Trademark Appeal Case
「PREMIER」の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90609(T2001−90609/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件異議申立てに係る登録第号商標(以下「本件商標」という。)は、「PREMIER JOUR NINA RICCI」の欧文字を標準文字として、平成12年6月12日に登録出願、第3類「せっけん類,エッセンシャルオイル,その他の香料類,ヘアーローション,その他の化粧品」を指定役務として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件登録異議の申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、第15号に該当し、その登録を取消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出している。
(1)申立人が引用した登録商標
a)登録第1793225号商標(以下「引用商標1」という。)は、「プルミエ」の片仮名文字と「PREMIER」の欧文字とを二段に横書きしてなり、昭和54年11月27日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和60年7月29日に設定登録されたものであり、その後、平成7年12月25日に商標権存続期間の更新登録がされ、現在有効に該権利が存続しているものである
b)登録第2383647号商標は(以下「引用商標2」という。)、「PREMIER」と「PERFECT MAKE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成元年11月24日に登録出願、第4類「メ―クアツプ化粧品」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録されたものである。なお、引用商標2の商標権は、平成14年2月28日に存続期間満了により消滅し、その登録の抹消が同年11月6日にされている。
(2)申立ての理由
a)本件商標について
本件商標は、「PREMIER JOUR NINA RICCI」の欧文字を書してなるところ、これより生ずる「プルミエジュールニナリッチ」の称呼も冗長といえるものであること、その構成中「PREMIER」の文字部分は、商標の識別上最も重要な語頭にあって、「最初の、第1の」等の意味合いをもって看者の記憶に強く印象されること、また、本件商標の構成中、中間部分の「JOUR」の文字は、フランス語で「日中、昼」等の意味合いを有し、本件商標の指定商品に使用しても、単に日中用の化粧品であることを示す商品の品質、用途、使用時期等を表示するにすぎないこと、また、その構成中の「NINA RICCI」の文字は、本件商標権者の出所標識を表すものと認識される部分であることから、本件商標に接する取引者、需要者は、「NINA RICCI」の取り扱いに係る商品のうち「PREMIER」印の商品であると理解し、自他商品識別標識として顕著な部分は「PREMIER」の文字にあるものと認識し、該文字の部分を捉えて「プルミエ」、「最初の、第1の」と称呼、観念して取引にあたる場合も決して少なくない。
b)引用各商標について
引用商標1は、その構成から「プルミエ」、「最初の、第1の」の称呼、観念を生じる。また、引用商標2は、「PREMIER」の欧文字と「PERFECT MAKE」の欧文字を上下二段に離して表示されていることから、それぞれの文字部分のみから称呼、観念を生じうるものであり、その上段の欧文字「PREMIER」より、「プルミエ」、「最初の、第1の」の称呼、観念を生じる。
c)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1及び2とは、共に「プルミエ」、「最初の、第1の」の称呼、観念を生じる同一又は類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
d)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、「プルミエ」の商標を「化粧品」について、平成元年9月発売以来、現在まで約12年間継続使用しているものである。例えば、1990年度版資生堂商品カタログ(甲第12号証)、1991年度版資生堂商品カタログ(甲第13号証)、1994年度版資生堂商品カタログ(甲第14号証)、1997年度版資生堂商品カタログ(甲第15号証)、2000年度版資生堂商品カタログ(甲第16号証)中に「プルミエ」が掲載されている。
そして、この使用の結果、「プルミエ」のブランドの需要者は相当数に達し、さらに広く宣伝、広告した結果、「化粧品」の業界に於いて「プルミエ」といえば、申立人の業務に係る商品であることが取引者、需要者間で広く認識されている。
