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Trademark Appeal Case

iFAQとiPAQの称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90247(T2003−90247/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4642630号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4642630号商標(以下「本件商標」という。)は、「iFAQ」の文字を横書きしてなり、平成13年8月10日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年2月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、以下のア)ないしオ)の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と称呼及び外観において類似するものであり、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

ア)登録第1162897号の2

商標の構成:「アイパック」

指定商品:第11類「民生用電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」

登録出願日:昭和45年7月1日

設定登録日:昭和50年10月9日

イ)登録第1162898号の2

商標の構成:「IPAC」

指定商品:第11類「民生用電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」

登録出願日:昭和45年7月1日

設定登録日:昭和50年10月9日

ウ)登録第4445533号

商標の構成:「IPAQ」(標準文字)

指定商品:第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」

登録出願日:平成12年3月16日

設定登録日:平成13年1月12日

エ)登録第4460002号

商標の構成:別掲のとおり

指定商品:第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」

登録出願日:平成12年4月12日

設定登録日:平成13年3月16日

オ)登録第4460003号

商標の構成:「iPAQ

アイパック」

指定商品:第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」

登録出願日:平成12年4月12日

設定登録日:平成13年3月16日

(2)引用商標の周知性について

引用商標「iPAQ/アイパック」は、申立人の関連企業の一つであるコンパック コンピュータ コーポレーション(以下「コンパック社」という。)が世界市場においてポケットPC(パーソナルコンピュータ)について使用している著名商標である。

中でも、200年4月に米国を皮切りとして発売された「iPAQ/アイパック」は、世界で最初の本格的なポケットPCであり「世界最速のPDA(携帯情報端末)」としてギネスブックに掲載され話題となった製品であり、日本においてもテレビ・新聞・雑誌、インターネット等多くのメディアに取り上げられ紹介された。また、コンパック社は日本における「iPAQ/アイパック」の販売促進に力を注ぎ、多くの新聞・雑誌、インターネット等に掲載されたことから、「iPAQ/アイパック」製品は発売から短期間のうちに広く消費者に知られるようになった。

以上より、引用商標は、本件商標の出願時には米国及び日本を含めた世界各国において申立人の商品を表示するものとして著名になっていた。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られている引用商標と同一又は類似であり、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は申立人の商標として広く一般に知られており、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第7号について

申立人の著名な引用商標と同一・類似の本件商標を申立人と何ら関係のない他人が自己の商品について商標として採択使用することは、自らの営業努力によって得るべき業務上の信用の維持を図る商標法の目的に反し、該著名商標にフリーライドするものであり、また、該著名商標に化体した莫大な価値を希釈化させるものであって、公序良俗に反するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

(6)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び第7号に該当し、その登録は、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、その構成文字に相応して、「アイファク」又は「アイエフエーキュー」の称呼を生ずるものというべきである。

これに対し、引用商標は、その構成に照らし、いずれも「アイパック」の称呼を生ずるものである。引用商標のうち、上記エ)の登録第4460002号商標は冒頭の文字がやや図案化されているとしても、「i」の文字を書したものと容易に理解し認識されるから、全体として「アイパック」の称呼を生ずることに変わりはない。

しかして、本件商標から生ずる「アイファク」の称呼と引用商標から生ずる「アイパック」の称呼を比較すると、中間において「ファ」と「パッ」の音の差異を有しており、相違する「ファ」の音は柔らかく響く音であるのに対し、「パッ」の音は促音を伴い強く響く音であることから音質を異にし、これらの差異が全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感音調が相違し明瞭に区別できるものというのが相当である。また、本件商標から生ずる「アイエフエーキュー」の称呼と上記「アイパック」の称呼とは、「アイ」の音を共通にするのみで、他の構成音を悉く異にし、構成音数も異なることから、彼此相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標と引用商標を外観上から観察するも、それぞれを構成する字形の相違から、両者は判然と区別し得るものというべきである。

さらに、本件商標及び引用商標は、いずれも既成の観念を有する語を表したものともいえないから、観念上両者を比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

引用商標が申立人の商品について使用する商標として需要者間に広く認識されているものであるとしても、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標が申立人の商品について使用する商標として需要者間に広く認識されているものであり、かつ、申立人の商品と本件商標の指定商品中の「測定機械器具、配電用又は制御用の機械器具、回転変流機、調相機、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル」等とは、関連する又は隣接する技術分野であるとしても、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の別異のものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第7号について

本件商標が引用商標の「iPAQ」と小文字の「i」において共通し、それに続く「PAQ」の文字のうち「P」を「F」に置き換えた結果になるとしても、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の別異のものであるから、このことのみをもって、引用商標の著名性にフリーライドする意図があり、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとまではいえない。そして、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的、特定の国若しくは国民を侮辱する又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、また、指定商品について使用することが社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するものともいえないし、その使用が他の法律で禁止されているものでもない。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第7号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、同法第43条の2第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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