結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30638(T2001−30638/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2048255号の1商標(以下「本件商標」という。)は、「SCORPION」の欧文字を横書してなり、昭和54年11月29日に登録出願され、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として昭和63年5月26日に設定登録された、登録第2048255号商標から、「釣り具、その部品及び附属品」について、平成10年2月9日に登録第2048255号の2商標に分割移転の設定登録がなされた残余の指定商品についての登録商標である。
そして、本件商標は、平成10年7月28日に商標権の存続期間の更新登録の設定がされ、また、商標法50条による不使用取消しの審判があった結果、その指定商品中「おもちゃ、人形、娯楽用具」について、その登録は取り消すとの審決がなされ、その審判の確定登録が平成12年11月8日になされており、その結果、本件商標は、残余の指定商品について権利が有効に存続しているものである。
本件商標登録の取消しの審判は、商標法50条により、本件商標の指定商品中「運動具及びこれに類似する商品」(以下「本件取消対象商品」という。)について、登録の取り消しを請求するものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「運動具及びこれに類似する商品」についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品中「運動具及びこれに類似する商品」については一度も使用された事実が存在しないから、本件取消対象商品についての登録は、商標法50条1項により取消されるべきである。
(1)被請求人は、予告登録前3年以内に、本件取消対象商品について本件商標を使用していることを、乙第1号証ないし同第9号証を提出することにより、立証しようとしている。しかしながら、これらの証拠のみでは、被請求人又は使用権者が審判請求の予告登録前3年以内に本件取消対象商品について本件商標を使用しているとは到底いえない。
(2)乙第1号証によると、被請求人は、スポーツ用品の販売をしている事実は認められるが、本件取消対象商品について本件商標を使用している事実を見出すことはできない。
また、乙第1号証の1頁の上部左側には、「このオリジナルカタログはこのコンセプトに基づき、ニッピン独自の開発商品と直輸入商品のみを掲載したものです。尚その他のメー力のアイテムも店内豊富に取り揃えております。」とある。直輸入商品は、被請求人が製造しているものではなく、当該商品に付されている商標は、輸入元のメーカーの商品を識別するための商標で被請求人の商品を識別するための商標ではないと考えられる。従って、被請求人は本件取消対象商品について本件商標を使用している事実を証明するだけでは足りず、当該商標が、被請求人の商品を識別するための商標であることも証明しなければならないこととなる。
(3)被請求人は、乙第2号証の通常使用権許諾契約により、本件商標は、本件取消対象商品中「スキー板及び関連商品」について、乙第3号証及び乙第4号証に示すように、通常使用権者である株式会社ケイツージャパンによって、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されていると主張する。
本件審判の予告登録日は平成13年7月11日であるため、予告登録日前3年以内に使用しているというためには、乙第3号証及び乙第4号証は、平成10年7月11日以後に発行されていることが必要である。しかしながら、乙第3号証は被請求人も主張するように、平成9年7月15日発行のものであり、また、乙第4号証は発行日が明らかではないが、被請求人の主張によると、平成9年の9月頃発行のものであり、いずれも、予告登録日前3年以内に発行されたものではない。
従って、乙第3号証及び乙第4号証によって予告登録日前3年以内に使用していることの証明とはならないことは明らかである。
(4)乙第5号証は商品「シュラフ」の写真であるが、乙第5号証の証明者が被請求人の代表者であることを考慮すると、乙第5号証のみでは、平成10年4月から平成13年9月30日まで本件商標が使用されているとの被請求人の主張は信憑性に欠ける。
(5)乙第6号証及び同第7号証については以下の疑義がある。
(ア)乙第6号証のブーツがスノーボードブーツであるか疑問であり、平成10年10月から平成11年3月31日まで販売されていた本件商標が付された「スノーボードブーツ」が撮影日である平成13年10月1日にまだ被請求人の手元に残っているのはあまりにも不自然であり信憑性に欠ける。
(イ)乙第7号証のチラシの「スノーボードブーツ」が乙第6号証の「スノーボードブーツ」であることの証明は何らなされていない。
(ウ)乙第7号証のチラシが平成10年から同11年のウインターシーズンに向けて本当に配布されたのかどうかも何ら証明されていない。
(エ)乙第7号証のようなチラシは、本件審判請求後に作成することも技術上可能である。
(オ)乙第6号証及び同第7号証のみでは、予告登録前3年以内に「スノーボードブーツ」について本件商標が使用されていたことの証明としては不十分である。
