Trademark Appeal Case
Wケアの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90016(T2003−90016/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4611054号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年4月25日に登録出願、「Wケア」の文字を横書きしてなり、第3類「パウダーつき脂肪取り紙,その他の脂肪取り紙,パウダーつき脂肪取りフィルム,その他の脂肪取りフィルム」を指定商品として、同14年10月11日に設定登録されたものである。
2 当審における取消理由の要点
当審において平成15年7月8日付で商標権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
登録異議申立人提出の甲各号証によれば、化粧品を取り扱う業界においては、商品が二つの効能(機能)を有することを示すために、例えば、「予防と美白のダブルケア」、「髪の内側と外側のダブルケア」、「マッサージングパック&ふきとりのダブルケア」のように、「ダブルケア」の文字が普通に使用されている事実が認められ、また、「Wケア」の文字も「ダブルケア」の文字の同義語として使用されている事実をも認め得るものである。
してみれば、本件商標をその指定商品中の「二つの効能(機能)を有する商品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は単に当該商品の品質、効能(機能)を表示したものと認識するに止まり、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、上記商品以外の商品について使用した場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものである。
3 商標権者の意見の要点
上記2の取消理由に対し、商標権者は、要旨次のように意見を述べている。
本件商標中の「W」の文字は、このローマ字一文字では具体的に何を指称しているのか不明であり、「英語アルファベットの第23字目」の意味しかなく、具体的に何を表すことか理解できない。そして、本件商標中の「ケア」の文字は、「心配、関心、注意、世話、看護、心配する、関心をもつ、世話をする、看病する」等の語義を有する英語「care」の発音を表示したものとみられるものである。
また、化粧品業界においては、「ケア」の文字が身体の一部又は全部を示す語と結合して、例えば、「スキンケア」「ネイルケア」「ヘアケア」「ボディケア」等の如く、商品の品質を表する語として使用されていることは否定するものではない。
しかしながら、「ケア」の文字が単独で又は上記のとおり具体的身体を表す語以外の造語(W)と結びつき、なおこれらの部分が商品の品質を具体的に表すものではない。
したがって、本件商標をその指定商品について使用しても自他商品の識別標識としての機能を充分に具有し、何ら商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものであるから、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号にも該当しないものである。
4 当審の判断
当審において商標権者に通知した上記2の取消理由に示すとおり、本件商標は、商品の品質、効能(機能)を表示するにすぎないものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
これに対し、商標権者は、上記3のとおり、本件商標中の「ケア」の文字が身体の一部又は全部を示す語と結合して商品の品質を表す語として化粧品業界において使用されていることを認めた上で、「W」の文字自体では何を指称するか不明であり、「W」と「ケア」の文字が結びついても商品の品質を具体的に表すものではない旨主張している。
しかしながら、化粧品業界のみならず各種商品の取引においては、簡易迅速を旨とすることから、商品が二つの機能、効能等を有することを表すために、「ダブル○○」と称し、「W○○」のように他の語と「W」の文字を結合して表示していることは顕著な事実である。そして、商標権者も認めるように、化粧品業界においては、「ケア」の文字が他の文字を結合して商品の品質を表すために使用されている事実がある。
かかる事実からすると、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標が上記意味合いを有する「W」及び「ケア」の文字を結合したものであって、二つの効能、機能を有するケア用の商品であること、すなわち、商品の品質、効能(機能)を表したものであると容易に理解し認識するというべきである。このことは、申立人の提出に係る甲各号証中の商品の説明において、「体の内と外からのWケア誕生」、「・・・Wケアの力を・・・」、「紫外線対策はダブルWケアでバッチリ!」、「クリアパワーとダブルホワイトコンセントレートのWケアです」、「ローション&クリームのWケアで弾力&ハリのあるバストに!」、「体の中から脂肪を燃焼させる働きと、引き締め成分を肌に補給するWケア」のように表示されていることからも首肯し得るものである。
したがって、商標権者の上記主張は採用することができない。
よって、本件商標は、上記2の取消理由により、その登録を取り消すべきものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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