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Trademark Appeal Case

INNの普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−5963(T2002−5963/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「コレストロン」の文字を書してなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、平成12年12月26日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、医薬品の一般的名称として決定されている『colestolone』の表音である『コレストロン』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中、上記商品に使用するときは、単に商品の普通名称を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「コレストロン」の文字よりなるものである。

そして、世界保健機構(WHO:World Health Organization)(以下「WHO」という。)が定める医薬品の国際一般的名称 (International Nonproprietary Names )(以下「INN」という。)には、「colestolone」(音訳「コレストロン」)が登録されていることは、WHO1996年発行「International Nonproprietary Names(INN)for Pharmaceutical Substances」164頁に掲載されていることからも明らかである。

この医薬品の国際一般的名称は、商品名と異なり、誰もが自由に使用できる世界共通の名称である必要があり、かつ、他のものの名称に使用されない固有性を有していなければならないため、WHOを中心とした加盟国との国際的な協力体制のもとに、一般名の命名基準や手続きが定められている。また、INNは、構造、薬理作用などに基づいて命名されており、名称からその医薬品の薬効ジャンルなどが判明できる場合が多いことも特徴となっている。

ところで、医薬品は、直接、人の生命に関わるものであることから、その名称が類似するために起こる誤った薬の処方や投与など、医薬品をめぐる医療事故を防ぐ見地からも、その名称の採択・使用は慎重であらねばならないところ、INNに登録された医薬品の国際一般的名称と同一又は類似する商標を、薬剤等について、特定の者に対し独占的使用権を認めることは、使用の結果、これに接する取引者・需要者をしてINNに登録されている名称に相応する医薬品との間において商品の品質の誤認や、ひいては医薬品としての誤った使用を生ぜしめるおそれが十分に想定できるものであるから、かかる商標は独占に適さないものであり、これを登録することは許されないものといわなければならない。

しかして、請求人は、本願商標が、「最新医学大辞典」(甲第6号証)、あるいは厚生労働省によって認可された一般に販売されている薬品の全てを網羅した資料(甲第7号証)等々に掲載されていないから、一般需要者間においても医薬品の一般的名称であるとの認識を持ちようがないものであり、本願商標は造語として認識され、自他商品の識別標識としての機能を有する商標である旨述べているが、「colestolone」(コレストロン)の文字よりなる医薬品名が、医薬品の国際一般的名称として既に登録されたものであることは上記のとおりであり、そして、商品について普通名称とは、取引界において、その商品の一般的な名称であると意識されるに至ったものをいうものであるから、既にINNとして登録され、以後、誰もが自由に使用し得る名称となっているものである以上、かかる名称は最早、当該医薬品の名称の普通名称となっているものと言って差し支えないといい得るものである。

そして、本願商標は、上記のとおり「コレストロン」の文字よりなるものであり、INNとして登録されている「colestolone」の音訳「コレストロン」と称呼を同じくする類似の商標と認められるものである。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「colestolone」(コレストロン)に使用するときは、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標といわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第1号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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