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Trademark Appeal Case

ネット使用の国内性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30980(T2002−30980/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3337266号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROUTE 66」の欧文字と数字を書してなり、平成6年7月25日登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、請求人の調査した限りにおいては、日本国内において継続して3年以上その指定商品について、本件商標が使用されている事実を見出すことが出来なかった。

なお、商標登録原簿(甲第1号証)に専用使用権者の登録はない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用していないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人が主張する本件商標の使用は、商標法第2条第3項で規定する「使用」に該当しないのみならず、日本国内における本件商標の使用に関するものではない。

乙第1号証ないし乙第5号証を検討しても、被請求人が通常使用権者であるとする「ルート66 GIS」(オランダ所在の会社)が、インターネット上で開設しているとするホームページ(乙第1号証)を、2002年2月以前から開設しており(乙第2号証)、このホームページを見た個人(日本人)からe−メールによる問い合わせがあり(乙第3号証)、商品「コンピュータソフトウェア」の注文を受け販売した(乙第4号証及び乙第5号証)ことを認め得るのみであって、これらからは、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を審判請求登録前3年以内に日本国内で使用していた事実は全く示されておらず、日本国内での使用の事実を認めることができない。

すなわち、前記ホームページは、乙第1号証及び乙第2号証を見る限りオランダ国内において開設されたものと思われるものであり、また、乙第3号証もこの書き込みを行った人物が「現在ベルギー在住の」と述べていることからベルギー国在住者であることは明らかである。さらに、乙第4号証及び乙第5号証は、一個人が海外の会社(オランダ所在の「ルート66 GIS」)に直接商品を注文して輸入した個人輸入を示すものにすぎず、商標権者、通常使用権者の日本国内での使用に当たらないことは明らかである。したがって、乙第1号証ないし乙第5号証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を日本国内で使用していたといえないことは明らかである。

なお、今日インターネット上のホームページは、地球上のいずれかの国において開設すればどこの国からも見ることのできるものである。そして、このような海外のホームページを見た個人が商品の問い合わせを行い、注文し、購入する商品の個人輸入行為は決して少なくない。しかしながら、商標権等の産業財産権の保護制度は、属地主義を根幹とする法制度の下に運用されている制度である。これらの事実からすれば、どこの国において誰が誰を対象に開設したかも明らかでないインターネット上のホームページの存在又はそのホームページを見て個人が商品を注文し購入したことのみをもって日本国内での登録商標の使用とすることができないこと明白である。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品について使用した事実がないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

本件商標は、商品「コンピューターソフトウエア」について、被請求人の通常使用権者であるルート66 ジオグラフィック インフォメーション システムズ B.V.(以下、「通常使用権者」若しくは「ルート66G.I.S」という。)によって、少なくとも2001年より現在まで継続して使用している。

通常使用権者は、乙第1号証として示したように、インターネット上でホームページを開いており(アドレス http://www.route66.nl)、その中で、商標「ROUTE 66」を使用した商品「コンピューターソフトウエア」についての広告をしている。上記ホームページには日本からもアクセス可能であるから、通常使用権者は、上記ホームページによって、商標「ROUTE 66」を使用した商品「コンピューターソフトウエア」の広告を行っていたことになる。上記ホームページが2002年2月以前から開設されていたことは、乙第2号証より明らかである。また、乙第3号証は、上記ホームページを見た日本の顧客からのe−メールによる問い合わせの写しである。

そして、実際に、日本の需要者が上記ホームページを見て、商標「ROUTE 66」を使用した商品「コンピューターソフトウエア」を購入したことが、乙第4号証及び乙第5号証として提出する注文書及びインボイスの写しからわかる。これらのインボイスの日付は、それぞれ2002年7月15日、2002年8月10日であり、本件審判請求の予告登録がされた2002年9月11日より前である。また、上記インボイスには、商品の説明中に、本件商標「ROUTE 66」の表示及び商品名「Software」の表記がある。

これらの証拠より、商標「ROUTE 66」を使用した商品「コンピューターソフトウエア」が、本件審判の請求の登録前3年以内に販売されていたことがわかる。

これらの事実よりすれば、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当しないことは明白である。

第4 当審の判断

1 乙各号証について

(1)乙第1号証は、「ROUTE 66」のウェブサイト(website)の写しであって、5頁目にアドレスとして、「www.route66.nl」の記載、6頁目の商品に関して「New ROUTE 66 Route 2003 CD‐ROMs」及び最終頁に「Order directly at ROUTE 66(100% secure)」の各記載が認められる。

