Trademark Appeal Case
称呼類似と略称の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90895(T2002−90895/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4606866号商標(以下「本件商標」という。)は、「BROOK’S」及び「ブルックス」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年3月28日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年9月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する「BROOKS BROTHERS」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年10月27日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年7月22日に設定登録された登録第1135474号商標(以下「引用商標1」という。)、「BROOKS BROTHERS」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年10月27日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年8月21日に設定登録された登録第1146367号商標(以下「引用商標2」という。)及び別掲に示すとおり「Brooks Brothers」の欧文字を筆記体で横書きしてなり、昭和61年7月31日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年8月31日に設定登録された登録第2159046号商標(以下「引用商標3」という。)(注:これらの引用各商標をまとめていうときには「引用商標」という。)と類似し、しかも、引用商標の指定商品は本件商標の指定商品と抵触するものである。
(2)商標法第4条第1項第8号について
「BROOKS」「ブルックス」は、申立人、ブルックス・ブラザーズ・インコーポレーテッドの著名な商号商標である「BROOKS BROTHERS」の略称であり、その著名性は、本件商標の登録出願前に確立していた。しかも、その指定商品は、申立人の取り扱う商品と同一又は近似する商品を含んでいる。
(3)商標法第4条第1項第10号について
申立人の商号商標「BROOKS BROTHERS」とその略称「BROOKS」「ブルックス」は、当業界で著名となっており、本件商標は、当該著名商標の略称(愛称)「ブルックス」と同一の称呼を有し、かつ、近似した商品の分野において使用されるものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の商号商標「BROOKS BROTHERS」及びその略称(愛称)「BROOKS」「ブルックス」の当業界及び人気ブランドとしての著名性に鑑みると、商標権者により本件商標がその指定商品に使用された場合には、その出所について誤認・混同を惹起する蓋然性が高い。
(5)以上の理由から、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記したとおりの構成よりなるから、その構成文字に相応し「ブルックス」の称呼を生ずることは明らかである。
他方、引用商標1及び引用商標2は、「BROOKS BROTHERS」、引用商標3は、別掲に示すとおり「Brooks Brothers」の文字を筆記体で横書きしてなるところ、これらの文字は、いずれも一連一体不可分のものとして認識されるというのが相当であって、殊更、これを分離して観察しなければならない特段の理由は見当らないものである。
また、それぞれの文字に相応して生ずる「ブルックスブラザーズ」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものである。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「ブルックスブラザーズ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
しかして、本件商標より生ずる「ブルックス」の称呼と引用商標より生ずる「ブルックスブラザーズ」の称呼とは、後半部において「ブラザーズ」の音の有無の差異を有するものであるから、互いに聴き誤るおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標は、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認められるから、観念においては比較できないものであり、外観においても判然と区別し得る差異を有するものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第8号について
申立人の提出に係る甲第6号証ないし甲第11号証等によれば、申立人は、その取り扱いに係る紳士服、シャツ、ネクタイなどの商品に「BROOKS BROTHERS」「ブルックスブラザーズ」の商標を使用し、我が国の雑誌等で広告掲載しているが、その中には、「ベルトもブルックスのものを薦めたい」、「Brooksの誇り高きゴールデン・フリース」、「ブルックスを着ると、やはりネクタイも」等といった「BROOKS」「ブルックス」の文字を使用しているものが散見されるとしても、当該使用は商標「BROOKS BROTHERS」、「ブルックスブラザーズ」を付した商品についての説明として使用されているものであり、この程度の使用をもって、申立人の名称の著名な略称であるとまでは認めることができないから、本件商標は、他人(申立人)の名称の著名な略称よりなるものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15について
さらに、申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第22号証によれば、申立人の使用に係る商標の構成は、「Brooks Brothers」の文字の筆記体での使用、「BROOKS BROTHERS」「ブルックス ブラザーズ」の文字の使用であって、これらが我が国において、本件商標の登録出願時に商品「紳士服、シャツ、ネクタイ」等に使用され、広く知られていたといえるとしても、「BROOKS」、「ブルックス」の文字のみが申立人の取り扱いに係る商品に使用されていた事実までは認めることができない。
しかして、「BROOKS」、「ブルックス」の文字が使用されている実情は、上記(2)のとおりであるから、かかる使用をもって、「BROOKS」、「ブルックス」が本件商標の登録出願時に申立人の取り扱いに係る商品「紳士服、シャツ、ネクタイ」等に使用され、周知著名であったということはできない。
そうとすれば、本件商標と申立人の使用に係る商標「Brooks Brothers」、「BROOKS BROTHERS」、「ブルックス ブラザーズ」、あるいは、筆記体の「Brooks Brothers」とは、前記したとおり、非類似の商標であり、取引者、需要者により別異の商標として認識、理解されるとみるのが相当である。
してみると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合に、申立人の使用に係る商標を連想、想起させるとはいえないから、本件商標は、申立人又はそれと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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