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Trademark Appeal Case

PULPの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90378(T2003−90378/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4658502号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4658502号商標(以下「本件商標」という。)は、「PULP」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月23日に登録出願、第9類、第16類、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年4月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「PULP」の文字からなる商標を第25類「被服」を指定商品として登録出願したところ(商願平7−40110)、「『PULP』は『木材やその他の繊維原料から機械的、化学的方法でセルロースをなるべく純粋にとりだしたもの。人絹等の原料』を意味し、パルプを人工的に再生して繊維状に作りあげたものが『レーヨン』といわれているから、これを指定商品中の例えば『レーヨン製被服』に使用するときは、需要者にその商品がレーヨンを原料として製造された商品であることを理解させるにとどまり、自他商品の識別性を有せず、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎない。したがって、この商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」として、拒絶された。

同様の理由により、「PULP」の文字を主要部とし第25類「被服」を指定商品とする商標の登録出願(商平7−75568及び商平11−70824)は、いずれも拒絶された。

本件商標は、申立人の上記登録出願に係る商標と同様に、自他商品の識別性のないものであるから、その指定商品中の第25類「ティーシャツ,スウェットシャツ,その他の被服」については、その登録を取り消すべきものである。

3 当審の判断

本件商標を構成する「PULP」の文字は、「(柔らかい)果肉、どろどろしたもの、(紙原料の)パルプ」を意味する英語(研究社「新英和中辞典」)として知られているものであるが、これが直ちに被服の原材料を表すものとして一般に理解し認識されているものとは認め難い。因みに、株式会社同文書院発行「新・田中千代服飾事典」の「パルプ[Pulp]」の項には、「製紙原料、すなわち植物繊維を紙の原料として適当な形に分離したものである。」との記述がされているものの、被服の原材料である旨の説明はない。

申立人は、自己の先願商標が拒絶されたことをもって本件商標も拒絶されるべき旨主張するに止まり、本件商標が自他商品の識別力を有しないことを立証する具体的な証拠を何ら提出していない。

もとより、申立人が掲げる申立人の上記商標登録出願の拒絶の理由においては、「レーヨン」が被服の原材料であることに言及しているとしても、「PULP」が被服の直接の原材料であるとは示唆されていないし、該拒絶の理由に対し、申立人は何らの意見も述べた形跡がないところである。

してみれば、本件商標は、その指定商品中の第25類「ティーシャツ,スウェットシャツ,その他の被服」について使用しても、商品の原材料、品質等を表示したものと認識されることはなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであり、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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