sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の証拠能力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−31252(T2002−31252/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3027085号商標(以下「本件商標」という。)は、「スーパージョーカー」の片仮名文字と「SUPER JOKER」の欧文字を上下二段に書してなり、第9類「業務用コイン投入式ゲーム機,業務用磁気カード式ゲーム機,業務用ゲーム機の筐体,業務用遊戯ロボット,その他の遊園地用機械器具」を指定商品として、平成4年5月20日登録出願、同7年2月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1.請求の理由

本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がない。また、本件商標をその指定商品に使用していないことについて、被請求人には、正当な理由も存しない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

2.答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証及び乙第2号証について

乙第1号証(月刊「アミューズメント産業3/MAR.1993」)の被請求人の広告欄には、業務用コイン投入式ゲーム機(以下「本件ゲーム機」という。)の写真があり、そこに「SUPER」の英字と「JOKER」の英字を二段にずらして併記した文字と、「スーパージョーカー」の片仮名文字とが掲載されている事実が認められ、また、乙第2号証(月刊「アミューズメント産業4/APR.1993」)の被請求人の広告欄には、本件ゲーム機の写真につき、「スーパージョーカー」の片仮名文字が付されている事実が認められる。

しかし、乙第1号証の発行日は、平成5年2月26日であり、乙第2号証の発行日は、平成5年3月26日であるから、いずれも本件審判の予告登録日前3年以内よりも前の日付に係るものであるから、これらが使用の事実を立証する証拠とはなり得ないことは明らかである。

乙第1号証及び乙第2号証からは、現実の商品である本件ゲーム機に関する取引の実態は、全く不明である。また、被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証をもって、同商品を製造及び販売しており、その後も、同商品の維持機材・部品を継続的に販売していると主張するが、これらの証拠からはその事実も全く不明であり、立証されていない。

(2)乙第3号証及び乙第4号証について

被請求人は、乙第3号証(部品・消耗品注文書)及び乙第4号証(納品書(控))をもって、「スーパージョーカー」の部品である「ホッパーセンサーPCB」(プリント回路基盤)を販売したとし、注文書(乙第3号証)に「スーパージョーカー」の商標が使用されているとする。

しかし、以下のとおり、これらの証拠によっては、被請求人が本件商標を使用したと主張する商品自体が把握できないものであり、かつ、立証もされていないことから、本件指定商品に、本件商標が使用されたとすることはできない。

ア.乙第3号証に記載の「スーパージョーカー」なる件名に相当するものが、乙第1号証及び乙第2号証において宣伝広告された本件ゲーム機に相当するものか否かは、全く不明であり、かつ、立証されていない。

イ.被請求人は、乙第3号証で「スーパージョーカー」の商標が使用されていると主張するが、これは、被請求人ないし使用権者による使用とは認められないから、本件商標の使用の事実を示す証拠とならないことは明らかである。

ウ.被請求人は、乙第4号証は乙第3号証に対応して、「ホッパーセンサーPCB」なる商品が販売されていた旨主張するが、仮に、乙第4号証により当該商品が販売された事実が認められるとしても、ここには本件商標が全く表示されておらず、これをもって、本件商標を使用したとすることはできない。

エ.被請求人は、品名「ホッパーセンサーPCB」が、商品「遊園地用機械器具」に属する本件ゲーム機専用の維持機材・部品であり、「遊園地用機械器具」に属するものである旨主張するが、「ホッパーセンサーPCB」が如何なる商品か把握することはできない。よって、「ホッパーセンサーPCB」の内容・範囲が確認できない以上、それが本件ゲーム機との関係で、専用の維持機材・部品に該当するのか否かも、確認することができない。

さらに、「ホッパーセンサーPCB」が、乙第1号証及び乙第2号証掲載の本件ゲーム機との関係で、如何なる機材・部品に該当するか否かも確認できない。

(3)乙第5号証及び乙第6号証について

乙第5号証(注文書)及び乙第6号証(納品書(控))も、前記(2)で述べたことがすべて該当するものであり、本件商標の使用事実は立証されていない。

(4)乙第7号証について

被請求人は、乙第7号証(納品書(控))のメインPCBの交換修理を行った際の納品書をもって、その記載金額の大部分がメインPCBの部品代であり、実質的にメインPCBの販売取引であると主張する。

しかし、乙第7号証から客観的に把握できる事実は、「スーパージョーカーPCB修理」の代金として「15,000」円の数字が印字されている事実であり、備考欄に記載された「交換分;メインPCB」との事実をもって、被請求人主張のとおりの事実を認めることはできない。

