結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35486(T2002−35486/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4173166号商標(以下「本件商標」という。)は、「チャーガ」の文字を横書きしてなり、平成8年7月30日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、また、被請求人の答弁に対して弁駁をし、証拠方法として、別紙1ないし別紙6及び甲第1号証ないし甲第8証を提出した。
(1)請求の理由
(ア)本件商標は、商標法第3条(第1項第1号)及び同法第4条第1項第16号に該当するので、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(イ)「チャーガ」は、カバノアナタケの一般的な名称である。
請求書に添付した別紙1ないし別紙4に示すとおり、既に、ロシア人作家ソルジェニツィンの「ガン病棟」には、その名称が見られ、その後、当該(邦訳本の)名称を引用する形で、請求書に添付した別紙5及び別紙6等に示すとおり、図鑑、学術発表論文にも使用されており、普通名称といえるものである。
当該名称である本件商標を第29類に属する商品(食品類)に使用することは、チャーガを使用した加工食品との識別ができなくなり、誤認を生じさせるものである。
(2)答弁に対する弁駁
本件商標は、タバコウロコタケ科に属するきのこで、カンバ類生立木の樹幹に寄生するカバノアナタケの菌核を認識させる「チャーガ」の文字を表してなるものである。
カバノアナタケは、抗腫瘍活性を有することが知られており、近年、健康食品素材として注目されているため、チャーガを本件商標の指定商品中、「カバノアナタケを使用してなる加工野菜・加工食品」に使用するときには、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
「チャーガ」の文字は、我が国においては、薬草関係者、きのこ関係者、健康食品の取引者はもとより、一般の需要者も最近のきのこを素材とする健康食品ブームによって知り得る機会が多く、「チャーガ」がカバノアナタケの菌核又はカバノアナタケそれ自身を意味するものであることは当然にわかっているものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第36証を提出した。
請求人の主張どおりとすれば、「チャーガ」は、カバノアナタケの普通名称である筈のところ、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第36号証の「きのこ辞典」「国語辞典」「英和辞典」「英英辞典」「カタカナ語辞典」等をみる限り、一般的な名称である筈の「チャーガ」についての記載は、全く見当たらないから、本件商標が普通名称でないことは明白であり、また、そうである以上、本件商標をその指定商品に付して販売したとしても、一般消費者に商品の誤認を招くおそれはなく、請求人の主張は成り立たない。
本件商標は、上記のとおり「チャーガ」の文字よりなるところ、請求人が請求書に添付した別紙1ないし別紙6及び弁駁書に添付した甲第6号証及び甲第7号証によれば、「チャーガ」は、カンバ類生立木の樹幹に寄生するカバノアナタケ(タバコウロコタケ科に属するきのこ)の菌核(特定の菌が寄生し、菌糸が集まって固まりになったもの)のことであり、ロシア人作家ソルジェニツィンの作品「ガン病棟」中にも、その名称が出ており、チャーガの薬効や食効に関して記載している「キノコ図鑑」などの書籍又は研究論文が本件商標の商標登録前に発行又は発表されている事実が認められる。
しかしながら、本件商標の商標登録の時までにチャーガ又はチャーガを使用した食品が市販された事実を認めるに足りる証拠資料はなく、また、本件商標の商標登録の時に、本件商標の指定商品の分野において、チャーガがきのこの一種であるカバノアナタケ又はその菌核をいうものとして、取引者、需要者の間において広く認識されていたと認めるに充分な証拠資料も見当たらない。
そうしてみると、少なくとも、本件商標が商標登録された時点においては、本件商標は、その指定商品中、特定の商品の普通名称、品質、原材料を表示するものであったということはできず、また、これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれもなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号、同第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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