Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90092(T2003−90092/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4621599号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ブーメランメール」の片仮名文字と「BOOMERANG MAIL」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成13年10月18日に登録出願、第35類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年11月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録第4535059号商標(以下、「引用商標」という。)は、「BOOMERANG」の欧文字を標準文字により書してなり、西暦1999年6月10日アメリカ合衆国を第一国とするパリ条約に基づく優先権を主張して平成11年10月26日に登録出願、第38類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年1月11日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「メール/MAIL」の語が「郵便、電子メール」を指す言葉として、様々な情報やサービスを提供する一手段として既に定着しているため、サービスの提供の際「メール/MAIL」の語を用いても、単にその役務の提供の方法を示すに過ぎず、自他役務識別力を発揮しないものであるから、本件商標の要部は、「ブーメラン/BOOMERANG」の文字部分にあり、引用商標と同一の構成からなるものである。そして、両商標の指定役務のうち第41類に属する役務は、同一または類似である。
したがって、本件商標の指定役務中、第41類に属する役務については、商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、ケーブルテレビやCS放送でアニメ専門チャンネルを提供する会社であり、世界各国で番組を提供し(甲第10号証)、多数の国において商標「BOOMERANG」を登録管理している(甲第11号証ないし同第32号証)。
日本においても、スカイパーフェクトTVやケーブルテレビ局をとおして、アニメ専門チャンネルを提供しており、引用商標「BOOMERANG」を旧作のアニメーションを24時間放送するチャンネル名として長年にわたり使用しており(甲第36号証)、アニメーション番組の提供に関して、引用商標は、本件商標出願前より著名である。そのため、「ブーメラン/BOOMERANG」の文字を含む本件商標が第41類及び第42類の指定役務について使用された場合は、申立人の業務に係る役務と混同を生じるおそれが多分に存するものである。
(4)したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、第41類及び第42類の全指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記に示したとおりの構成よりなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく、一体的に表現されており、これより生ずる「ブーメランメール」の称呼もさほど冗長という程のものではなく、よどみなく一気、一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「メール/MAIL」の文字部分が「郵便、電子メール」を指称する語であるとしても、かかる構成においては役務の質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然であり、他に構成中の「ブーメラン/BOOMERANG」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ブーメランメール」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して「ブーメラン」の称呼を生ずるものである。
してみれば、この両称呼は、その音構成及び構成音数において顕著な差異が認められるから、称呼上十分聴別し得るものである。
また、両商標は、外観においても明らかな差異を有しており、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、互いの観念については、比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
なお、申立人は、過去の審査例を挙げているが、それらの商標は、いずれも、本件商標とは商標を異にするばかりでなく、そもそも、商標の類否の判断は、各商標につき個別に判断されるべき性質のものであるから、申立人が主張するような事例があるというだけでは、本件商標と引用商標との類否の判断を左右することにはならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるばかりでなく、甲各号証によれば、引用商標が「アニメーション番組」に使用されていた事実は認められるとしても、提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものは認められない。
してみれば、商標権者が、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認め難く、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。
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