い患部等を拡大して見るとき等に使用するもので、治療器具としても使用するもので、「医療機械器具」の手術用機械器具に属する商品である。

乙第4号証は、「医療用ルーぺ」の写真であり、本件商標が付されて使用されている。この使用商品「ルーぺ」は、眼鏡のようにかけて、医療手術時に患部等を拡大して見るとき等に使用するもので、治療器具としても使用するもので、「医療機械器具」の手術用機械器具に属する商品である。

乙第5号証は、「医療用ルーペ」の写真であり、本件商標が付されて使用されている。この使用商品「ルーペ」は、頭部に装着して眼鏡のように使用するもので、医療手術時に患部等を拡大して見るとき等に使用するもので、治療器具としても使用するもので、「医療機械器具」の手術用機械器具に属する商品である。

4 当審の判断

被請求人が本件商標をその指定商品中の取消請求に係る商品「医療機械器具」に含まれる「医療用硝子シャーレ、医療用点検鏡、医療用ルーペ」について使用している事実を証明するものとして提出した乙各号証をみるに、乙第1号証として提出された「医療用硝子シャーレ」と主張する「硝子シャーレ」は、医療手術時に摘出物等の入れ物として使用される場合があるとしても、その機能等からみて本質的には「理化学機械器具」の「実験用ガラス器具」の範疇に包含されるものであり、「医療機械器具」に属するものということはできない。

また、乙第2号証乃至同第5号証に係る「点検鏡」、「ルーペ」については、「光学機械器具」の「拡大鏡」の範疇に属するものというべきであるが、医療用として用いられる汎用性のある商品の存在からして本件商品については「医療機械器具」に属する商品とみることができる。

ところで、乙第1号証乃至同第5号証に係る商品には直接「フォーミー」の文字を表示したシールが貼られ、乙第4号証の「ルーペ」の容器の表面には、商品を表す図形の下部に「フォーミー」の文字を表示したシールが貼られ、さらに、「HEINE」の文字と「GERMANY」の文字が表示されており、乙第5号証の「ルーペ」には「HEADLUPE」の文字が表示されていることが認められる。

しかしながら、請求人提出の甲第3号証(被請求人の平成10年1月現在の「TOOLS 総合カタログ VOL No104」)には、「INDEX」の「5 光学機器」の第37頁、第38頁及び第44頁に「点検鏡」、「ヘッドルーペ」、「フラッシュルーペ」及び「バイノカラールーぺ」の表示とともに商品がそれぞれ掲載されていることが認められ、これらの商品は、被請求人が本件商標を使用しているとする乙第2号証乃至同第5号証に係る商品に相当する商品と認められるところ、これらの商品には、本件商標は、どこにも表示されていないものである。

してみれば、被請求人が本件商標を使用しているとして提出した乙各号証の写真の「硝子シャーレ、点検鏡、ルーペ」(「硝子シャーレについては取消請求に係る指定商品に含まれるとしても)に貼られている「シール」に表示されている「フォーミー」の文字は、不使用による登録の取消を免れるためにのみ作成され、貼付されたものとみるのが相当であり、このようなものをもって本件商標が正当に使用されていると認めることはできない。。

そうすると、被請求人は、前記の如く認められる乙各号証の写真を提出しただけで、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していたことを客観的に認め得るための証拠を何ら提出していないといわざるを得ない。

そうとすれば、被請求人提出の証拠によっては、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において取消請求に係る指定商品「医療機械器具」について本件商標を使用していたものとは認められない。

なお、被請求人は、請求人の弁駁に対し、何等、答弁、立証するところがない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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