(カ)被請求人は、独自の開発商品の他、直輸入品や他のメー力の商品も取り扱っている(乙第1号証)が、乙第6号証の使用証明書、写真及び乙第7号証のチラシのいずれをみても、使用証明している「スノーボードブーツ」が被請求人の開発の商品か直輸入品又は他のメー力の商品であるかどうかは不明である。乙第6号証及び同第7号証において表示されている「スノーボードブーツ」が輸入元の商品や他のメー力の商品であるとすれば、当該「スノーボードブーツ」について「SCORPION」を使用しているのは、上記輸入元や他のメーカーであって、被請求人ではない。
(6)乙第8号証及び同第8号証の1の商品「スパッツ」が本件取消対象商品に含まれるかどうか不明である。また、乙第8号証のみでは、平成10年10月から平成13年9月30日まで、「スパッツ」について本件商標を使用していたことの証明の信憑性に欠ける。
また、乙第8号証の1によれば、フレンゴースポーツ株式会社から購入した「スパッツ」を被請求人が販売していたとしても、それは、フレンゴースポーツ株式会社による商標「スコルピオン」又は「SCORPION」の使用であることは認められたとしても、被請求人の使用であるとは認められない。
乙第8号証及び乙第8号証の1は、商標権者が予告登録前3年以内に本件取消対象商品について本件商標を使用していたことの証拠としては的確性を欠くかあるいは不十分である。
(7)乙第9号証及び乙第9号証の1の「下げ札」は本件取消対象商品には含まれないので、これらの証拠によっては、本件商標の取消を免れることはできない。
なお、当該下げ札は、「スノーボードブーツ」(乙第6号証)や「スパッツ」(乙第8号証)に吊り下げられて店頭で現実に展示されている旨、被請求人は主張するが、当該事実は何ら証明されていない。
(8)以上のように、乙第1号証乃至乙第9号証の1のいずれによっても、商標権者又は通常使用権者により予告登録前3年以内に本件取消対象商品について本件商標を使用していることの証明はなされていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人である日本用品株式会社(通称「ニッピン」或いは「NIPPIN」)は、昭和26年から継続して、乙第1号証として提出する商品カタログ「NIPPIN Catalogue 2001〜2002 NIPPIN ORIGINAL GOODS」に示すように、テント、シュラフ、リックサックなどの登山用品、キャンプ用品などのアウトドアー用品並びにそれらに関連する一連のスポーツ商品(運動具)を販売しているスポーツ用品会社である。本件商標権者・日本用品株式会社は、商標「SCORPION」を付けて、以下のとおり、「運動具及びこれに類似する商品」を使用している。
(2)乙第2号証は、本件商標について、商標権使用に関する契約書(写)である。乙第2号証では、本件商標権者が通常使用権を設定していることから、本件商標を商品「運動具」について使用している。
本件商標は、以下の乙第3号証及び乙第4号証のとおり、スキー専門雑誌に掲載されて広告宣伝された。これによって、本件商標が、通常使用権者によって、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されている事が明白である。
(3)乙第3号証は、平成9年7月15日発行の雑誌「SKI GOODS」1998年号の抜粋である。乙第3号証第 204頁にスキー板と共に「スコーピオン」と表示されて紹介されている。通常使用権者によって商標「SCORPION」が宣伝広告されている。
(4)乙第4号証は、平成9年秋発行(9月頃)の雑誌「Skier」1998年号別冊付録の抜粋である。乙第4号証の3頁にスキー板と共に「SCORPION」と表示されて紹介されている。通常使用権者によって本件商標「SCORPION」が宣伝広告されている。
(5)乙第5号証の「写真」は、当社が、平成10年から店頭で、展示・販売している商品「シュラフ」の写真である。この「シュラフ」には本件商標「SCORPION」を表示した「ラベル」が本体に縫着されている。
(6)乙第6号証は、被請求人が、平成10年から同11年のウインターシーズンに向けて年末に配付している「チラシ」(乙第7号証)に掲載されている「スノーボートブーツ」の写真である。この写真の「スノーボートブーツ」は、「SCORPION」の表示がなされ、「チラシ」の表示と同一商品である。乙第6号証からも本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商標の使用の事実が明らかである。
(7)乙第7号証は、同じく当社が、平成10年から同11年のウインターシーズンに向けて、秋から年末に店頭或いは新聞の折込み広告で配付している「チラシ」である。この「チラシ」には、上記乙第6号証の「スノーボートブーツ」と「SCORPION」の表示がなされている。この「チラシ」は、発行日が明瞭ではないが、右下に「1999.3.31有効」(割引券)の表示がなされている。この「チラシ」の有効期限の日時表示から、平成10年秋から同11年春3月まで使用されたことが明らかである。このように本件審判請求前3年以内に本件商標の使用の事実が明らかである。
