sokuhyo

Trademark Appeal Case

「コールアッシュ」の普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−3207(T2000−3207/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「コールアッシュ」の文字を横書きしてなり、第19類「石炭灰を利用した建築用又は構築用の専用材料」を指定商品として、平成10年10月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、石炭燃焼後に発生する『石炭灰』の意である『コールアッシュ』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるから、これをその指定商品について使用しても単に商品の品質を表示したにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「コールアッシュ」の文字を書してなるところ、我が国でも親しまれた英語においては、「coal」の語が「コール」と発音し「石炭」を意味する語として、また、「ash」の語が「アッシュ」と発音し「灰」を意味する語として親しまれており、その指定商品が「石炭灰を利用した建築用又は構築用の専用材料」であることををも勘案すると、取引者、需要者をして、これらの語を結合した「coal ash」の文字を片仮名文字をもって表示したものであり、全体としては「石炭灰」を意味するものであると容易に理解し得るといえる。

そして、このことは、「コールアッシュ(coal ash)」の文字について、原査定で説示した1986年5月22日付け「日経産業新聞」4頁に、「石炭灰有効利用へ調査センター設立、石炭関係43企業・5団体。」の見出しの下に「石炭を利用する企業、団体は二十二日、石炭灰有効利用促進のため、『アッシュ情報調査センター』を設立する。石炭燃焼後に発生する石炭灰(コールアッシュ)を盛り土などに利用するため、利用技術や、流通面での合理化を検討する。」の記載があるほか、さらに、以下の事実が認められることからも十分に裏付けられているといえる。

(1)「土木用語大辞典」(編者 社団法人 土木学会、発行所 技報堂出版株式会社、1999年2月15日発行)第683頁には、「石炭灰 せきたんばい[coal ash] 石炭燃焼ボイラー等から発生する石炭の燃焼残滓の総称。石炭の種類、燃焼の方式、採取の場所によってそれぞれ固有の名称がつけられている。例えば、歴青炭灰、微粉炭燃焼灰、フライアッシュなど」の記載がある。

(2)「インタープレス版 科学技術35万語大辞典 英和編」(発行所 株式会社アイビーシー、1994年12月20日初版第三刷発行)第347頁には、「coal ash炭殻〔すみがら〕〔88IP・建築材料〕/石炭灰〔せきたんばい〕〔90IP・公害〕」の記載がある。

(3)「インタープレス版 学術用語・JIS用語に基づく英和・和英 建築・土木5万語中辞典」(発行所 株式会社アルファベータ、1998年6月30日第一刷発行)第97頁には、「coal ash 石炭殻[90学術・土木];炭殻[88IP・建築材料]」の記載がある。

(4)「図解 コンクリート用語事典」(編著者 長瀧重義、山本泰彦、発行者 海野 巖、発行所 株式会社山海堂、2000年5月20日 初版第1刷発行)第292頁には、「せきたんがら(石炭がら)coal ash,sinder ボイラなどから排出される石炭の燃えかす。」の記載がある。

(5)インターネットのホームページにおいて、「http://www.rikuden.co.jp/kenkyu/rdc_k2a6.htm」に「石炭灰の有効利用研究 Utilization of coal ash 当研究所では石炭灰の大量処理を目的に、道路骨材、コンクリート骨材、生コンクリート、高流動コンクリート、地盤改良材などの土木材料への利用研究に取り組んできます。」の掲載がある。

(6)インターネットのホームページにおいて、「http://www.jsce.or.jp/journal/contents/knowledge/vol9812.pdf」に、「土木ミニ知識 石炭灰の有効利用 Practical use of coal ash 現在、我が国の石炭灰発生量は年間720万トンで、このうち約530万トンが電気事業から、約190万トンが一般産業から排出されています。これら石炭灰の55%が有効利用されており、・・・また、古くから石炭灰はコンクリート混和材としてダムコンクリートなどに利用されています。・・・特に石炭灰は断熱性や遮音性に優れており、この分野では現在、年間十数万トンが使用されています。」の掲載がある。

(7)インターネットのホームページにおいて、「http://www.takenaka.co.jp/tech_report/j2001/j01_032.html」に、「石炭灰を主原料にした舗装用カラー骨材の開発 Development of Colored Pavement Aggregates from Recycled Coal Ash・・・梗概 石炭火力発電所から排出される石炭灰を有効利用するために、石炭灰を焼成してカラー舗装用カラー骨材を製造する技術を開発した。」の掲載がある。

なお、上記(1)ないし(7)の事実に関しては、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項により、平成15年6月25日付けをもって、これらの事実を総合判断すると「本願商標の『コールアッシュ』は、指定商品を取り扱う業界において、『石炭灰』を意味する語として知られ、普通に用いられている『coal ash』の表音を表したと理解されるものというのが相当であり、その指定商品との関係においては、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものといわざるを得ない」旨付言した上で、請求人に通知し、相当の期間を指定した上で意見を申し立てる機会を与えたが、指定した期間内に意見の申立がなかったものである。

そうすると、本願商標の指定商品を取り扱う分野においては、「コールアッシュ(coal ash)」の文字を「石炭灰」を意味する語として理解し、使用していることが明らかであるから、本願商標は、その指定商品である「石炭灰を利用した建築用又は構築用の専用材料」のいずれに使用しても、取引者、需要者をして、「石炭灰」の意味合いを容易に看取し、その商品の品質(原材料)を表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当であり、自他商品の識別標識として認識するとは考え難いものである。

また、本願商標は、その指定商品が「石炭灰を利用した建築用又は構築用の専用材料」であり、そのいずれの商品も石炭灰を利用した商品であることから、そのいずれの指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとは考え難い。

してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものということはできないが、同法第3条第1項第3号に該当するというべき商標ではあるから、本願は、その拒絶の理由によって拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。