結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2002−90725(T2002−90725/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4584350号商標(以下「本件商標」という。)は、「VITAMINLIP」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成12年3月16日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,洗濯用柔軟剤,つや出し剤,研磨紙,靴クリーム,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成14年7月12日に設定登録されたものである。
当審において、平成15年3月7日付で商標権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第4号証によれば、リップクリーム、口紅等の原材料として「ビタミンC」や「ビタミンE」等の「ビタミン」が普通に用いられていることが認められる。
また、甲第5号証及び甲第6号証には、「VITAMINLIP」、「ビタミンリップ」の語が「ビタミン配合の唇用化粧品」を表すものとして使用されている事実を認めることができる。
そうすると、本件商標は、「VITAMINLIP」の文字よりなるものであるところ、その指定商品中「化粧品」との関係においては、これに接する取引者、需要者は、これより「ビタミン配合の唇用化粧品」であることを容易に理解し、認識するものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「VITAMINLIP」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、これをその指定商品中「ビタミン配合の唇用化粧品」について使用するときは、単にその商品の品質、用途、原材料等を表示するにすぎないものというべきであり、また、その指定商品中上記商品以外の「化粧品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨次のように意見を述べている。
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、拒絶査定を受けたため、原査定を不服とする審判請求を行ったところ、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではないとの審決を受け、平成14年7月12日に設定登録された後、同年8月13日に登録公報に掲載されたものである。
しかるに、当該指定商品中「化粧品」や「リップクリーム、口紅等」において、「ビタミンC」や「ビタミンE」等の「ビタミン」が、商品の原材料として普通に用いられていることは認めることができるものであるが、申立人が提出している甲第5証及び甲第6号証より、本件商標が、「ビタミンを配合する唇用化粧品」を表すものとして使用されている事実を認めることができるとすることは甚だ納得できないものであるので、以下にその理由を述べる。
甲第5号証の証拠資料は、ジャー式商品の正面に、「Vitamin Lip Saver」の文宇と「MOLTON BROWN」の文字と「LONDON」の文字が付された白黒のコピーと、その側面に「Made inEngland」を付された白黒コピーであるが、実際の日本国内の市場において、かかる商品が、業として取引されているものであるのか否か、何ら証明がなされていないものであり、また、当該商品は、どのような用途の商品であるのか具体的な説明も付されていない。さらに、該商品は「Vitamin Lip Saver」印の商品であって、「VITAMINLIP」印の商品ではないから、これより直ちに、当該指定商品において、「VITAMINLIP」の語が「ビタミン配合の唇用化粧品」を表わすものとして使用されている事実とすることは認めることができない。
甲第6号証の第1番目の証拠資料は、飛行機のビジネスクラスで無償で配布されるアメニティ・キットにおいて、「ビタミン・リップ・クリーム」の文字が使用されているとする白黒のコピーであるが、当該アメニティ・キットは、ビジネスクラスへの搭乗を促す販促物であって、業として流通をなしている商品であるとは言いがたいものであり、また、当該証拠資料の印刷が不鮮明であるため、該アメニティ・キツトにおいて、「ビタミン・リップ・クリーム」の文字が実際に使用されているのかどうか、「ビタミン・リップ・クリーム」印の商品として理解し得るあしらいとなっているのかどうか判断できないものであるから、これより直ちに、当該指定商品において、「VITAMINLIP」の語が「ビタミンの唇用化粧品」を表わすものとして使用されている事実とすることは認めることができない。
甲第6号証の第2番目の証拠資料は、商品の写真と、「[MOLTON BROWN]VITAMIN LIP SAVER ビタミン・リップ・セーバー」と書かれた白黒コピーであるが、当該商品は、「VITAMIN LIP SAVER」(ビタミン・リップ・セーバー)印の商品であって、「VITAMINLIP」印の商品ではないから、これより直ちに、当該指定商品において、「VITAMINLIP」の語が「ビタミンの唇用化粧品」を表わすものとして使用されているとは言うことができない。
そして、当該証拠資料は、印刷が不鮮明であるため、「VITAMIN LIP SAVER」(ビタミン・リップ・セーバー)の文字が、どのような態様で商品に使用されているのか、また、これらの文字が実際に商品に使用されているのかどうかを見極めるため、自ら商品を調べてみたところ、実際の態様は、「VITAMIN」「LIP SAVER」の文字が二段併記の態様で使用されていることから、当該商品は、「VITAMIN LIP SAVER」印の商品、若しくは「LIP SAVER」印の商品とするのが相当であって、「VITAMINLIP」印の商品の使用事実とすることは認められない(乙第1号証)。