すなわち、修理代と別に「メインPCB」の交換部品代金が明記されていない以上、部品の交換の有無にかかわらず、乙第7号証の取引は、PCBの修理という役務の提供であり、そこに記載された代金も、その役務の提供に対する対価として記載されているとみるのが社会通念上自然であり、これを商品の売買に関する取引書類と認めることはできない。したがって、乙第7号証は、本件商標が使用されたとすることはできない。

(5)被請求人は、乙第3号証、乙第5号証及び乙第7号証に記載の「スーパージョーカー」の片仮名文字が、欧文字の「SUPER JOKER」と称呼同一であることをもって、本件商標と社会通念上同一の商標というべきであると主張する。

しかし、商標法第50条の規定が、法文上社会通念上同一と明確に認めるのは、称呼及び観念を同一とする英文字と片仮名文字の転用であって、片仮名文字と英文字が二段併記された本件商標のうち、片仮名のみの一部使用が、社会通念上同一の範囲に属するか否かは明確でない。また、前記片仮名文字と欧文字は、確かに称呼を同一にするとはいえるが、その全体の観念が同一といえるか否かは、被請求人も主張するところが無く、極めて疑問である。

よって、単なる片仮名文字の「スーパージョーカー」と本件商標の社会通念上の同一性についても、被請求人は、十分な主張立証を行っているとは認められない。

(6)以上、本件商標は、その指定商品全てについて、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。

1.乙第1号証及び乙第2号証について

(1)被請求人は、1993年ころに本件商標を使用し、ポーカーゲームを内容とする本件ゲーム機を製造及び販売していたが(乙第1号証及び乙第2号証)、その後も、同ゲーム機の維持機材・部品を継続的に販売しており、これについて「スーパージョーカー」として取引・販売を行っている。

なお、本件ゲーム機そのものについては、本件審判請求の登録前3年以内の取引はなかった。

(2)本件商標は、片仮名文字の「スーパージョーカー」と欧文字の「SUPER JOKER」を横書きに二段表記してなるが、欧文字の「SUPER JOKER」の部分について、一般的に片仮名文字部分に照応する「スーパージョーカー」以外の称呼が生じるものではなく、本件商標と社会通念上同一の商標というべきものである。

なお、「業務用コイン投入ゲーム機」専用の維持機材・部品は、「遊園地用機械器具」に属するものである。

(3)乙第1号証及び乙第2号証は、乙第3号証以下に示す維持機材・部品の取引が、本件ゲーム機用の維持機材及び部品の取引であることを示すためである。

2.乙第3号証ないし乙第6号証について

(1)乙第3号証及び乙第4号証は、株式会社スガイ・エンタテインメントからの注文に応じ、「スーパージョーカー」の部品である「ホッパーセンサーPCB」(ゲームの結果に応じ、コインの払い出し枚数を検知するためのプリント回路基板。PCBは、プリント回路基板を意味するPrinted Circuit Boardの略である。)を販売した際の注文書と商品の納品書である。

乙第4号証(納品書)に「スーパージョーカー」の語は直接表示されていないが、商品コード268307が表示されており、これは注文書の品番268−307に対応していることから、当該注文書に対応して販売されていたことは明白である。

(2)乙第5号証及び乙第6号証は、有限会社フラットからの注文に応じ、「スーパージョーカー」の部品である「ホッパーセンサーPCB」を販売した際の注文書と商品の納品書である。

乙第5号証(注文書)に「スーパージョーカー」の商標が使用されているものである。商品の納品書には、商品コード268307が表示され、注文書に対応して販売されているものである。

(3)請求人は、乙第3号証及び乙第5号証の「スーパージョーカー」なる件名に相当するものが、乙第1号証及び乙第2号証において宣伝広告された「業務用ポーカーゲーム機」に相当するものか否かは全く不明であり、かつ、立証されていないと主張する。

しかしながら、被請求人は、「スーパージョーカー」及び「SUPER JOKER」の商標を、かつて販売していた本件ゲーム機に使用していたことは乙第1号証及び乙第2号証から明らかであり、乙第3号証及び乙第5号証の注文書に記載された「スーパージョーカー」が乙第1号証及び乙第2号証に示された商品に相当するものであることは明白である。

また、本件ゲーム機の取扱説明書(乙第9号証)の各種部品(22〜24頁)には、「12−2 ホッパーユニット」の「NO3」に部品名として「ホッパーセンサーPCB」との記載があり、部品コードとして「268−307」が付されているところ、乙第3号証及び乙第5号証の注文書にも、上記取扱説明書の記載に照応する「268−307」との部品コードが記載されており、それに対応する品名として「ホッパーセンサーPCB」と記載されている。

