結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31029(T2002−31029/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2386471号商標(以下、「本件商標」という。)は、「MILLENIA」の欧文字と「ミレニア」の片仮名文字とを二段に併記してなり、平成1年5月19日に登録出願、第1類「薬剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録され、その後、指定商品については、同14年3月27日に第1類「化学品」及び第5類「薬剤」と書換登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、同14年10月2日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁(上申書を含む。)を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を提出した。
1.請求の理由
請求人は、被請求人が本件商標を第1類「化学品」について使用している事実並びに証拠を発見できなかった。
また、特許庁備え付けの商標登録原簿を確認したが、専用使用権者、通常使用権者の登録もなかった(甲第1号証)。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品/役務についての登録商標の使用をしていない商標」に該当するものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)本件審判請求において被請求人が提出した乙第1号証の1998−99年版製品価格表(以下、「本件1998−99年版製品価格表」という。)には「(1998年4月現在)」という表示がなされている。
しかしながら、本件審判請求の登録日は、平成14年(2002年)10月2日であるが、本件審判請求の登録日前3年以内、すなわち平成11年(1999年)10月2日以降に使用されたという証明はなされていない。
(2)ところで、本件商標については、商標法第50条に基づき、指定商品中「薬剤」について取消を求める審判の請求、平成10年審判第30218号(以下、「別件取消審判事件」という。)があった。
この別件取消審判事件において、被請求人である「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」は、次のような答弁を行い、本件商標は薬剤「動物研究用試薬」について使用していると主張した。
a)「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」の日本における営業所たる、「ニッポン・ディーピーシー・コーポレーション」が「ミレニア抗TPO」、「ミレニア抗TG抗体」について医薬品の輸入承認申請を行い、「医薬品輸入承認書」を得ているとし、これら申請書、承認書等の写を証拠として提出した。
b)二段に併記して成る構成文字中の片仮名文字「ミレニア」を薬剤「動物研究用試薬」について使用している。その証拠として、1997年版製品価格表(以下、「別件1997年版製品価格表」という。)と、動物研究用試薬「ミレニア キャナインTSH」の出荷伝票を提出した。
別件取消審判事件において審理の結果、「薬剤」についての使用が認容され、審判は不成立となった経緯がある。
上記内容を証明するため、上記審判に係る被請求人答弁書及び同答弁において提出された証拠書類写ー式を甲第2号証として提出する。
(3)本件1998−99年版製品価格表と、別件1997年版製品価格表は、いずれも表紙下部に「日本DPCコーポレーション」という表示がなされ、中央部に表示された「Diagnostic,Products...」という文言や、その他の体裁が全く同ーである。
このことから、本件1998−99年版製品価格表は、別件1997年版製品価格表の年度改訂版と考えられる。
すなわち、前権利者「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」は、この別件1997年版製品価格表と出荷伝票とを関連づけて、片仮名文字「ミレニア」の薬剤についての使用を主張したものである。
(4)被請求人は、片仮名文字「ミレニア」を工業薬品である「動物研究用試薬キット」について使用していると主張している。
本件1998−99年版製品価格表の第10頁にミレニアシリーズとして「ミレニアキャナインTSH」が表示されている。この「ミレニアキャナインTSH」は、別件取消審判事件において、薬剤「動物研究用試薬」についての使用の証拠として提出された乙第4号証の1ないし3の出荷伝票に表示された「ミレニアキャナインTSHキット」と同一の製品と思料される。
また、ミレニアシリーズとして表示されている他の製品も「ミレニアキャナインTSH」と同種の製品であると思料される。
すなわち、別件取消審判事件において不使用取消の対象となった「薬剤」と、本件審判請求の取消の対象である「化学品」について、同一の製品をもってその使用を主張しているに他ならない。
(5)以上から、本件1998−99年版製品価格表は、本件審判請求前3年以内の使用を何ら立証するものではない上、商品「化学品」についての使用を立証するものでもない。
3.上申書
甲第2号証として提出した別件取消審判事件に係る答弁書中の乙第4号証の一部が欠落していたので、甲第2号証の2として、また、同審判事件の審決を甲第3号証として提出する。
(1)甲第2号証の2は、本件商標の前商標権者である「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」が「薬剤」について片仮名文字「ミレニア」を使用している証拠として提出した別件1997年版製品価格表の第9頁および第10頁である。
別件1997年版製品価格表と、本件1998−99年版製品価格表の記載内容を比較するに、両者共に第10頁の「EIAキット」の箇所には、各々の審判において被請求人が片仮名文字「ミレニア」の使用を証明すると主張する「ミレニアシリーズ」の記載があり、その記載内容は、本件1998−99年版製品価格表に記載されている「ミレニア ウマエストロン−3−サルフェート」の記載以外は全く同一の内容となっている。特に、別件取消審判事件で被請求人が乙第4号証の1ないし3として提出した出荷伝票記載の「ミレニアキャナインTSHキット」と同種の商品と思料される「ミレニアキャナインTSH」の記載内容が、本件1998−99年版製品価格表の第10頁にも、別件1997年版製品価格表の第10頁にも、各々全く同じ内容および体裁で記載されていることは注目すべきである。また、両者のEIAキットの表示の注)として、「上記のキットは基礎研究用試薬です。」の表示がなされている。