甲第6号証の第3番目の証拠資料は、●ビタミンリップ●価格500円位 のび:◎ 潤い:◎ 香り:◎ ...と書かれた白黒コピーであるが、当該商品は、商標権者が販売する商品である(乙第2号証及び乙第3号証)。
甲第6号証の第4番目の証拠資料は、「ビタミントリートメントリップ」商品について書かれた白黒コピーであるが、当該商品は、「ビタミントリートメントリップ」印の商品であって、「VITAMINLIP」印の商品ではないから、これより直ちに、当該指定商品において、「VITAMINLIP」の語が「ビタミンの唇用化粧品」を表わすものとして使用されているとは言うことができない。
甲第6号証の第5番目の証拠資料は、「ビタミンリップケア」と書かれた白黒コピーであるが、「ビタミンリップケア」商品が具体的にどのようなものであるのか、これらの商品が実際に存在し、市場で流通しているのか等、具体的な内容が一切述べられていないことから、証拠資料としての信憑性に欠けているものと言わざるを得ず、また、当該資料は、「ビタミンリップケア」であって、「VITAMINLIP」印の商品について述べられているものではないから、これより直ちに、当該指定商品において、「VITAMINLIP」の語が「ビタミンの唇用化粧品」を表わすものとして使用されているとは言うことができない。
そして、商標権者が、「ビタミンリップ」の文字をキーワードとして、インターネットを利用して検索を行ってみたところ、当該指定商品を取り扱う市場において、「ビタミンリップ」にかかる商品を販売しているのは商標権者のみであるから、「VITAMINLIP」の語が「ビタミンの唇用化粧品」を表わすものとして使用されているとする事実は、何ら存在しないものであり、そのような事実は全く認められないものと言わなければならない。
よって、申立人が提出した甲第5号証及び甲第6号証の証拠資料並びに商標権者の「ビタミンリップ」の検索結果(乙第4号証ないし乙第10号証)をみても、本件商標が、「ビタミンを配合した唇用化粧品」を表わすものとして使用されている事実は一切認められないものである。
また、本件商標と同様の意味合いを有する商標(乙第11号証ないし乙第28号証)についても、本件商標と同様の理由で登録されてはならないものであるが、実際はその登録が認められている。
本件商標と同様の意味合いを容易に理解させ得る商標が、上記規定に該当することなく、普通に登録されている事実からすれば、本件商標のみが、該指定商品中「化粧品」について、単に商品の品質、用途、原材料等を表わしたものとして、また、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとして、その登録を取り消されることは、甚だ承服できないものと言わなければならない。
してみれば、本件商標は、該指定商品を取り扱う業界において、「ビタミン配合の唇用化粧品」を表わすものとして、普通に使用され、取引されているとする事実は一切存在していないものであるから、本件商標の査定不服審判における審決と同じく、これを該指定商品について使用しても、自他商品の識別機能を十分に果たし得るものであり、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないとするのが相当である。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
本件商標は、「VITAMINLIP」の文字よりなるものであるところ、上記3の取消理由は妥当なものであって、その指定商品中「化粧品」について使用するときは、「ビタミン配合の唇用化粧品」であると理解し、認識するものといわざるを得ないから、商品の品質、用途、原材料等を表示するにすぎず、また、その指定商品中上記商品以外の「化粧品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。
しかして、これを論難する商標権者の上記3の意見は、以下の理由により採用することができない。
すなわち、申立人の提出に係る甲各号証よりすれば、リップクリーム、口紅等において、「ビタミンC」や「ビタミンE」等の「ビタミン」が、商品の原材料として普通に用いられていることが認められる(甲第1号証ないし甲第4号証)。また、ビタミンが配合されている唇用化粧品について「Vitamin Lip Saver」「ビタミン・リップ・セーバー」(甲第5号証)、「ビタミン・リップ・クリーム」「ビタミントリートメントリップ」「ビタミンリップケア」(甲第6号証)等のように称し、「Saver」「セーバー」「クリーム」「トリートメント」「ケア」等の文字を伴っているものではあるが、「Vitamin/ビタミン」及び「Lip/リップ」の語をその構成中に使用して、これをもって、ビタミン配合の唇用化粧品であることを表しているものと認めることができる。
そして、かかる事情の下で、「VITAMINLIP」の文字よりなる本件商標が、その指定商品中「化粧品」について使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、「ビタミン配合の唇用化粧品」であると容易に理解し、認識するものといわざるを得ない。
また、商標権者は、本件商標の登録は取り消されるべきではないとして、過去の登録例(乙第11号証ないし乙第28号証)を挙げているが、具体的事案の判断においては、過去の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであり、これをもって前記認定、判断を覆す証左としては採用できない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
しかしながら、本件商標は、上記商品以外の本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、同法第43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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