この事実からも乙第3号証及び乙第5号証の「スーパージョーカー」との記載は、本件ゲーム機に相当するものである。

(4)請求人は、「ホッパーセンサーPCB」が如何なる商品か把握することはできず、したがって、それが本件ゲーム機専用の維持機材・部品に該当するのか否かも確認することができないと主張する。

この点については、乙第9号証の各種部品の一覧表の記載から証明可能である。すなわち、型式の欄は、本件ゲーム機以外の用途にも使用できる市販の汎用部品の型式が記載される部分であるが、「ホッパーセンサーPCB」については、本件ゲーム機の専用部品であることから、他の部品と異なり型式が記載していないものである。したがって、「ホッパーセンサーPCB」は、本件ゲーム機の専用部品である。

(4)請求人は、乙第3号証及び乙第5号証の「スーパージョーカー」が、被請求人ないし使用権者による使用とは認められないから、これらをもって、本件商標が使用されたとすることはできないと主張する。

確かに、乙第3号証及び乙第5号証は被請求人の作成したものではないが、これらの注文書に基づき、乙第4号証及び乙第6号証の納品書を発行して、商品が現実に販売されたことが立証できるのである。

3.乙第7号証について

(1)乙第7号証は、株式会社マイカルクリエイトからの注文に応じ、「メインPCB」の交換修理を行った際の平成14年2月15日付け納品書である。

「メインPCB」の交換には技術的知識が必要であることから、メインPCBが据え付けられているアセンブリ(部材)を引き取り、出願人において交換作業を行っているが、本納品書に記載されている金額の大部分はメインPCBの部品代である。実質的には「メインPCB」の販売取引というべきものである。本納品書には「スーパージョーカー」の商標が使用されているものである。

なお、「メインPCB」とは、ゲームのメインプログラムが格納されたPCBであり、この部品が「スーパージョーカー」というゲーム機を「スーパージョーカー」たらしめている心臓部となる部品である。本取引の焦点がこの部品の取引にあり、取引者もこれを「スーパージョーカー」という商品名と認識し、商品として取引していることは明らかである。

(2)請求人は、修理代とは別に「メインPCB」の交換部品代金が明記されていないから、部品の交換の有無に関わらず、乙第7号証における取引は、PCBの修理という役務の提供であり、そこに記載された代金も、その役務の提供に対する対価として記載されているとみるのが自然であり、これを商品売買に関する取引書類と認めることはできないと主張する。

しかしながら、たとえ、乙第7号証の品名の欄に「スーパージョーカー PCBシュウリ」との記載がなされたとしても、備考の欄に「コウカンブン:メインPCB」との記載があり、数量の欄に「1」、単価の欄に「15,000」との記載があることからすれば、本取引においては修理作業ではなく、商品としての「メインPCB」1個を単価15,000円で販売することを主目的としたものであり、交換修理作業こそが商品販売の付随的役務であるとみるべきものである。

仮に、百歩譲って、本取引がPCBの修理という役務の提供取引であるといえるとしても、本取引における「メインPCB」の提供は、修理取引に付随するものではなく、本作業には「メインPCB」の交換を伴っており、その部品代を含めて対価が支払われていることは、乙第7号証の備考の欄に「コウカンブン:メインPCB」との記載があることからすれば、「メインPCB」の修理という役務の提供と商品としての「メインPCB」の販売とが複合した取引であるとみるのがむしろ自然である。

このような複合的な性格をもった取引である以上、乙第7号証を役務取引に関する取引書類であるとともに、商品売買に関する取引書類と認めても何ら問題はないはずである。

(3)本件部品の外観上には、本件商標若しくはこれと社会通念上同一と認められる商標は使用されていないが、「メインPCB」に関していえば、本件ゲーム機のメインプログラムが格納されており、これを本件ゲーム機本体に組み込み、特定の操作を行なうと、ゲーム機のモニター画面上に欧文字の商標「SUPER JOKER」が表示されるものであるから、自他商品の識別が可能であり、いわば,電磁的方法にて商標を付したものである(乙第9号証;取扱説明書14〜16頁参照)。また、「ホッパーセンサーPCB」に関しては、このような電磁的方法による商標の使用もない。

なお、これらは他の「業務用コイン投入式ゲーム機」に使用可能な汎用部品ではなく、本件ゲーム機の所有者が、主な需要者、取引者となるので、広告用のカタログは作成していない。

