Trademark Appeal Case
著名商標の混同判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90647(T2000−90647/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4373012号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲Aに示すとおりの構成よりなり、平成10年9月17日に登録出願され、第26類「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留め,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,ボタン類,腕止め」を指定商品として、平成12年4月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第8号該当について
本件商標は、登録異議申立人アラミス インコーポレーテッド(ARAMIS INCORPORATED。以下「申立人」という。)の名称の著名な略称である「ARAMIS」を、その承諾を得ることなく含んでいるものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
本件商標の出願日前である平成10年8月末には、申立人の所有する別掲B−1に示す構成よりなる登録第831371号商標、別掲B−2に示す構成よりなる登録第1714807号商標及び別掲B−3に示す構成よりなる登録第1678696号商標)は日本国内において周知著名となっていたところ、本件商標は、かかる著名な申立人商標と類似し、本件商標がその指定商品につき使用された場合には、申立人商標が付された申立人の販売する商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
3 当審の判断
(1)当審において、商標権者に対して平成12年12月28日付けで本件商標登録の取消しの理由を通知したところ、商標権者は意見書を提出し、また証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
そして、前記意見書に記載されている意見の内容及び乙第1号証及び乙第3号証(枝番号を含む。)並びに商標登録原簿によれば、次の事実が認められる。
(ア)商標権者は、「アラミス」及び「ARAMIS」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和41年3月4日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として昭和42年8月12日に設定登録された登録第751119号商標の商標権者である。また、商標権者は、本件商標と同一の構成よりなり、昭和52年4月8日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として昭和56年10月30日に設定登録され、その後、指定商品が第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」、第25類「被服」に書換登録された登録第1485290号商標、及び本件商標と同一の構成よりなり、昭和53年12月28日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として昭和57年3月31日に設定登録され、その後、指定商品が第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」、第25類「被服」に書換登録された登録第1505837号商標の商標権者でもあること。
(イ)商標権者は、昭和59年3月30日に株式会社アラミスインターナショナルとの間で登録第751119号商標、登録第1485290号商標及び登録第1505837号商標(以下、併せて「商標権者許諾商標」という場合がある。)について商標使用許諾契約をした。この契約において、商標権者許諾商標を株式会社アラミスインターナショナルが第三者に再使用許諾することを認める旨規定されていること。
(ウ)株式会社アラミスインターナショナルは、複数の第三者との間で商標権者許諾商標の使用について契約をしたこと。
(エ)株式会社アラミスインターナショナル及び前記契約により株式会社アラミスインターナショナルから商標権者許諾商標の使用を許諾された複数の第三者は、本件商標と同一構成の商標を「セーター、カジュアルウェア、ネクタイ、ドレスシャツ、紳士服、メンズコート、ジャケット、インナーウェア、ナイティ、レディスプレタポルテ、レディスフォーマルウェア、紳士帽子、紳士用靴下、ハンカチ、タオル、寝装品」などについて使用をして、これらの商品を百貨店、専門店などにおいて販売し、また、相当の宣伝広告をした事実。
(オ)その結果、本件商標と同一構成の商標は、本件商標の登録出願及び登録査定の時に、我が国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実。
(2)申立人商標については、次の事実が認められる。
(ア)別掲B−2に示す構成よりなる登録第1714807号と同一の申立人の商標は、昭和39年(1964年)ころからアメリカ合衆国において男性用化粧品の商標として使われ始め、この商標又はこれと社会通念上同一といえる商標を使用した男性用化粧品は昭和45年(1970年)から我が国に輸入され販売されてきた事実。
(イ)その結果、申立人商標は、本件商標の登録出願及び登録査定の時に、我が国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実。
(3)そうしてみると、本件商標の登録出願及び登録査定の時点において、「セーター、カジュアルウェア、ネクタイ、ドレスシャツ、紳士服、メンズコート、ジャケット、インナーウェア、ナイティ、レディスプレタポルテ、レディスフォーマルウェア、紳士帽子、紳士用靴下、ハンカチ、タオル、寝装品」などに使用されている本件商標と同一構成の商標と男性用化粧品について使用されている申立人商標は、それぞれ我が国の取引者、需要者の間に広く知られていた実情にあったものであるから、異なるものにより使用されている商標である事実が取引者、需要者に認識されていたものというべきである。
なお、申立人提出の甲第15号証には、申立人商標を付した男性用化粧品の年度別売上高が記載されているところ、商標権者提出の乙第1号証の1(意見書、平成11年9月1日付け)中に記載の商標権者許諾商標を使用した商品の販売額(卸売価格)との比較をすると、平成3年(1991年)より後者の額が多くなり、平成10年には、前者が約12億円、後者が約43億6000万円となっている。
(4)本件商標の指定商品は、「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留め,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,ボタン類,腕止め」であるところ、これらの商品と本件商標と同一構成の商標を使用の商品「セーター、カジュアルウェア、ネクタイ、ドレスシャツ、紳士服、メンズコート、ジャケット、インナーウェア、ナイティ、レディスプレタポルテ、レディスフォーマルウェア、紳士帽子、紳士用靴下、ハンカチ、タオル、寝装品」とは、申立人商標を使用の商品「男性用化粧品」と同等か又はそれ以上に密接な関連がある商品といえる。
(5)そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、「セーター、カジュアルウェア、ネクタイ、ドレスシャツ、紳士服、メンズコート、ジャケット、インナーウェア、ナイティ、レディスプレタポルテ、レディスフォーマルウェア、紳士帽子、紳士用靴下、ハンカチ、タオル、寝装品」などに使用されて取引者、需要者の間に広く知られている本件商標と同一構成の商標を使用する者の取り扱いに係る商品として認識されるものと判断するのが相当であって、申立人の業務に係る商品であるかのごとく、その出所の混同を生ずるおそれのある商標と認めることはできない。
(6)そして、本件商標からは、男性用化粧品の販売者としての申立人が想起又は認識されることはないというべきであるから、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標と認めることはできない。
(7)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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