Trademark Appeal Case
称呼の微差と類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−19808(T2001−19808/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「NBC」の欧文字を標準文字とし、第6類「金属製金具」を指定商品として、平成12年9月20日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第4029589号商標(以下「引用1商標」という。)は、平成3年3月12日登録出願、「MBC」の欧文字を横書きしてなり、第13類「金具」を指定商品として、同9年7月18日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4226614号商標(以下「引用2商標」という。)は、平成8年7月11日登録出願、別掲に示すとおりの構成よりなり、第20類「携帯用又は折り畳み用のテーブル、携帯用又は折り畳み用のいす・きょうそく・腰掛けいす・長いす・ベンチ,携帯用又は折り畳み用のベット・寝台,スリーピングバツク,金属代用のプラスチック製の吊り具・フック・びよう・ねじくぎ,旗ざお」を指定商品として、同11年1月8日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4271870号商標(以下「引用3商標」という。)は、平成8年7月11日登録出願、別掲に示すとおり引用2商標と同一の構成よりなり、第6類「金属製建造物組立てセット,ねじくぎ・その他の金属製金具,金属製の用具吊具(フック)」を指定商品として、同11年5月14日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、その構成前記したとおり、「NBC」の欧文字を標準文字よりなるところ、これよりは、直ちに特定の事物・事柄等を想起させることのない造語と認められるものであり、その構成文字に相応して生ずる「エヌビーシー」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
(2)引用1商標は、「MBC」の欧文字を横書きした構成よりなるところ、本願商標と同様に、欧文字3文字を表してなるものであって、直ちに特定の事物・事柄等を想起させることのない造語と認められるものであり、その構成文字に相応して生ずる「エムビーシー」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
そこで、本願商標より生ずる「エヌビーシー」の称呼と引用1商標より生ずる「エムビーシー」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に全6音という音構成にあって、第1音の「エ」及び第3音以降の「ビーシー」の各音を悉く同じくし、異なるところは、第2音の「ヌ」、「ム」の音の差異にすぎない。
そして、「ヌ」の音は、舌尖を前硬口蓋に接触して発する鼻子音(n)と母音(u)との結合した音節であるのに対して、「ム」は両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節であって、いずれも響きの弱い鼻子音であり、かつ、母音も共通にする点で近似した音といえるものである。
そうすると、前記音構成にあって、この音の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわなければならない。
また、両商標は、共に造語とみられること前記のとおりであるから、観念において両者を区別し得るとする事情はなく、また、その外観も両者を時と処を異にして接した場合、全体として近似した印象を与えるものといえる。
(3)引用2及び3商標は、別掲に示すとおり、角を丸くした黒色矩形内にそれぞれ「n」「p」「c」の欧文字を白抜きしてなるものと理解される構成よりなるところ、その「npc」の構成文字より「エヌピーシー」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
そこで、本願商標より生ずる「エヌビーシー」の称呼と引用2及び3商標より生ずる「エヌピーシー」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に全6音という音構成にあって、その差異は、第3音の「ビ」及び「ピ」の音の差異を有するにすぎないものである。
しかして、該差異音「ビ」と「ピ」は、「ヒ」の音の濁音と半濁音であって、これら差異音は元々密接に関連する音といえるものである。そして、「ビ」の音は両唇を合わせて破裂させる有声子音(b)と母音との結合した音節であり、また、「ピ」の音は両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音との結合した音節であるから、両音は子音こそ違え、その調音部位、調音方法をほとんど同じくするほか、母音(i)を共通にするものであって、しかも差異音は比較的聴取し難い中間に位置するものである。
以上の点よりして、前記音の差異は微差というべきであり、常に明瞭に聴取されるとは限らないから、これが称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわなければならない。
(4)してみれば、本願商標と引用1商標とは、外観、称呼及び観念を総合判断するに、両商標はその出所について混同を生ずるおそれのある類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も類似のものである。
そして、本願商標と引用2及び3商標とは、外観において相違し、両商標は特定の観念を有しないことから観念について比較することができないとしても、両商標は、称呼において、その出所について混同を生ずるおそれのある類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も類似のものである。
(5)したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標と引用各商標とは、それらの外観及び音感上の違いが両商標の称呼上の違いを決定付けるのに十分であると主張し、登録例を挙げているが、本願商標と引用各商標が類似するものであることは前記したとおりであり、また、請求人の挙げた登録例は、その指定商品及び対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるから、上記登録例をそのまま本願の類否判断の基準とすることは妥当ではなく、その存在をもって本願における類否判断が左右されるものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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