Trademark Appeal Case
SPRINTER結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−65007(T2001−65007/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SPRINTER STREET」の欧文字を横書きしてなり、国際登録で指定された第12類に属する商品を指定商品として、1999年12月1日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2000(平成12)年5月19日を国際登録の日とするものである。その後、指定商品については、平成13年6月1日付け手続補正書により、第12類「Motor vehicles and parts thereof(except tires and tubes).」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第1021389号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SPRINTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年1月31日に登録出願され、第12類「自動車、ただしタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同48年7月2日に設定登録され、その後、昭和58年7月25日、平成5年7月29日及び同15年1月28日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第1911244号商標(以下「引用商標2」という。)は、「SPRINTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年5月8日に登録出願され、第12類「自動車、但し、タイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同61年11月27日に設定登録され、平成8年11月28日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第1021390号商標(以下「引用商標3」という。)は、「スプリンター」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和44年5月6日に登録出願され、第12類「自動車、ただしタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同48年7月2日に設定登録され、その後、昭和58年7月25日、平成5年7月29日及び同15年1月28日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第1306187号商標(以下「引用商標4」という。)は、「SPRINTER TRUENO」の欧文字を横書きしてなり、昭和46年10月22日に登録出願され、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品、自転車、自転車の部品及び附属品、自動車のタイヤ、チューブ及び航空機のタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同52年10月20日に設定登録され、その後、昭和62年10月19日及び平成9年9月9日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(5)登録第1357054号商標(以下「引用商標5」という。)は、「COROLLA SPRINTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年2月1日に登録出願され、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品、但し、自転車、自転車の部品及附属品、自動車のタイヤ、チューブ及び航空機のタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同53年11月28日に設定登録され、その後、同63年11月16日及び平成10年7月14日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(6)登録第2016108号商標(以下「引用商標6」という。)は、「SPRINTER」及び「RIVIERE」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和60年1月21日に登録出願され、第12類「自動車、その他本類に属する商品、但し、自転車、自転車の部品及び附属品、自動車のタイヤ、チューブ及び航空機のタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同63年1月26日に設定登録され、その後、平成9年9月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(7)登録第2016109号商標(以下「引用商標7」という。)は、「SPRINTER GTV」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年3月7日に登録出願され、第12類「自動車、その他本類に属する商品、但し、自転車、自転車の部品及び附属品、自動車のタイヤ、チューブ及び航空機のタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同63年1月26日に設定登録され、その後、平成9年9月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(8)登録第2016110号商標(以下「引用商標8」という。)は、「SPRINTER CIELO」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年3月26日に登録出願され、第12類「自動車、その他本類に属する商品、但し、自転車、自転車の部品及び附属品、自動車のタイヤ、チューブ及び航空機のタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、同63年1月26日に設定登録され、その後、平成9年9月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、「SPRINTER STREET」の欧文字を書してなるところ、その構成中の「SPRINTER」の文字は、「短距離選手」の意味を、また、「STREET」は「通り」を意味する一般に親しまれた英語であると認められる。
請求人は、「SPRINTER」及び「STREET」の両語が結合されて、「短距離走者の通り」という意味合いが容易に認識され、一連の称呼のみが生ずると主張する。しかしながら、そのような意味合いを想起させる場合があるとしても、それが熟語的意味合いとして親しまれたものであるとはいえず、両語を常に一体不可分のものとして把握認識しなければならない特段の事情は見出し得ない。むしろ、両語が共に親しまれている語であることからすると、単に「SPRINTER」と「STREET」の語をそれぞれ認識する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
ところで、トヨタ自動車株式会社(以下、「トヨタ自動車」という。)は、世界的に有名な自動車メーカーであるところ、一般に、自動車については、人気のある自動車をシリーズ化して製造販売する傾向にあり、その場合、一つの基幹となる名称にボディタイプ、個別商標などを加えて、商品展開をしているのが実情であって、同社についても同様のことがいえる。
これを同社の製造販売に係る車種の一つである「SPRINTER(スプリンター)」についてみると、1968年4月に「カローラスプリンター」を発売し、その後は、例えば、1970年「スプリンター」、1974年「スプリンタークーペ」、1979年「スプリンターセダン」、1979年「スプリンターハードトップ」、1983年「スプリンタートレノ」、1991年「スプリンターレビン」、1992年「スプリンターマリノ」などと、「スプリンター」という名称を基に商品展開をしている(トヨタグループ、関東自動車工業株式会社「開発車ヒストリー」より。)。そして、2002年2月の国内販売車両一覧(トヨタ自動車)においては「スプリンター」及び「スプリンターカリブ」を販売しており、過去に販売された自動車については中古車市場において現在も取り引きされているのが実情である。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「SPRINTER」の文字部分に着目して、トヨタ自動車の製造販売する自動車「SPRINTER(スプリンター)」を連想、想起し、全体としては「SPRINTER」シリーズの「STREET」という名の自動車であることを表示したものと認識するものといえるから、簡易迅速を尊ぶ取引場裏においては、「SPRINTER」の文字部分を基幹となる名称として捉え、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、「SPRINTER」の文字部分に相応して「スプリンター」の称呼及び「トヨタ自動車の一車種である『スプリンター』」の観念を生ずるものといえる。
他方、引用商標1ないし3は、いずれも「SPRINTER」あるいは「スプリンター」の文字からなるものであるから、該文字に相応して「スプリンター」の称呼を生ずること明らかである。
また、引用商標4ないし8は、いずれも「SPRINTER」と他の文字との組み合わせからなるものであるところ、「SPRINTER」と他の文字とは視覚上分離して看取されるものであり、トヨタ自動車の製造販売に係る自動車である「SPRINTER(スプリンター)」についての上記実情よりすると、「SPRINTER」の文字部分に相応して「スプリンター」の称呼をも生ずるものである。
そして、各引用商標は、「SPRINTER」あるいは「スプリンター」の文字部分が上記のとおりトヨタ自動車の製造販売に係る自動車である「SPRINTER(スプリンター)」を連想想起させるものであるから、「トヨタ自動車の一車種である『スプリンター』」の観念を生ずるものである。
そうすると、本願商標と引用商標1ないし8は、「スプリンター」の称呼及び「トヨタ自動車の一車種である『スプリンター』」の観念を同一にする類似の商標であるといえる。
そして、本願商標の指定商品と各引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の判断は、妥当であって、これを取り消すことができない。
なお、請求人の挙げる登録例は、本件とは事案を異にするものであるから、それに基づく請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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