Trademark Appeal Case
著名商標の周知性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90286(T2003−90286/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4655930号商標(以下「本件商標」という。)は、「Diorama」の欧文字を標準文字とし、平成14年2月25日に登録出願され、第10類「医療用機械器具,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),しびん,病人用便器」を指定商品として、同15年3月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
本件商標は、フランス国のパルファム クリスチャン ディオール(以下「ディオール社」という。)が商品「香水」等に使用して本件商標出願前から世界的に著名な商標「DIORAMA」(以下「引用商標」という。)と類似するものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、恰もその商品がディオール社の取り扱いに係るものであるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるところ、商標において類似することは申立人の主張のとおりであるとしても、本件商標の指定商品である「医療用機械器具」をはじめとする各種商品と引用商標が使用されている商品「香水」とは、生産者、販売者、需要者、原材料、用途等、全ての点を異にする全く別異の商品と認められるものである。加えて、「diorama」の語は、「透視画、幻視画、西洋風のぞきからくり」等を意味する成語であり、我が国においても「ジオラマ」と称され知られている語である。
また、申立人提出の各証拠(甲各号証)によれば、引用商標がディオール社の業務に係る商品「香水」について一定の使用を認め得るとしても、それらは検索エンジン「Google」において検索キーを「christian dior diorma」する検索結果、同じく「Perfume bottles」を見出しとするホームページ情報のみであって、その宣伝・広告の具体的状況、すなわち、広告の時期(期間)、地域、手段、方法、費用等の状況を客観的に明らかにし得るものといい難く、当該商品の流通市場における評価、占有率などの事情も不明といわざるを得ないから、これら提出に係る証拠をもってしては、引用商標が本件商標の登録出願時において取引者・需要者間に広く認識されていたものとは俄に認め難い。そして、たとい、申立人が諸外国において引用商標に係る商標登録を保有する者であるとしても、その点をもって直ちに引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者間に広く認識され、著名性を獲得したものとする証左とするのは困難であって、引用商標の周知・著名性は依然として明らかでない。
そうすると、引用商標が使用されている商品との関係及び「Diorama」の語が親しまれた語義を表す成語であること、また、引用商標の当該商品に係る宣伝・広告等、その使用の具体的状況が不明であることの点を併せ考慮すれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとはいい得ず、その商品がディオール社又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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