結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2002−90728(T2002−90728/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4585102号商標(以下「本件商標」という。)は、標準文字により「アルファルファ」の文字を横書きしてなり、平成12年12月25日に登録出願され、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成14年7月12日に設定登録されたものである。
本件登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対して平成15年3月17日付で通知した取消理由は、次のとおりである。
登録異議申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第5号証によれば、マメ科の植物である「アルファルファ」は、ビタミン類の栄養素を含みサラダ用の食材として日常生活の場で知られているばかりでなく、化粧水、乳液等の原材料としても使用され、また、化粧品の成分表示名称として「アルファルファ(エキス)」の語は普通に使用されているものとみて差し支えないものと認めることができる。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品中「アルファルファを原材料とするせっけん類及び化粧品」について使用するときは、単にその商品の品質、原材料を表示するに止まるというべきであり、また、その指定商品中「アルファルファ」を原材料としない「せっけん類及び化粧品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるとするのが相当である。
商標権者は、上記2の取消理由に対し要旨次のように意見を述べた。
登録異議申立人の提出した証拠(甲各号証)は、「アルファルファエキス(アルファルファの成分)」が、化粧品の成分として徴量に含まれていることを示すに止まるものであって、「アルファルファ」が直接的な原材料であることを表示するものではないことから、本件商標「アルファルファ」は、商標法第3条第1項第3号に違反するものではない。
そして、このことは、例えば、化粧品の成分表示名称(甲第4号証)のうち、「パレス」、「アルゲ(エキス)」等の文字からなる商標の登録が認められていること(乙第1号証ないし乙第5号証)からも明らかであり、さらに、日本化粧品工業連合会がインターネット上に掲載している「成分表示名称リスト」(乙第5号証)に記載されている化粧品の成分表示名称の文字からなる商標の登録が多数認められていること(乙第6号証ないし乙第10号証)からすれば、化粧品の成分として微量に含まれていることを示す成分表示名称は、それのみでは、商標法第3条第1項第3号に違反することを示す理由になり得るものではない。
また、商標権者は、本件商標と同様の文字構成からなる商標及び指定商品を「せっけん類」及び「化粧品」等とする商標登録第2293300号(乙第11号証)及び商標登録第2306320号(乙第12号証)に係る商標権を過去に所有していたものであって、少なくとも上記商標権が存続していた10年間は、その指定商品に接する取引者、需要者をして、単に商品の品質、原材料を表示するものとして一義的に看取されることなく、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たしていたことを示しており、本件商標が商標法第3条第1項第3号に違反しないものであることの証左となる。
一方、商標法第4条第1項第16号に係る取消理由についても、上記のとおり、本件商標は、その指定商品の品質、原材料を表示するものではないことから、これに該当するものではない。
(1)本件商標についてした取消理由の通知(上記2)は妥当であって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないものであり、これを論難する商標権者の上記主張は以下のとおり採用することができない。
(イ)せっけん類及び化粧品に関する分野においては、植物エキスを配合した各種商品が製造・販売されており、これが例えば、「アロエ(配合)」の如くに含有されるエキスの植物名を商品の特徴(原材料)表示として使用されている実情がある。また、原材料の各成分が内容量によって、当該商品の原材料表示として使用されないとする性質のものでもなく、かつ、需要者等にその商品の選択の目安として利用される場合があることも決して少なくない。
そうすると、「アルファルファ」の文字は、せっけん類及び化粧品に関する分野において、取消理由で認定した如くに、その取引者、需要者に原材料表示として普遍的な共通認識を有するものというべきであって、その商標的機能、すなわち、需要者等に対し、特定事業者にかかる商品について、その出所を認識させる機能を発揮することは困難なものといわなければならないから、この点を述べる商標権者の主張は妥当でない。
(ロ)過去の登録例(乙第1号証ないし乙第10号証)において矛盾するもの等が存在するとしても、具体的事案の判断においては、過去の登録例の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。そして、商標権者の過去に所有していた商標登録に係る商標権(乙第11号証及び乙第12号証)が存続していたことのみをもって、本件商標が自他商品の識別標識としての機能を果たしていたことを示すものと認めることもできないものであり、これを現在における本件商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、本件商標については、上記2の取消理由における前記認定を相当とするものである。
そうすると、過去の登録例を示す上記乙各号証によって、上記2の取消理由における前記認定を覆す証左としては採用できない。
(ハ)「せっけん類,化粧品」の分野において、植物エキスを配合した各種商品が製造・販売され、その原材料として植物(エキス)が内容成分表示として使用されている取引実情よりすれば、本件商標を構成する「アルファルファ」の表示は将来とも一定の商品の品質(原材料)を表示するものと理解されるものでないといい難く、かつ、「アルファルファ(エキス)」を含有する「せっけん類,化粧品」を取引過程に置く場合、当業者であれば何人もその使用をする必要性が生じ得るものであるから、かかる表示を特定の一私人に商標登録しその独占的使用に委ねることは、妥当性を欠くものといわなければならない。また、本件商標を「アルファルファ(エキス)」を含有しない商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
(2)以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」の登録については、商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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