Trademark Appeal Case
称呼類似性の語頭音判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91605号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4305589号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年5月15日に登録出願され、「ピアット」の文字を書してなり、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年8月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
昭和24年12月3日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同25年9月12日に設定登録された登録第391253号商標(以下、「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されている商標であるところ、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する。
また、申立人は、上記登録商標の外、いずれも「FIAT」の文字からなる商標を旧第3類(登録第1711040号)、旧第5類(登録第1940103号)、旧第6類(登録第2289060号)、旧第13類(登録第2220214号)、第9類(登録第3044613号)及び第11類(登録第3047417号)に所有しており、このような著名商標にただ乗りするような本件商標は、流通社会の秩序を侵害し、著名商標の出所表示機能を希釈化するものであるから、同第7号及び同第19号にも該当するものである。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標は、上記あるいは別掲に示すとおりの構成よりなるところ、本件商標から生ずる「ピアット」の称呼と引用商標から生ずる「フィアット」の称呼とは、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「ピ」と「フィ」の音の差異を有するものである。しかして、この両音は、母音を共通にするとしても、「ピ」の子音は破裂音であるのに対して、「フィ」の子音は無声摩擦音であり、音質を明らかに異にするものであり、しかも、「ピ」の音は、「フィ」の音に比較して強く響く音であるから、この差異が短い音構成の両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、十分区別し得るものと認められる。
また、両者は、外観及び観念においても類似しない商標である。
更に、引用商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「自動車」の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれからしても十分に区別し得る別異の商標であるから、本件商標を指定商品に使用する場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものであり、流通社会の秩序を侵害し、あるいは引用商標の出所表示機能を希釈化するものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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