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Trademark Appeal Case

周知商標と称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35328(T2002−35328/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4462931号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4462931号商標(以下「本件商標」という。)は、「INDEPENDENTTRUCK」の欧文字を横書きしてなり、平成12年5月17日登録出願、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」及び第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同13年3月30日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第2328535号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和63年7月22日登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録されたものであるが、指定商品については、書換登録の申請により、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」と書き換えられ、その登録は平成14年8月7日になされたものである。

第3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(枝番を含む。)を提出した。

1.商標法第4条第1項第10号違反について

(1)商標の類否

引用商標は、その構成より「インディペンデント」又は「インディペンデントトラック」の称呼が生じ、市場においては「INDEPENDENT TRUCK」又は「INDEPENDENT TRUCK CO」として広く認識され、「インディペンデントトラック」と称呼されている。

一方、本件商標は、その構成より「インディペンデントトラック」の称呼が生じる。さらに、かかる称呼が冗長であり、全体として特定の意味を有しないために、「INDEPENDENT」又は「TRUCK」と分断して認識され、「インディペンデント」又は「トラック」の称呼が生じる。

そこで、本件商標の称呼「インディペンデントトラック」、「インディペンデント」又は「トラック」と引用商標の称呼「インディペンデント」又は「インディペンデントトラック」とを比較するに、両称呼は共に「インディペンデントトラック」又は「インディペンデント」の称呼が生じ、称呼において類似する。

よって、本件商標は、引用商標と類似する商標である。

(2)商品の類否

本件商標は、「身飾品(「カフスボタン」を除く。),かばん類,袋物」に使用するものである。

一方、引用商標及び「INDEPENDENT TRUCK」の文字よりなる標章(これらをまとめていうときは、以下「使用標章」という。)は、「被服,運動用具,かばん類」等に使用するものである。

したがって、本件商標は、使用標章と同一又は類似の商品に使用するものである。

(3)使用標章が需要者及び取引者の間に広く認識されていることについて

使用標章が需要者及び取引者の間に広く認識されていることを示す証拠として甲第3号証ないし甲第7号証を提出する。

ア.甲第3号証及び甲第4号証(使用標章が付された請求人の製品の販売量を示す資料)

使用標章が付された製品の販売量は、1998年7月から1999年6月までで約333万USドル(約4億2600万円)、2000年度で約700万USドル(約8億9600万円)及び2001年度で約1300万USドル(約16億6400万円)である。

イ.甲第5号証

請求人の製品の広告物であり、このような広告物を世界中に頒布することにより、使用標章が広く知られるようになったことを示すものである。

ウ.甲第6号証

使用標章が広く知られていることを述べた広告代理店及びその他の会社(雑誌社等)の宣誓書及びその和訳である。

日本を含めて世界中で約20年間以上にわたり販売され、各国で200ないし800の販売店を有し、大々的に販売され続け、広告も継続的に大量になされた結果、スケートボード愛好者及びスケートボード取扱者の間で広く知られるようになったことが示されている。

エ.甲第7号証

国内スケートボード販売店のウェブサイト写であり、使用標章について、「海外国内ともに多くのライダーをスポンサードしている有名ブランド!」、「老舗ブランドであるインディペンデント。昔からの愛用者が多いことでも有名です。」等と紹介されている。

上記ア.ないしエ.の資料から、使用標章は、日本のみならず、世界中で広く知られていることが示されたと思料する。

(4)上記(1)ないし(3)で述べたように、本件商標は、請求人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている使用標章に同一又は類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

2.商標法第4条第1項第15号違反について

前記1.で述べたように、本件商標は、使用標章と類似する商標であり、使用標章は、需要者及び取引者の間で広く認識されている商標である。

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3.結論

上述のように、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するにもかかわらず登録されたものであるので、同法第46条第1項第1号により無効にすべきである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、請求人の前記第3の主張について、何ら答弁するところがない。