なお、乙第7号証の「チラシ」は、乙第6号証で立証する写真に、「スノーボートブーツ」及び包装箱と共に写されているものである。
(8)乙第8号証は、同じく当社が、平成5年頃から平成13年10月1日現在、店頭で販売している「スパッツ」の写真である。この乙第8号証の写真に示すように、商品「スパッツ」の収納する袋に欧文文字で「SCORPION」の表示板が印刷されている。
更に乙第8号証の1は、乙第8号証に示す商品「スパッツ」の納入伝票である。この乙第8号証の1(「納入伝票」)には「スコルピオンスパッツ」の表示がなされている。この「スコルピオン」は、商標「SCORPION」のことで、納入時には片仮名で表示される。
この「納入伝票」によれば、「スコルピオンスパッツ」が平成11年6月2日に249個が当社に納品され、同6月20日にその請求がなされている。また、同様に平成11年7月12日に140個が当社に納品され、同7月20日にその請求がなされている。
(9)乙第9号証は、本件商標「SCORPION」の表示をした「下げ札」である。乙第9号証の1は、上記乙第9号証の本件商標「SCORPION」の表示をした「下げ札」の納品伝票の写である。乙第9号証で立証する「下げ札」は、印刷業者から商標権者に平成10年2月24日に納品され、乙第6号証の「スノーボートブーツ」や乙第8号証の「スパッツ」を含め対応する商品に付けるために、準備されたものである。
そこで、被請求人が提出した各乙号証について検討する。
そして、当該「スノーボードブーツ」には、本件商標と同一の文字である「SCORPION」の文字が付されていることが確認できる。
また、乙第6号証の写真には、乙第7号証と同一のものと推認できる広告(チラシ)も表示されていることが確認できる。
また、上記宣伝部分の下には「1999.3.31有効」との表示があることから、この広告(チラシ)は、少なくとも、1999年(平成11年)3月末にかけて配布されたものと推認されるところであり、被請求人が主張する、当該冬のスキーシーズンである1998年(平成10年)末から1999年(平成11年)3月末にかけて配布されたものとみて差し支えないものである。
(1)乙第6号証のブーツがスノーボードブーツであるか疑問であり、平成10年10月から平成11年3月31日まで使用されていた商品が撮影日である平成13年10月1日にまだ被請求人の手元に残っているのはあまりにも不自然であり信憑性に欠ける。
(2)乙第7号証のチラシの「スノーボードブーツ」が乙第6号証の「スノーボードブーツ」であることの証明は何らなされていない。
(3)乙第7号証のチラシが平成10年から同11年のウインターシーズンに向けて本当に配布されたのかどうかも何ら証明されていない。
(4)このようなチラシは、本件審判請求後に作成することも技術上可能であり、乙第6号証及び同第7号証のみでは、予告登録前3年以内に「スノーボードブーツ」について本件商標が使用されていたことの証明としては不十分である。
(5)被請求人は、独自の開発商品の他、直輸入品や他のメー力の商品も取り扱っている(乙第1号証)が、乙第6号証の使用証明書、写真及び乙第7号証のチラシのいずれをみても、使用証明している「スノーボドブーツ」が被請求人の開発の商品か直輸入品又は他のメー力の商品であるかどうかは不明である。乙第6号証及び同第7号証において表示されている「スノーボードブーツ」が輸入元の商品や他のメー力の商品であるとすれば、当該「スノーボードブーツ」について「SCORPION」を使用しているのは、上記輸入元や他のメーカーであって、被請求人ではない。
そして、商品の企画・販売、故障・事故等への対応あるいは顧客サービスの充実などの取引の実情を考慮すれば、過去に販売した商品を廃棄せずに保存しておくことは、むしろ自然なことであり、使用商品である「スノーボードブーツ」が撮影日である平成13年10月1日に被請求人の手元に残っていることはなんら不自然ではない。
また、商品の広告(チラシ)は配布を前提に作成されるのものであるから、これが配布されたとはいえない特別な事情がない限り、これが配布されなかったとすることはできず、請求人の主張は採用できない。
さらに、被請求人が提出した、乙第2号証に係る本件商標の使用契約、本件審判請求の予告登録日より3年以上前に本件商標が使用されていたことが認められる乙第4号証、「SCORPION」の文字が付されている商品が存在していたことが確認できる乙第5号証、同第8号証、「SCORPION」と「NIPPIN」の文字が付された下げ札と思しき紙片を示す乙第9号証、及び被請求人の答弁の全趣旨に照らせば、乙第7号証の広告物が、審判請求後に作成されたとみなければならない合理的理由は存在せず、また、請求人のこの主張を採用すべき証拠はない。
そして、当審は、乙第6号証及び同第7号証に係る、「SCORPION」の商標が使用された商品「スノーボドブーツ」が、本件商標権者以外の者による製造に係る商品として取り扱われていたか否か、職権で調査をしたが、これが本件商標権者以外の者の取り扱いに係る商品であるとの事実は発見できなかった。
したがって、乙第6号証及び同第7号証についての請求人主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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