上記事実は、弁駁書における請求人の主張、すなわち、被請求人は別件取消審判事件において不使用取消の対象となった「薬剤」と、本件審判請求の取消の対象である「化学品」について同一の製品をもって主張しているにすぎないということを十分裏付けるものである。
(2)甲第3号証は、別件取消審判事件の審決である。当該審決第4頁によると、「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」の「ミレニア」が、「動物研究用試薬」について使用されているとの判断が下されている。
すなわち、「ミレニアキャナインTSH」が「薬剤」と認められ、当該審決の確定をもって、本件商標の登録は維持されたにも拘らず、被請求人は、本件審判において、同じ「ミレニアキャナインTSH」の使用をもって、今度は「化学品」についての使用を主張しているにすぎないことは明らかである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1.本件商標は欧文字「MILLENIA」と片仮名文字「ミレニア」との上下二段併記からなるが、そのうちの片仮名文字「ミレニア」をミレニアシリーズとして「動物研究用試薬キット」に使用している。証拠として、本件1998−99年版製品価格表(乙第1号証)を提出する。「動物研究用試薬キット」とは動物に関する基礎研究や実験のための工業薬品となるものである。
2.本件商標の現在の権利者は、株式会社ヤトロンであるが、株式会社ヤトロンは本件商標を平成13年10月1日付で上記製品の販売権とともに、アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス ナインテイシックスス ストリート ウエスト 5700の「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」から譲り受けている。商標権の移転は平成13年11月1日に登録となっている(乙第2号証)。(なお、その後、権利者は「株式会社三菱化学ヤトロン」に変更されている。)
3.本件1998−99年版製品価格表は、本件審判請求の登録前3年以内の日本国内における使用証拠であり、「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」の日本における営業所であった「日本DPCコーポレーション」によるものであるが、販売権も譲り受けた株式会社ヤトロンは継続して上記製品を扱っている。
1.被請求人は、本件商標を使用している事実を証明するものとして乙第1号証の本件1998−99年版製品価格表を提出するとともに、本件商標を本件取消請求に係る商品である第1類「化学品」の範疇に属する商品「動物研究用試薬キット」に使用している旨主張している。
2.本件1998−99年版製品価格表には「(1998年4月現在)」という表示がされているが、当該年月日は本件審判請求の登録日「平成14年(2002年)10月2日」前3年以内である平成11年(1999年)10月2日前の日付であるから、本件1998−99年版製品価格表によっては、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標を第1類「化学品」に使用していたという事実は証明されていないとみるのが相当である。
ただし、乙第1号証は本件1998−99年版製品価格表であるから、1999年(平成11年)においても使用する意思が伺えるが、これが1999年(平成11年)の何月まで使用していたのかが明確でない。
そうすると、本件1998−99年版製品価格表によっては、本件商標をその取消請求に係る商品、第1類「化学品」に使用していた事実を証するには不十分であるというべきである。
3.本件商標については、指定商品の書換登録前の商品中の「薬剤」についての取消しを求めた別件取消審判事件があり、当該審判において、被請求人である「ニッポン ディーピーシー コーポレーション」は、「本件商標は薬剤『動物研究用試薬』について使用している。」と主張した。
そして、その審理の結果、本件商標はその指定商品中「薬剤」についての使用が認められ、当該審判請求は不成立となった経緯がある。
4.被請求人は、本件審判請求に係る答弁書では商品「動物研究用試薬キット」に使用していると主張し、別件取消審判事件における答弁書では商品「動物研究用試薬」に使用しているとそれぞれ主張しているものである。
しかるに、本件1998−99年版製品価格表と別件1997年版製品価格表とは、その内容において多少の差違はあるとしても、その体裁においてほぼ同一のものと判断されるものであるから、本件1998−99年版製品価格表は、別件1997年版製品価格表の年度改訂版と判断してしかるべきものである。
すなわち、本件1998−99年版製品価格表と別件1997年版製品価格表のそれぞれの第10頁には、いずれも「動物研究用試薬キット」、「EIAキット」及び「ミレニアシリーズ」の各文字が掲載されており、「ミレニアシリーズ」の内容も「ミレニア ウマエストロン−3−サルフェート」の商品以外は全く同一の商品内容となっている。さらに、両価格表の「EIAキット」の表示の注)として、「上記のキットは基礎研究用試薬です。」との表示がなされている。
そうすると、上記に示された両価格表の共通性からみても、「動物研究用試薬」と「動物研究用試薬キット」は、同一の商品とみるのが相当である。
してみれば、被請求人は、本件商標の書換登録前の指定商品「薬剤」に対する別件取消審判事件に対して提出し、その使用を認められた証拠資料と内容的に同一の資料に示された同一の商品をもって、本件取消請求に係る商品である第1類「化学品」の使用を主張しているものといわざるを得ない。
5.以上を総合的に判断すると、被請求人が提出した本件1998−99年版製品価格表に記載の「動物研究用試薬キット」は、第5類「薬剤」中の「動物用薬剤」の範疇に属する商品であると認められるものであるから、この本件1998−99年版製品価格表によっては、本件商標が本件指定商品中の第1類「化学品」について使用されていた事実を証明することはできない。
その他、本件商標を本件取消請求に係る指定商品である第1類「化学品」に使用していた事実を認めるに足る証拠はない。
してみれば、被請求人は、本件商標を継続して本件審判請求の登録前3年
以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品である第1類「化学品」について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
6.したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第1類「化学品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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