第5 当審の判断

1.使用標章の周知性について

請求の理由及び甲第6号証、甲第9号証、甲第12号証及び甲第14号証によれば、請求人は、サーフボードの部品(トラック)をはじめ、Tシャツ、スウェットパンツ等のカジュアルウェア、帽子、バッグ類、アクセサリー等の商品の製造、販売をする会社であり、概略、1980年ころよりサーフボード関連の商品に引用商標若しくは「INDEPENDENT」の文字を使用して販売を開始し、宣伝広告を継続してきた。そして、1998年7月から1999年6月までの間における、使用標章を使用した商品の売上金額は、約333万USドル(4億2600万円)であり、2000年度は約700万USドル(8億9600万円)、2001年度は約1300万USドル(16億6400万円)であった。また、1998年7月から1999年6月の間におけるバッグ類の売上金額をとってみても、14万USドルであったことが認められる。

加えて、サーフボードが若者に人気のあるスポーツであると同時に、サーフボードをする際に身につける衣服、バッグ類、アクセサリー等は、若者のファッションスタイルに大きく影響を及ぼす商品であるといえるものであり、これらの商品は、若者を中心にターゲットを当てた商品として、サーフボードやその関連商品を掲載する雑誌で紹介されていること、また、インターネットの急速的な普及により日本国内はいうに及ばず、世界中の情報が瞬時に得られることなどを総合すると、使用標章は、本件商標の登録出願時には、請求人の取扱いに係るサーフボード及びその部品、あるいは衣服、バッグ、アクセサリー等の商品を表示するものとして、若者を中心とした需要者の間では広く認識されていたと推認することができる。

2.商標の類否について

(1)本件商標は、前記したとおり、「INDEPENDENTTRUCK」の文字を書してなるものであるところ、その構成及びこれより生ずると認められる「インディペンデントトラック」の称呼は、極めて冗長であるから、本件商標に接する需要者は、前半部に位置し、比較的親しまれている「INDEPENDENT」の文字部分を捉えて、商品の取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、構成文字全体を称呼した場合の「インディペンデントトラック」の称呼のほか、「INDEPENDENT」の文字部分より単に「インディペンデント」の称呼をも生ずるものといわなければならない。また、観念については、その構成中の「TRUCK」の文字部分が多義であることからすると、本件商標の構成全体としては、特定の観念が生ずるとは認め難いものであるが、「INDEPENDENT」の文字部分を分離、抽出した場合は、「独立の」等の観念を生ずるものである。

(2)引用商標は、別掲のとおり、文字と図形との組合せよりなるものであるところ、その構成中の図形部分からは、特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当である。そして、その構成中、十字架様の図形内に書された「INDEPENDENT」の文字部分と正円輪郭上に書された「TRUCK COMPANY」の文字部分は、文字の大きさが異なる上に、やや離れた位置に書されており、また、書された全体をもって親しまれた観念が生ずるものではないこと、書された文字全体を称呼した場合、その称呼は極めて冗長であることなどを併せ考えると、書された文字の一体不可分性は決して強いものということはできない。

してみると、引用商標は、その構成中の「INDEPENDENT」の文字部分より、「インディペンデント」の称呼が生ずるものであり、また、「TRUCK COMPANY」の文字部分より、「トラックカンパニー」の称呼を生ずるものというのが相当である。

また、使用に係る「INDEPENDENT」商標からは、「インディペンデント」の称呼が生ずるものである。

そして、使用標章の「INDEPENDENT」からは、「独立の」等の観念を生ずるものである。

(3)そうすると、本件商標と使用標章とは、「インディペンデント」の称呼及び「独立の」等の観念を共通にする類似の商標というべきである。

3.商品の類否について

本件商標は、前記したとおり、その指定商品を「身飾品(「カフスボタン」を除く。),かばん類,袋物」とするものである。

一方、使用標章は、前記認定のとおり、サーフボード及びその部品、Tシャツ、スウェットパンツ等のカジュアルウェア、帽子、バッグ類、アクセサリー等の商品について使用されているものである。

してみると、本件商標の指定商品「身飾品,かばん類,袋物」は、使用標章が使用される「バッグ類、アクセサリー」とは、同一又は類似の商品であるということができる。

4.むすび

前記1.ないし3.によれば、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、衣服、バッグ等を含むサーフボード関連の商品の需要者の間で広く認識されていた使用標章と称呼及び観念において類似する商標であって、その使用に係る「身飾品,かばん類,袋物」は、使用標章が使用される「バッグ類、アクセサリー」と同一又は類似の商品と認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とする。

よって、結論のとおり審決する。

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