結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30368(T2003−30368/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4030795号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成からなり、平成4年12月24日に登録出願され、指定商品を第21類「レンズ用ガラス,鍋類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く),アイスペール,泡立て器,こし器,砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く),卵立て(貴金属製のものを除く),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く),盆(貴金属製のものを除く),ようじ入れ(貴金属製のものを除く),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜き,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く),清掃用具及び洗濯用具,化粧用具(電気式歯ブラシを除く),電気式歯ブラシ,洋服ブラシ,ガラス製包装用容器(ガラス製栓・ガラス製ふたを除く。),陶磁製包装用容器,貯金箱(金属製のものを除く)」として、平成9年7月18日に商標権の設定登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標の指定商品中「化粧用具(電気式歯ブラシを除く)」について、継続して3年以上、日本国内において、本件商標が被請求人によって使用された事実を見出せない。
さらに、被請求人以外の者が、被請求人から前記指定商品「化粧用具(電気式歯ブラシを除く)」について通常使用権の許諾を受けて、本件商標を本件審判請求前3年以内に日本国内において使用した事実も認められない。
(2)弁駁の理由
被請求人は、本件商標が、被請求人から使用権の許諾を受けた孫会社(以下「使用権者」という)によって、コップトラベル(歯ブラシとチューブ入り歯磨きをコップに収納した商品)とメンズキット(ヒゲソリ、爪きり、小型はさみ、耳かき、毛抜き、ブラシ、歯ブラシ、ソーイングセットを専用ケースに収納した商品)について現在使用中である旨主張し、商品カタログと請求書写し各1通を提出しているが、以下に述べるとおり、これら提出物によっては、本件商標がその登録取消を免れるに足る使用事実の証明資料としては不十分であって、被請求人の主張には理由がない。
(ア)乙第1号証は、平成14年に使用権者によって作成された商品カタログであるとされているところ、被請求人自ら答弁書において認めているように、本件商標は「Victory」の英文字を主体としてなる商標であるところ、商品カタログに表示された商標は、当該語尾の1文字「y」がない「Victor」の英文字を主体としてなる商標である。わずか1文字相違とはいえ、「Victory」と「Victor」は、類似商標ではあり得ても同一商標ではないから、当該商品カタログや掲載された商品に表示された商標は、本件商標との関係において社会通念上同一と認められる商標に該当しない。
したがって、乙第1号証として提出された商品カタログによっては、本件商標が本件審判請求に係る指定商品について使用されていた事実が証明されたことにはならない。
(イ)乙第2号証は、使用権者が前記商品カタログに掲載されたメンズキットを他社に販売した際の請求書写しであって、平成15年4月15日に発行されたものとされているが、当該請求書写しのどこにも本件商標は表示されていないし、当該請求書写しの商品名欄に記載されたメンズキットが前記商品カタログ掲載商品であるとしても、前述のように商品カタログにおいても本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標すら表示されていないのである。
したがって、乙第2号証として提出された請求書写しによっても、本件商標が本件審判請求に係る指定商品について使用されていた事実が証明されたことにはならない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
(1)本件商標は、犬とラッパ型蓄音機の図形の下に「HIS MASTER’S VOICE」の英文字を配した犬のマークと「Victory」の英文字とを組み合わせほとんど同じ商標(「Victory」の部分が「Victor」となっているもので、以下、「本件使用商標」という。)を、被請求人の孫会社である株式会社ビクター・クリエイティブ・エージェンシー(以下、「ライセンシー」という)に使用権の許諾をしている。
(2)この使用権に基づき、ライセンシーは本件使用商標をコップトラベル(歯ブラシとチューブ入り歯磨きをコップに収納した商品)およびメンズキット(ヒゲソリ、爪きり、小型はさみ、耳かき、毛抜き、ブラシ、歯ブラシ、ソーイングセットを専用ケースに収納した商品)の2種類に使用している(乙第1号証)。
(3)乙第1号証として提出した証拠は、ライセンシー作成にかかわるカタログで、これに発行日の記載はないが、平成14年に作成され、現在もなお使用されている。このカタログ掲載の商品は、所謂販売促進物として使用されるもので、被請求人のグループ企業を中心にライセンシーが有償販売しているものである。
(4)乙第2号証として提出した証拠は、ライセンシーが千葉県のビクターサービスエンジニアリング株式会社にメンズキット等を販売し、それらの代金の支払を求めた請求書で、平成15年(2003年)4月15日に発行されたものである。
(5)以上の状況から、本件商標は、本件使用商標と使用態様が同一ではないものの、極めて近似しており、また商品の面についても、上記2商品は、商品区分第21類の化粧用具に例示されている商品を含んでいるので、全体としてみればその指定商品中の化粧用具に使用しているといえるものと考える。
(1)本件商標は、構成後掲のとおり、犬とラッパ型蓄音機の図形の下に「HIS MASTER’S VOICE」の英文字を配した部分と、その右側に顕著に「Victory」の英文字とを組み合わせた商標であって、本件審判請求は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中、「化粧用具(電気式歯ブラシを除く)」についての登録の取消しを求めるものである。
ところで、該規定による商標登録取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取消しを免れないものであって、同項で規定するところの「登録商標の使用」とは、その請求に係る指定商品についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)ほか、同一と認められる範囲(例えば、商標の要部でない附記的な部分を多少変更して用いるとか、横書きの文字部分を縦書きにして用いるとかの場合)にあると解される。
(2)これを本件についてみるに、被請求人が本件商標の使用であると主張し提出したライセンシーの商品カタログ(乙第1号証)のフロントページには、本件使用商標、すなわち犬とラッパ型蓄音機の図形の下に「“HIS MASTER’S VOICE”」の英文字を配した部分と「Victor」の英文字をもって、歯ブラシとチューブ入り歯磨きをコップに収納した商品等の掲載がされていることは認められ、本件使用商標の構成中「Victor」の英文字が独立しても自他商品の識別標識として機能するものというべきである。
他方、本件商標は、後掲のとおり、犬とラッパ型蓄音機の図形の下に「“HIS MASTER’S VOICE”」の英文字を配した部分と「Victory」の英文字をもって表されたものであって、顕著に描かれた「Victory」の英文字は、その指定商品との関係において、商標の要部でない附記的な部分とも認め難いところであり、かつ、独立して自他商品の識別標識として機能するものといわなければならない。
してみれば、本件使用商標の構成中「Victor」の英文字と本件商標の構成中「Victory」の英文字は、語尾において「y」文字の有無という点で明かな構成態様上の差異を有し、自ずとその生ずる称呼は、「ビクター」と「ビクトリー」及び観念においても「勝利者、征服者」と「勝利、優勝」のように異なるものとなり、別異の商標というのが相当であるから、本件使用商標と本件商標とは社会通念上同一の商標ということはできない。
したがって、本件商標の使用であると主張し提出したライセンシーの商品カタログ(乙第1号証)及び請求書写し(乙第2号証)によっては、本件商標が本件の取消請求に係る商品について使用されていたものとは認められない。
その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。
(3)してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者等により本件取り消し請求にかかる商品について使用されていたものとは認めることはできず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。このほか被請求人の主張をもって、本件審判の取消請求に係る指定商品についての使用は証明されない。その他前記認定を覆すに足りる証拠はない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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