結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30316(T2002−30316/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2073033号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和50年1月14日に登録出願(パリ条約による優先権主張1974年10月28日、イタリア共和国)、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和63年8月29日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成10年4月21日になされいるものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1及び第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件商標が使用権者によって本件審判の予告登録前3年以内に取消請求に係る被服に使用されていたことを立証するものとして、乙第1ないし第7号証を提出したが、これらの書証は本件商標が本件審判の予告登録前3年以内に国内において被服について使用されていたことを証明するに足りないものといわざるを得ない。すなわち、
(1)被請求人は、乙第1号証は被服の商品カタログである旨主張しているが、乙第1号証自体は12枚のルーズリーフ式の写真集のようなもののコピーであって、その実物が不明であり、また、仮にその実物が商品カタログであるとしても、何処(外国)で何時、誰によって作成されたものであるのかが明らかでないばかりでなく、国内において使用されたものであるのかも明らかにされていない。
(2)乙第2ないし第7号証はインボイスの写しであることは認められるとしても、これらのすべてのインボイスは本件商標又は本件商標に関する商品に係る取引書類とは認められないものである。つまり、これらのインボイスは、大体の様式を同じにするものであって、矢印で示されている表示部分のうち「COL.REPORTER OSCAR VALENTINO」の文字は、それぞれのインボイスのREPORTER(リポーター)が、たまたま「OSCAR VALENTINO」氏であることを表しているにすぎないものであって、本件商標がインボイスに使用されていたことにならないのは自明のことであり、すべてのインボイスには本件商標の表示を見出すこともできない。
結局、乙第1ないし第7号証は、本件商標が本件審判の予告登録前、3年以内に国内において被服について使用されていた事実を証明するに足りないものであることが明らかである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第7号証を提出した。
(1)使用権者による本件商標の使用
商標権者はイタリア法人のSANREMO MODA UOMO Spaに本件商標の使用許諾を行っている。我が国における使用権の許諾に際して特に書面による意思表示は必要としない。したがって、書面の提出がないことをもって、SANREMO MODA UOMO Spaが使用権者であることを否定することはできない。そして、SANREMO MODA UOMO Spaの商品カタログには甲第2号証の本件商標の商標公報の商標と全く同一の構成に係る商標が掲載されている(乙第1号証)。本件商標のようにかなり特殊にデザイン化された商標と全く同一の商標が商標権者とは全く無関係の者によって使用されることは取引の経験則上到底考えられない。このようSANREMO MODA UOMO Spaの商品カタログ上の商標と本件商標は一致することからも、同社が本件商標の使用権者であるといえる。
(2)本件商標の指定商品についての使用
SANREMO MODA UOMO Spaの商品カタログに掲載されている商品は本件商標の指定商品「被服」である。本件商標がその取消請求に係る商品に使用されていることは明らかである。
(3)予告登録前3年以内の使用
SANREMO MODA UOMO Spaは広島市にある会社(英文名称X‐SELL Inc.)に本件商標が自己の取扱いに係る商品を本件審判の予告登録前3年以内の2000年3月22日、2000年3月28日、2000年9月20日、2000年10月5日、2001年8月29日、2002年1月23日に譲渡ないしは引渡した。被請求人は該事実を立証するためにSANREMO MODA UOMO SpaがX‐SELL Inc.宛てに発したインボイス(商品の送り状)の写しを提出する(乙第2ないし第7号証)。
これらいずれのインボイス上にも「OSCAR VALENTINO」の表示がされている。本件商標は商標公報に示されるようにかなり特殊にデザイン化された商標であるから、当該商標をインボイス上にそのまま表示することは困難である。そのため、インボイス上では本件商標を文字によって「OSCAR VALENTINO」として表示したのである。本件商標のようにデザイン化された商標をインボイスのような取引書類上では文字のみで表示することは取引上よく行われているところである。
上述したように、SANREMO MODA UOMO Spaが被服を取り扱っている以上これらインボイスに述べられている商品は被服であることは明らかである。現に、インボイスの下欄の商品の個数の欄に「SUlTS lOO」「OVERCOATS 38 SUITS 35 JACKETS 50 TROUSERS 18」「OVERCOATS 42 SUITS 16 JACKETS 16」等が表示されていることからすれば、インボイスで送られた商品が被服であることは立証されたといえる。
インボイスの宛て先であるX‐SELL Inc.の住所が「HIROSHMA JAPAN」であるから、本件商標が使用された服が日本の会社に譲渡ないしは引き渡されたことは明らかである。すなわち、日本で本件商標が使用された商品の譲渡ないしは引き渡されたことが立証された。
そして、これらインボイスの日付である2000年3月22日、2000年3月28日、2000年9月20日、2000年10月5日、2001年8月29日、2002年1月23日がいずれも本件審判の予告登録日平成14年4月12日前3年以内である。
(4)まとめ
以上述べたことから明らかなように、本件商標が使用権者によって本件審判の予告登録前3年以内に取消請求に係る被服に使用されていたことが立証された。
被請求人は、乙第1号証は本件商標の使用を許諾されているイタリア法人のSANREMO MODA UOMO Spaの商品カタログである旨主張しており、このカタログには、本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されていることが認められる。しかしながら、このカタログ自体には、これが作成された時期、頒布された時期を示す記載は見あたらず、また、これが、日本国内で頒布されたことが明らかなものでもない。
そして、乙第2ないし第7号証は、いずれもインボイスの写しであることは認められるとしても、これらに記載されている「COL.REPORTER OSCAR VALENTINO」の文字は、この文字自体及びその表示位置からみて荷送人側の申告者を表示しているものと認められるものであって、これらのインボイスにより送られる商品の商標を表しているものとは到底認められない。
そうすると、乙第1ないし第7号証によっては、本件商標が本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、取消請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないし、他に、本件商標の使用事実を立証する証拠を提出していない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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