(2)乙第2号証は、2002年2月14日付けインターネットのホームページ上の記載の写しで、「山田さん、こんにちは。現在ベルギー在住のsukeです。〜使用しているソフトはRoute66というオランダの会社が作成/販売している地図ソフト(http//www.route66.nl参照)を使用しています。〜」と記載されている。

(3)乙第3号証は、日本の横浜市在住の「Akihiro MORIYAMA」からの「ROUTE 66」に関する問い合わせの写しと、これに対する2002年7月3日付けの「ルート66G.I.S」からの回答の写しと認められる。

(4)乙第4号証は、本件審判請求の予告登録日(平成14年9月11日)前3年以内である2002年(平成14年)7月15日付けのインボイス、注文書及び領収書の写しであって、日本国つくば市在住の「S.Kato」が「ルート66G.I.S」宛に、商標「ROUTE 66」を使用した商品「CD‐ROM」を注文し、輸入購入したことが認められる。

(5)乙第5号証は、本件審判請求の予告登録日(平成14年9月11日)前3年以内である2002年(平成14年)8月10日付けのインボイス、注文書及び領収書の写しであって、日本国宗像市在住の「S.Horiguchi」が、「ルート66G.I.S」宛に、商標「ROUTE 66」を使用した商品「CD‐ROM」、「Software」を注文し、輸入購入したことが認められる。

2 前記1よりすると、日本国内に在住する「S.Kato」及び「S.Horiguchi」の両氏が、本件商標の通常使用権者と推認し得る「ルート66G.I.S」より、商標「ROUTE 66」を使用した商品「CD‐ROM」(コンピューターソフトウエア)を、本件審判請求の予告登録日(平成14年9月11日7)前3年以内に実際に注文し、購入(輸入)したことが認められる。

3 請求人の主張について

請求人は、前記ホームページ(乙第1号証及び乙第2号証)は、オランダ国内において開設されたものであり、また、ホームページの書き込み(乙第3号証)も、書き込みを行った人物がベルギー国在住者であり、さらに、乙第4号証及び乙第5号証は、一個人が海外の会社(オランダ所在の「ルート66G.I.S」)に直接商品を注文して輸入した個人輸入を示すものにすぎず、どこの国において誰が誰を対象に開設したかも明らかでないインターネット上のホームページの存在又はそのホームページを見て個人が商品を注文し購入したことのみをもって日本国内での登録商標の使用とすることできないことは明白である。したがって、本件商標の使用は、商標法第2条第3項で規定する「使用」に該当しないのみならず、日本国内における本件商標の使用に関するものではないから、乙第1号証ないし乙第5号証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を日本国内で使用していたといえない旨主張している。

しかしながら、商標権者等が商品に付した商標は、その商品が転々流通した後においても、当該商標に手が加えられない限り,社会通念上は、当初、商品に商標を付した者による商標の使用であると解されるから、その商品が実際に何人によって所有、占有されているとを問わず、商標法2条3項に該当する行為が行われる限り、その行為は、当初、商品に商標を付した者による商標の「使用」行為であるというべきであって、本件のように我が国で商標登録を有する外国法人の商品がいったん日本に輸入された場合には、当該輸入行為をとらえ、当該外国法人による同法2条3項2号にいう「商品に標章を付したものを輸入する行為」に当たる「使用」行為として、同法上の「使用」としての法的効果を認めるべきである(東京高等裁判所平成15年7月14日言渡、平成14年(行ケ)第346号判決 参照)。

そして、上記1及び2のとおり、我が国在住の者が、本件商標の通常使用権者と推認し得る「ルート66G.I.S」から、商標「ROUTE 66」を使用した商品「CD‐ROM」(コンピューターソフトウエア)を直接注文し、実際に購入(輸入)した事実が認められるから、請求人の主張は採用できない。

4 以上のとおり、我が国在住の者が、本件商標の通常使用権者「ルート66G.I.S」から、本件審判請求の登録前3年以内である平成14年7月から8月にかけて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した本件商標の指定商品中の「コンピューターソフトウエア」を輸入した事実が認められるから、該輸入行為をもって、被請求人は、通常使用権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判請求の登録前3年以内日本国内において、請求に係る指定商品中「コンピューターソフトウエア」について、使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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