Trademark Appeal Case
著名図形商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16514号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成7年6月29日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、その構成からみて、アメリカ合衆国ニューヨーク市出身の著名なデザイナー、ラルフ・ローレンの関連企業である、ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップが、被服類、眼鏡製品等に永年使用して著名な標章である『競技中のポロプレーヤーの図形』に酷似した図形よりなるものであるから、このような商標を出願人が本願指定商品に使用する場合、需要者は上記会社もしくはこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 当審において、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「byRALPHLAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章(以下「ラルフローレン標章」という。別掲2に示したものは、その一態様をあらわす。)に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)によれば、「ポロ」の見出しのもと、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形、横長四角形中に記載された「Polo」の文字及び「byRALPHLAUREN」の文字の各標章とともに、「種類【インポート】バッグ、【ライセンス】紳士/コート、スーツ、ジャケット、ブレザー、ニット、ベルト、ジーンズ、ネクタイ、ソックスなど婦人/ワンピーズ、ブレザー、ブラウス、パンツ、シャツなど」の記載がある。
(2)株式会社洋品界昭和55年4月15日発行「1980年版『海外ファッション・ブランド総覧』」<ブランド別:海外提携品・輸入品一覧>の項(122頁、123頁)における「ポロ/Polo」の項(221頁)、「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLObyRALPHLAUREN」の項(195頁、224頁及び281頁)によれば、「ポロ/Polo」の商標を使用した紳士靴が昭和52年から、「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLObyRALPHLAUREN」の商標を使用した紳士服、ネクタイ、ハンカチ、紳士靴等が昭和51年から、同じく「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLObyRALPHLAUREN」の商標を使用したサングラスが遅くとも、本書籍の発行日である昭和55年4月15日以前に西武百貨店を通じて我が国において販売されていたことが記載されている。
(3)昭和63年(1988年)10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が1977年(昭和52年)からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、1978年(昭和53年)から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
(4)ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、株式会社講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」(147頁)、株式会社チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー‘79−9「ファッション・ブランド年鑑’80年版」(130頁)、株式会社講談社昭和56年4月25日第二刷発行「男の一流品大図鑑’81年版」(12頁)、株式会社講談社昭和55年6月20日第二刷発行「世界の一流品大図鑑’80年版」(131頁)、株式会社講談社昭和56年6月20日第二刷発行「世界の一流品大図鑑’81年版」(87頁)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)、株式会社講談社昭和60年5月25日発行「流行ブランド図鑑」(63頁)のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されている。また、ラルフローレンのデザインに係る眼鏡のフレームについては、前記「男の一流品大図鑑’81年版」(171頁)において、「POLO」、「ポロ」、の表題の下に紹介されている。さらに、同書籍172頁の広告欄において、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」、横長四角形内に記載された「Polo」の文字及び該横長四角形の下に書された「byRALPHLAUREN」の文字の下に眼鏡のフレームの広告宣伝がなされている。
(5)株式会社研究社1991年第3刷発行「英和商品名辞典」には、「POLOポロ」の見出し語(340頁)の下に「⇒PolobyRalphLauren」との記載があり、「PolobyRalphLaurenポロバイラルフローレン」の見出し語(340頁)の下に「米国のデザイナーRalphLauren(1939−)がデザインした紳士物衣料品。通例Poloと略して呼ばれる。・・・1976年に紳士服でCoty賞を受賞、翌年には婦人服で受賞。・・・1974年の映画TheGreatGatsby(「華麗なるギャッツビー」)の衣裳を担当して、人気が急上昇した」と記載されている。また、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)の「沿革」欄にも同趣旨の記載がある。
(6)「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」、「Polo」、「POLO」を模倣した偽ブランド商品が市場に出回り、刑事摘発を受けた旨が、例えば、平成元年(1989年)5月19日付朝日新聞(東京版、16頁)夕刊、同4年(1992年)9月23日付読売新聞(東京版、16頁)朝刊、同5年(1993年)10月13日付読売新聞(大阪版、30頁)朝刊、同11年(1999年)6月8日付朝日新聞(西部版、6頁)夕刊に報道された。
(7)「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」からなる標章、「Polo」(ないし「POLO」)の文字からなる標章、「byRalphLauren」(ないし「byRALPHLAUREN」あるいは「RALPHLAUREN」)の文字から成る標章が、それぞれ単独で、又は、それらの全部あるいは一部が組み合わされて、商標として使用された結果、その著名性が認定された判決として、東京高等裁判所平成13年(行ケ)468号(平成14年4月25日言渡)、東京地方裁判所平成8年(わ)1519号(平成9年3月24日言渡)があるほか、東京高等裁判所平成11年(行ケ)268号(平成11年12月21日言渡)、同298号(平成12年2月1日言渡)、同333号(平成12年3月29日言渡)、平成12年(行ケ)5号(平成12年9月28日言渡)、平成13年(行ケ)119号(平成13年11月29日言渡)等がある。
2 上記1(1)ないし(6)の事実を総合し、同(7)に記載した判決をも併せ考慮すれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章は、「Polo」の文字よりなる標章、「byRALPHLAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章(ラルフ・ローレン標章)は、我が国において、単に「Polo(ないし「POLO」)」、「ポロ」と略称され、その略称は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章として、本願商標の登録出願前には既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものであり、その認識の度合いは現在においても継続していると認めることができる。
3 本願商標及びその指定商品について
(1)本願商標は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなるものであるところ、該図形は、馬の上半身とその馬にポロプレーヤーがまたがり、マレットを振り上げているという点において、ラルフローレン標章の馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形とその構成において極めて近似するものであり、いずれの図形も、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」という印象を与えるものである。
(2)本願の指定商品は、前記第1に示したとおり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」であって、ラルフローレン標章が使用されている商品と同一であるか又はこれと関連性の程度が極めて高いものであり、また、このことから両者の商品の取引者及び需要者が共通することも明らかである。
4 出所の混同について
前記1ないし3で認定した事情よりすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、前記3(1)で認定したとおり、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」として強く印象付けられ、記憶するというべきであるから、「Polo(ないし「POLO」)」、「ポロ」とも呼ばれるラルフ・ローレンのブランドを連想、想起することは明らかであり、該商品が「Polo(ないし「POLO」)」(ポロ)のブランドの一種、ないし兄弟ブランドであるとの誤解を生ずるか、あるいはラルフ・ローレン、もしくはその関連会社と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように認識する蓋然性が極めて高いというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品ないしその関連会社が取扱う商品との間に、出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
4 むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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