Trademark Appeal Case
称呼類似性の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90162(T2003−90162/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4631982号商標(以下「本件商標」という。)は、「DEROYE」及び「デロア」の文字を上下二段に併記してなり、平成14年4月8日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成14年12月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、欧文字「DEROYE」と片仮名の「デロア」を二段に併記してなるから、これよりは「デロア」の称呼のほか、欧文字「DEROYE」より「デロイ」の称呼が生じる。引用の登録第2339856号商標(以下「引用商標」という。)からは、欧文字部分「LEROY」に照応して「レロイ」、「ルロイ」又は「ルロワ」の称呼が生じる。本件商標より生じる称呼「デロイ」と引用商標から生じる称呼「レロイ」は、語頭音に差異があるものの、全体の語調、語感が非常に近い類似の称呼である。そして、本件商標の指定商品中「洋酒,果実酒」は引用商標の指定商品と同一である。
ところで、登録異議申立人(以下「申立人という。)は、ドメーヌ(葡萄栽培から醸造・瓶詰めまでを一貫して行っている生産者)兼ネゴシアン(酒商・ワイン取扱業者)として世界各国のワイン業界において広く知られているフランス法人である。申立人の業務に係るワインのラベルには引用商標又は引用商標と同一の態様で表示された「LEROY」の文字が付されており、我が国のワイン愛飲家の間では、それらがラベルに表示されているだけで、そのワインが高品位の高級ワインであると認識されている。
本件商標がその指定商品中「洋酒,果実酒」について使用された場合には、その商品があたかも申立人の業務に係る商品であるかのごとく誤認されるおそれがますます高まり、業界に混乱が生じる可能性があることを否定し得ない。
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものであり、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
本件商標は、上記の構成よりなるところ、構成中の「デロア」の文字を上段の「DEROYE」の欧文字の片仮名表記と理解して、「デロア」と称呼する場合が多いものと認められる。しかし、本件商標は、その「DEROYE」の欧文字部分を「デロイ」と称呼することも考えられるから、これより「デロア」及び「デロイ」の称呼を生ずるものと認める。
一方、引用商標は、別掲に示すとおりの構成のものであり、その「LEROY」の欧文字部分から「レロイ」、「ルロイ」又は「ルロワ」の称呼が生じ得るものと認める。そして、甲第3号証の1ないし6によれば、引用商標は、申立人がワインに使用して取引者、需要者間に広く知られており、我が国では「ルロワ」と称呼するのが一般的であると認められる。
そこで、本件商標と引用商標の類否につき検討すると、本件商標より生ずる「デロア」の称呼と引用商標から生ずる「ルロワ」の称呼は、いずれも3音構成の短い称呼であって、聴取したときに印象が強い語頭において、濁音の「デ」と清音の「ル」の差異があることから、語感が異なって聴取され、互いに紛れて聴取されるおそれのないものと認める。また、同様の理由により、本件商標より生ずる「デロア」及び「デロイ」と引用商標から生ずる「レロイ」及び「ルロイ」の称呼も互いに紛れて聴取されるおそれはないものと認められるから、本件商標は、引用商標と称呼において類似する商標ということはできない。
そして、引用商標が上記のとおり取引者、需要者間に広く知られていることを考慮しても、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛らわしいところのないものであり、非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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