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Trademark Appeal Case

商標部分使用の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30900(T2002−30900/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第4297407号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年4月28日に登録出願され、「日本テレコムインプレス」の文字と「JAPAN TELECOM INPRESS」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同11年7月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

(1)請求の趣旨

請求人は、「商標法第50条の規定により、本件商標の指定役務中『移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送』について、その登録

を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申

し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法と

して甲第1号証及び同第2号証を提出した。

(2)請求の理由

本件商標の商標権者は、日本国内において、本件商標を継続して3年以上

上記役務について使用していない。また、商標登録原簿上は、本件商標に専

用使用権あるいは通常使用権が設定・許諾されている事実も見あたらない。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消さ

れるべきものである。

(3)答弁に対する弁駁

被請求人の提出する答弁書において、本件商標と同一の商標の使用をして

いることは何ら証明されていない。被請求人の提出する乙第1号証ないし乙

第8号証によれば、本件商標を構成する「INPRESS」あるいは「イン

プレス」の文字部分が使用されている事実は確認できるが、いずれも「日本

テレコム」ないし「JAPAN TELECOM」の文字部分を欠き、当該

使用が本件商標と同一の商標の使用とは言い得ないことは明らかであり、本

件商標と「社会通念上同一と認められる商標」であるとも言い得ない。

本件商標のように、社標に係る文字と、役務の呼び名と目される文字とを

適宜に配して出願された商標は、その社標に係る文字部分のみ、役務の呼び

名と目される文字部分のみでも、それぞれ1個の商標として登録され得るこ

とよりすれば、これらが結合された態様で登録された場合には、取引上、全

体が1個のまとまった標識として認識されるとの判断を前提に登録されたも

のと解するのが相当であるから、乙第1号証ないし乙第8号証における「I

NPRESS」及び「インプレス」の各文字を本件商標と「社会通念上同一

と認められる商標」とすることは、法第6条に規定される一商標一出願の原

則との関係からも妥当でない。

以上のほかに、乙第1号証ないし乙第8号証を個別にみれば、乙第1号証

及び乙第4号証は、本件審判請求の登録の日前3年以内に使用されたもので

あるかが明らかでなく、これが本件審判請求に係る商標登録の取消を免れる

ための証拠として採用することはできない。また、乙第4号証に添付の書面

は、その3枚目の第1行目に「決裁書に記載が必要な項目らしい」との記載

があることからすれば、これが需要者に供される書面とも思われず、法第2

条第3項第7号にいう「役務に関する広告、定価表若しくは取引書類」には

該当しないものである。乙第7号証は、当該書面右肩に「社外秘」なる表示

があり、「役務に関する広告、定価表若しくは取引書類」には該当しないも

のであることは明白である。なお、乙第7号証における「インプレス工事」

ないし「インプレス機器」の表示は、第37類の役務或いは第9類の商品に

ついて「インプレス」なる標章の使用の事実を示す証拠として採用すること

ができるとしても、これら表示を以て、本件審判請求に係る指定役務につい

ての使用とは言い得ない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のよう

に述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を

提出した。

被請求人は、これまで本件商標を「内線課金サービス」に使用してきたも

のである(乙第1号証ないし乙第8号証)。

また、本件商標中、「日本テレコム」及び「JAPAN TELECOM」は、被請求人の商号の略称であるため、乙各号証については、後半の「インプレス」及び「INPRESS」を強調した使用態様となっている。

以上より、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に正当に使用

されている。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当しないもの

である。

4 当審の判断

被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第2号

証は、「日本テレコム通信管理・分析サービス/TRAFFIC/RADA

R」と題する被請求人のパンフレットであるところ、以下の事実を認めるこ

とができる。

(1)2頁目の「国内通話、国際通話、専用線までの総合的な通信管理」の

項には、「日本テレコムがご提供するINPRESS(内線課金サービス)」の表示があり、同項の下段にあり同項の英訳と認められる「Integrated traffic management」の項には、「JAPAN TELECOM’s INPRESS」の表示がある。

(2)3頁目上部には、「『INPRESS』は、PBXをご利用のお客様

(事業所)向けに内線番号ごとの通話管理を支援するサービスです。」の表

示がある。

(3)3頁目左下部には、「本パンフレットの記載内容は平成13年9月現

在のものです。」の表示がある。

そうとすれば、被請求人は、本件審判請求の登録(平成14年8月21日)前3年以内である平成13年9月当時、日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「内線課金サービス」について使用していたことを認めることができる。

なお、請求人は、使用に係る商標は、本件商標と同一の商標の使用ではな

いし、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ともいえない旨主張して

いるので、この点について検討する。

本件商標は「日本テレコムインプレス」の文字と「JAPAN TELE

COM INPRESS」の欧文字とを二段に横書きした構成からなるとこ

ろ、「JAPAN TELECOM INPRESS」の文字は、「日本テ

レコムインプレス」の欧文字表記と認められるものである。

また、前半の「日本テレコム」(JAPAN TELECOM)の文字部

分は、被請求人の商号の略称であり、かつ、ハウスマークと理解されるもの

であり、後半の「インプレス」(INPRESS)の文字は、被請求人の個

別役務毎の商標を表したものと認識し得るものである。

そうとすれば、本件商標は、上段、下段の各文字が一連に表されてはいる

が、各文字部分が果たす役割の性質上、本来的に「日本テレコム(JAPA

N TELECOM)」の「インプレス(INPRESS)」のごとく、観

念上は分離して把握、認識される性質の商標であるということができる。

したがって、乙第2号証2頁目の「日本テレコムがご提供するINPRE

SS(内線課金サービス)」の表示において、本件商標構成中の「日本テレ

コム」の文字と「INPRESS」の文字とが分離して表され、また、同語

の英訳とみられる「JAPAN TELECOM’s INPRESS」の

表示において、本件商標構成中の「TELECOM」の語に、「〜の」の意

味を有する「’s」語が付加されているとしても、使用に係る商標は、本件

商標と社会通念上同一と認められる商標の範囲内にある商標と認めて差し支

えないものというべきである。

そして、このことは、商標の使用は商標を付する対象に応じて適宜に変更

を加えて使用されるのがむしろ通常であることをも考慮すれば、いっそう首

肯し得るものである。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内に

おいて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「内線課金サービス」について使用していたものといわなければならない。

したがって、本件商標の指定役務中、請求に係る役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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