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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第4142号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「バレンチノモニカ」の片仮名文字を横書きしてなり、第25類「被服」を指定商品として、平成8年5月28日に登録出願されたものである。

第2 原査定の理由の要点

原査定は、「本願商標は、イタリア国ローマ市在住の『Valentino Garavani』(オランダ国在の関連企業『バレンチノ グローブ ベスローテン フェンノートシャップ社』)が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『バレンチノ』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは、需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 「バレンチノ」(「ヴァレンティノ」)の著名性について

当審において、「バレンチノ」、「Valentino Garavani(ヴァレンティノ又はバレンチノ ガラヴァーニ)」に関して、職権で証拠調べを行ったところ、「VALENTINO GARAVANI」、「VALENTINO」、「バレンチノ」(「ヴァレンティノ」)の文字よりなる標章は、「婦人服・紳士服」等に使用された結果、本願商標の登録出願前より、我が国において取引者、需要者間に広く知られ周知、著名に至っていたものであり、その著名性は現在においても継続されていることが下記の事実によって認められる。

(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。

(2)「EUROPE一流ブランド」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。

(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)において、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932−]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。」との紹介記事が掲載されていること。

(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。

(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。

(6)雑誌「non-no」1989年 No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。

(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932−)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・ 」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。

(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。

(9)「世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933−)服飾デザイナー・・・」との紹介記事が掲載されていること。

同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。

なお、当該事実については、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項の規定により、平成13年10月16日付けをもって、その結果を請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたが、指定した期間内に意見の申し立てがなかった。

2 商品の出所の混同を生ずるおそれについて

本願商標は、前記に示すとおり「バレンチノモニカ」の文字を横書きした構成よりなるところ、「バレンチノ」及び「モニカ」の両文字は結合された全体として特定の熟語や氏名を表すものとして一般の取引者・需要者によく知られているというような事情も認め得ないところである。

また、「VALENTINO」、「バレンチノ」(「ヴァレンティノ」)の文字よりなる商標は前記認定のとおり周知、著名なものであるから、取引者、需要者をして、本願商標中の「バレンチノ」の文字部分に着目し、その部分を独立して自他商品識別標識として看取し得るものとみるのが相当である。

そして、本願商標の指定商品は、上記周知、著名な標章が使用されている商品「被服」等と同一又は類似の商品である。

してみると、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その構成中前半の「バレンチノ」の文字部分を捉え、周知、著名な「VALENTINO」の文字よりなる標章を連想、想起し、その商品が上記同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。

3 結び

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同様の理由により拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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