そして、下記売上表はその事実を示すもので、「プルミエ」のブランドを付した「化粧品」について、申立人(本社)に於ける純売上数量と純売上小売金額は、1992年度で11,911,257個、28,946,171,600円、1993年度で8,460,949個、22,939,898,300円、1994年度で2,916,566個、7,952,483,900円、1995年度で223,989個、529,592,100円、1996年度で117,074 個、387,647,150円、1997年度で652,524個、2,160,203 900円、1998年度で389,995個、1,241,186,650円、1999年度で48,815個、110,751 800円、2000年度で43,386個、95,772 500 円、2001年度で2,515個、5,030,000円であり、総売上数量は24,767,070個、総売上小売金額64,368,737,900円の実績を有するものである。
したがって、本件商標の指定商品が属する分野の需要者は、「プルミエ」、「最初の、第1の」の称呼、観念が生じる本件商標を、その指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがあることは明らかである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前項1で述べたとおり、「PREMIER JOUR NINA RICCI」の欧文字を標準文字で一連に表されているところ、その構成中の「NINA RICCI」の文字部分は、本件商標の使用に係る商品の出所を表すものといい得る部分であり、その前半部の「PREMIER JOUR」の文字部分についてみると、「PREMIER」の文字は、「プルミエ」と発音され「最初の、第一の」を意味し、「JOUR」の文字は、「ジュール」と発音され「一日、日中、短期間」等を意味する、いずれも仏語(「PREMIER」の文字は、同様の意味を持つ英語でもある。)であり、その二語の意味から、「最初の日、第一の日」程度の意味合いとなるものといえる。なお、「コンサイス仏和辞典」(第24版)によると、「・・au premier jour」は、「近々、すぐに」を意味する旨が記載されている。
そうしてみると、本件商標は、その構成から、「JOUR」の文字部分(語)を必ずしもその商品が日中用の化粧品であることを表す語として理解するとはいい難く、むしろ、出所を表す「NINA RICCI」の文字に「PREMIER JOUR」の文字を冠したものと把握し、「NINA RICCI」又は「NINA RICCI」の「PREMIER JOUR」の如く認識されるものとみるのが相当といえる。
してみれば、本件商標は、その構成全体の文字に相応して、「プルミエジュールニナリッチ」と一連に称呼されるほか、「NINA RICCI」の「PREMIER JOUR」であると把握され、それぞれの文字部分に相応して、「ニナリッチ」又は「プルミエジュール」と称呼される場合もあるとみることができる。
また、本件商標と引用商標1及び2の構成は、前項1及び2で述べたとおりであり、それぞれを全体として対比したときは、外観上相違し相紛らわしいものということはできない。
したがって、本件商標は、引用商標1及び2と外観、称呼又は観念において、いずれも相紛らわしい類似する商標とみることはできないので、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(2)次に、申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張しているので、その点について検討する。
申立人は、商標「プルミエ」及び「PREMIER」を「化粧品」について、平成元年9月発売以来、継続して現在まで使用しているとして、1990年、1991年、1994年、1997年、2000年の商品カタログを提出し、その「プルミエ」の1992年ないし2001年の純売上個数と純売上小売金額の実績を示しているが、確かに、申立人は、「プルミエ」及び「PREMIER」の商標を「化粧品」について相当に使用していたことを窺わせ得るところであるが、その売上個数、売上額が1992年度で11,911,257個、28,946,171,600円であったものが、本件商標出願年である2000年(平成12年)には約4,300個、その翌年では更に約2,500個となっていることからすると、申立人の「プルミエ」及び「PREMIER」商標は、本件商標の登録出願時ころには需要者間に広く認識されている程に周知であったものとは認め難い状況にあったことを窺わせるものであり、申立人の提出した甲号各証のみによっては、本件商標の登録出願時において周知であって、それが登録時まで継続していたものと認めることはできない。
そして、本件商標は、前記のとおり、特に、「プルミエ」又は「PREMIER」の部分に着目される構成態様とはいい難く、また「プルミエ」又は「PREMIER」が申立人の商標として周知性が持続していたものとはいい難いことからすると、本件商標をその指定商品について使用したとしても、取引者、需要者をして、申立人の「プルミエ」及び「PREMIER」商標を直ちに想起、連想し、その商品の出所について混同を生じるおそれがあるものとみることは相当でない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
以上のとおり、本件商標は、上記法条のいずれにも違反して登録されたものということはできないので、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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