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Trademark Appeal Case

代理人による商標の冒認出願

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31189号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第53条の2の規定により、登録第4076991号商標の登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

I 本件商標

本件登録第4076991号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙(1)に示した構成よりなり、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成8年6月7日登録出願、同9年10月31日に設定登録されたものである。

II 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。

1.請求人は、パリ条約の同盟国民であるアメリカ合衆国カリフォルニア州法人であり、パリ条約の同盟国であるアメリカ合衆国において本件商標と同一の構成に係る登録第1988029号商標「Katzkin」(以下「請求人商標」という。)の商標権者である(甲第2号証及び甲第6号証)。その登録商標の指定商品は「皮製の自動車用座席用クッション」であって(甲第3号証)、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品であることは明らかである。

2.請求人は当初「カツキン レザー インコーポレイテッド」として設立されたが、「カツキン レザー カンパニー インコーポレイテッド」「カツキン レザー カンパニー」「カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド」の如き様々な商号を使っている(甲第5号証)。

そして、「カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド」は、大阪府守口市佐太東町2丁目6番8号に所在の「株式会社ジェイ・アイ・シー・ジャパン」(以下「ジェイ・アイ・シー」という。)との間で、「ジェイ・アイ・シー」を日本における「フォルクスワーゲン及びアウディ用の皮製自動車用座席カバー」を販売するための独占的販売代理店とする契約を1995年9月29日に締結した。この契約は少なくとも1995年10月1日から1996年9月30日まで有効に存在していた(甲第3号証)。したがって、甲第3号証の契約の当事者は請求人本人である。

3.「ジェイ・アイ・シー」は、被請求人と同じ住所に所在している。そして、被請求人は、「ジェイ・アイ・シー」の全株式1600株中1560株を所有し、代表者を同じくし、「ジェイ・アイ・シー」の商品の仕入先となっている(甲第4号証)。

したがって、「ジェイ・アイ・シー」と被請求人とは同一視できる。すなわち、被請求人は、請求人の独占的販売代理店と解される。

4.請求人は、被請求人が本件商標を登録することに何ら承諾を与えていない。また、被請求人が本件商標を登録することに何らの正当の理由はない。

5.以上述べたことからして、本件商標の登録は商標法第53条の2の規定により取り消されるべきである。

III 被請求人は、何ら答弁するところがない。

IV 当審の判断

1.本件商標は、別紙(1)に示したとおりの構成よりなり、その指定商品は、前記したとおり、自動車の部品及び附属品を含むものである。

2.甲各号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)甲第2号証(アメリカ合衆国登録第1988029号商標原簿)及び甲第6号証(同登録証)によれば、「KATZKIN,LEATHER COMPANY,INK.」(カツキン レザーカンパニー インコーポレイテッド;請求人)がアメリカ合衆国において、別紙(2)に示した構成よりなる商標(請求人商標)を、商品「皮製の自動車用座席用クッション」について、権利を有する者であること。

(2)甲第5号証(請求人の書簡)によれば、上記アメリカ合衆国における登録商標の権利者である「カツキン レザー カンパニー インコーポレイテッド」と「KATZKIN LEATHER INTERI0RS,INC.」(カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド)とが同一人であることが認められ、これに反する証拠は見当たらない。

(3)甲第3号証(日本における販売代理店に関する契約書)によれば、「カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド」は、1995年9月29日に、大阪府守口市佐太東町2丁目6番8号所在の「ジェイ・アイ・シー」との間で、「ジェイ・アイ・シー」が日本国内で、請求人の販売に係る商品「フォルクスワーゲン及びアウディ用の皮製自動車用座席カバー」を独占的に販売することを内容とする販売代理店契約を取り交わしたこと。その契約期間は、1995年10月1日から1996年9月30日までとするものであること。

(4)甲第1号証(本件商標の登録原簿)及び甲第4号証(帝国データバンク企業情報)によれば、「カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド」の日本における販売代理店である上記「ジェイ・アイ・シー」は、被請求人と住所・代表者が同一であること、業種においても、被請求人が自動車部分品・付属品卸売業を業種の一つとしているに対し、「ジェイ・アイ・シー」は自動車小売業を業種の一つとし、両者は仕入先・得意先の関係にあること、「ジェイ・アイ・シー」の全株式1600株中1560株を被請求人が所有していること。

3.前記1.及び2.(1)ないし(4)で認定した事実よりすれば、本件商標と請求人商標とは、その構成態様をほぼ同一にするものであり、かつ、本件商標の指定商品は、請求人商標の権利に係る商品を含んでなるものである。

そして、請求人である「カツキン レザー インテリアーズ インコーポレイテッド」との間で、請求人の販売に係る商品「フォルクスワーゲン及びアウデイ用の皮製自動車用座席カバー」について、日本での独占販売代理店契約を締結した「ジェイ・アイ・シー」は、本件商標の登録出願日である平成8年(1996年)6月7日の1年以内である1995年10月1日より、上記商品を独占的に輸入販売していたものと認められるところ、「ジェイ・アイ・シー」は、被請求人とは、資本、組織、業種などの面において極めて密接な関係を有し、「ジェイ・アイ・シー」の事業活動は、事実上被請求人の支配下にあったと推認し得るといえるものであり、さらに、本件商標及び請求人の商標を構成する「Katzkin」の語は、請求人の商号の一部と認められること、該語は、わが国においては、極めて馴染みの薄い英文字であって、商標として一般に採択し易いものといえないものであることなどを併せ考えると、被請求人は、「ジェイ・アイ・シー」と事実上同一の立場にあり、請求人の日本における独占販売代理店と同等の地位にあったとみて差し支えないものというのが相当である。

また、被請求人が本件商標の登録出願をするにつき、正当な理由によってなされたものであること、及び請求人の承諾を得ているものであることについて、これを認めるに足りる証拠の提出はない。

4.以上によれば、本件商標は、パリ条約の同盟国において商標に関する権利を有する請求人の権利に係る商標と同一または類似する商標であって、当該権利に係る商品またはその類似する商品を指定商品とするものであり、かつ、その商標登録出願が正当な理由がないのに、請求人の承諾を得ないで、請求人の代理人と同等の地位にあった者によってなされたものであるから、本件商標の登録は、商標法第53条の2の規定により、これを取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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