4.以上により、本件審判の請求の予告登録日から過去3年以内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件商標の指定商品に関して使用されていることは明らかである。

第4 当審の判断

1.乙第1号証ないし乙第7号証及び乙第9号証並びに答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、1993年(平成5年)2月26日発行「アミューズメント産業」であるところ(乙第1号証が1993年(平成5年)2月26日に発行されたものであることについては、当事者間に争いがない。)、被請求人の取扱いに係る商品についての広告欄には、本件ゲーム機の写真が掲載されているところ、該ゲーム機の上部には、「SUPER」と「JOKER」の文字を二段にした商標が表示されており、また、該写真の左には、「SUPER」と「JOKER」の文字を二段にして大きく書し、その下に「スーパージョーカー」の文字を小さく書した商標が表示されている。

(2)乙第2号証は、1993年(平成5年)3月26日発行「アミューズメント産業」であるところ、その広告欄には、「スーパージョーカー」の文字とともに、「((株)ナムコ)」の文字及び本件ゲーム機の写真が掲載されているところ、該ゲーム機の上部には、「SUPER」と「JOKER」の文字を二段にした商標が表示されている。

(3)乙第3号証は、「(株)スガイ・エンタテイメント/アミューズメント ファクトリー」から「(株)ナムコ サービスセンター」に宛てた平成14年4月22日付け部品・消耗品注文書であるところ、「件名」欄には「スーパージョーカー」の、「品名」欄には「ホッパーセンサーPCB」の、「品番」欄には「268−307」の、「数量」欄には「3」の文字が記載されている。

(4)乙第4号証は、被請求人から「得意先:株式会社スガイ・エンタテイメント/納入先:アミューズメント ファクトリー」に宛てた2002年(平成14年)4月23日付けの納品書(控)であるところ、「部品コード」欄には「F005/268307」の、「品名」欄には「MS ホッパーセンサーPCB」の、「数量」欄には「3」の、「単価」欄には「1,660」の文字が記載されている。

(5)乙第5号証は、「有限会社フラット」から被請求人に宛てた平成14年7月24日付け注文書であるところ、「機械名」、「品名」、「数量」及び「備考」の各欄に、順に「スーパージョーカー」、「ホッパーセンサーPCB」、「1」及び「268−307」の記載がある。

(6)乙第6号証は、被請求人から「得意先及び納入先:有限会社フラット」に宛てた2002年(平成14年)7月25日付けの納品書(控)であるところ、「部品コード」、「品名」、「数量」及び「単価」の各欄には、順に「F005/268307」、「MS ホッパーセンサーPCB」、「1」及び「1,660」の文字が記載されている。

(7)乙第7号証は、被請求人から「得意先:株式会社マイカルクリエイト/納入先:ダイナレックス 高松店」に宛てた2002年(平成14年)2月15日付けの納品書(控)であるところ、「品名」、「数量」、「単価」及び「備考」の各欄には、順に「スーパージョーカー PCBシュウリ」、「1」、「15,000」及び「コウカンブヒン:メインPCB」の文字が記載されている。

(8)乙第9号証は、「スーパージョーカー説明書」であるところ、その「内部仕様」(4頁)には、本件ゲーム機のキャビネット内上部に「メインPCB」が設置され、また、「各種部品」(22〜24頁)の説明として、「ホッパーユニット」中には「部品コード/268−307」、「部品名/ホッパーセンサーPCB」の記載がある。そして、「メインPCB」は「ゲームのメインプログラムが格納されたPCB(PCBは、プリント回路基板を意味するPrinted Circuit Boardの略である。)」であり、「ホッパーセンサーPCB」は「ゲームの結果に応じ、コインの払い出し枚数を検知するためのプリント回路基板」であって、いずれも本件ゲーム機に組み込まれる本件ゲーム機専用の部品であることが認められる。

2.前記1.で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成14年11月20日)前3年より以前の平成5年3月から4月にかけて、「SUPER」と「JOKER」の欧文字を二段にして表示した本件ゲーム機について、宣伝広告し、本件ゲーム機本体に使用される上記表示以外に、「SUPER」と「JOKER」の欧文字及び「スーパージョーカー」の片仮名文字ないし「スーパージョーカー」の片仮名文字のみを使用した。

また、本件審判の請求の登録前3年以内の期間においては、本件ゲーム機自体の取引はなく、その部品交換という形で、本件ゲーム機の部品である「ホッパーセンサーPCB(部品コード;268−307)」及び「メインPCB」(これらの部品をあわせていうときは、以下「本件部品」という。)を販売していたことが認められる。

ところで、業務用ゲーム機の部品・附属品(ゲームプログラムを記憶させた記録媒体を含む。)は、第9類の「業務用ゲーム機(遊園地用機械器具)」の範疇に含まれるものと認められるところ、本件審判の請求の登録前3年以内に取引の対象となった本件部品は、本件ゲーム機の専用部品として組み込まれる商品であるから、本件商標の指定商品中に含まれる商品というべきである。そして、本件部品は、過去に本件ゲーム機を購入した日本国内に所在の者を対象にして、独立した商品として取り引きされるものであって、その取引に際しては、他のゲーム機ないし他のゲーム機用の部品等と区別するために「スーパージョーカー」の文字を記載し、本件ゲーム機用の部品であることを明記して取り引きされたことが認められる。

そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内において、本件請求に係る指定商品中の業務用ゲーム機の部品について、「スーパージョーカー」の文字を使用していたと認め得るところである。

3.使用に係る商標について

本件商標は、前記したとおり、「スーパージョーカー」の片仮名文字と「SUPER JOKER」の欧文字を上下二段に書してなるものである。

これに対し、取引書類に記載された商標は、「スーパージョーカー」の片仮名文字よりなるものである。

そうすると、本件商標と使用に係る商標とは、欧文字部分の有無の差異を有するものであるとしても、いずれも「スーパージョーカー」の称呼が生ずるばかりでなく、片仮名文字の「スーパー」及び「ジョーカー」からは、「super」及び「joker」の英語が容易に想起されるから、観念においても同一のものということができる。

したがって、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標というのが相当である。

4.請求人の主張について

(1)請求人は、乙第3号証及び乙第5号証に記載された「スーパージョーカー」が本件ゲーム機に相当するものは何ら立証されていないし、「ホッパーセンサーPCB」は如何なる商品であるか把握することができない。また、乙第3号証及び乙第5号証は、被請求人による使用とは認められないし、乙第4号証及び乙第6号証には本件商標が表示されていないから、被請求人は本件商標を使用したものとは認められない旨主張する。

しかしながら、乙第1号証、乙第2号証及び乙第9号証によれば、平成5年ころに販売していた本件ゲーム機には「SUPER/JOKER」の文字が表示され、また、広告には、「SUPER/JOKER」と「スーパージョーカー」の表示ないし「スーパージョーカー」のみの表示が使用されていたこと、及び本件ゲーム機には、その専用部品として本件部品が組み込まれていることが明らかであるから、注文者から注文のあった「スーパージョーカー」の「ホッパーセンサーPCB/268−307」は、本件ゲーム機の部品とみるの相当であり、これを覆すに足る証拠はない。

また、乙第3号証及び乙第5号証は、「ホッパーセンサーPCB/268−307」の注文者が作成した書類であり、乙第4号証及び乙第6号証には本件商標が表示されていないとはいえ、注文者は、「スーパージョーカー」の「ホッパーセンサーPCB/268−307」と指定して注文した事実が存在し、かつ、被請求人は、これとほぼ同一の「部品コード」及び「品名」の商品を納品した事実が存在する以上、「スーパージョーカー」の「ホッパーセンサーPCB/268−307」が本件審判の請求の登録前3年以内に取引があったとみるのが相当である。

したがって、乙第3号証ないし乙第6号証に関する請求人の主張は採用できない。

(2)請求人は、乙第7号証には、「スーパージョーカーPCB修理」の代金として「15,000」円の数字が記載されているから、その取引は、PCBの修理という役務の提供とみるのが社会通念上自然であり、これを、商品の売買に関する取引書類と認めることはできない。したがって、乙第7号証は、本件商標が使用されたとすることはできない旨主張する。

しかしながら、乙第7号証の「備考」欄には、「コウカンブン:メインPCB」との記載もあり、この記載からすれば、「メインPCB」なる部品の交換が行われたとみることもでき、「メインPCB」がゲームのメインプログラムが格納されたプリント回路基板であって、ある程度の専門的知識がなければ部品の交換が困難であることをも併せ考えれば、「メインPCB」の販売と同時に、部品交換(修理)という役務の提供をも行ったとみるのが相当である。そして、この取引が「スーパージョーカー」の「PCB修理」という役務の提供のみが行われたと認めるに足る証拠はない。

5.以上のとおりであるから、被請求人は、被請求人(商標権者)が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「業務用コイン投入式ゲーム機の部品」について、使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。