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Trademark Appeal Case

デジタル・ミニシアターの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−8459(T2002−8459/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「デジタル・ミニシアター」の文字(標準文字)を書してなり、第38類及び第41類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年11月22日に登録出願、その後、指定役務については同14年3月6日付け及び当審における同14年7月29日付け手続補正書をもって、第9類「ダウンロード可能な音楽または映画」、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,通信ネットワークを利用した音声・画像・データの送信,通信衛星による通信」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏に関する情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,通信を用いて行う音楽または映画の提供」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『デジタル・ミニシアター』と書している。そして、現代用語の基礎知識(2001年)等では、『ミニシアター』を『座席数が少ない小さな映画館』と紹介している。そうとすると、本願商標は指定商品との関係では、全体として『音声・画像の精度が高い小さな映画館(ミニシアター)用のもの』程度を需要者は直感する。これを、例えば、指定役務中の『映画の上映』『映写フィルムの貸与』に使用しても、単に役務の質・場所を表示するに止まるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「デジタル・ミニシアター」の文字よりなるところ、構成中「デジタル」の文字は、「計数型の、数や量の表示を数字を用いて表す方式」の意味を有する語として一般によく知られているものであり、「デジタルカメラ」、「デジタル時計」、「デジタル放送」等の複合語を構成する語としても一般に親しまれているものである。

また、「ミニシアター」の文字は、「座席数が200前後の小さな映画館」を意味する語として知られているものである。

そして、映画業界においては、フィルムによって映画が作られ上映される時代から、映像データをデジタル信号化してビデオテープに収録・編集し、衛星経由や光ファイバー配信で映画館に送って上映する、というシステムが急速に現実化しつつある実情にあり(現代用語の基礎知識2003)、デジタル信号で記録する映画のことを「デジタル・シネマ(digital cinema)」と称している事実もある(朝日現代用語「知恵蔵」2003)。

さらに、これらデジタル信号で記録された映画を上映することができる映画館を「デジタル映画館」と指称していることは、下記の各種新聞情報等からも確認し得るものである。

(1)道内初!デジタル映画館、JRタワーシネコンに3月開業、フィルム必要なし、画質や音質劣化せず。JR札幌駅南口に三月開業する「JRタワー」内のシネマコンプレックス(複合映画施設)「札幌シネマフロンティア」に、フィルムを使わない道内初のデジタル映画館が開設される。音響も含め、国内でも有数の設備を持った映画館となる。デジタル上映は、従来の映画と違ってフィルムを運搬する必要がなく、データを衛星通信や地上回線などで配信。専用装置を使って映し出す仕組みで、画質や音質の劣化がほとんどないのが特徴。(2003.01.22 北海道新聞朝刊)

(2)デジタル映画館「T・ジョイパークプレイス大分」、来月27日オープン。九州発のデジタル映画館。大分市松岡の複合商業施設「パークプレイス大分」に4月27日、九州で初めてデジタル映像が楽しめるシネマコンプレックス「T・ジョイパークプレイス大分」がオープンする。運営するのは東映グループのサービス会社「ティ・ジョイ」(東京都中央区)。T・ジョイの目玉はフィルムを使わないデジタル映像だ。東京・品川にある送信サーバーから通信衛星を利用してT・ジョイの屋上にあるアンテナで受信。受けたデータを鮮明なデジタル映像に変換して館内に送る仕組み。これまで首都圏や大阪市、高崎市など8カ所で上映されており、九州上陸は初めてという。(2002.03.15 毎日新聞 地方版大分)

(3)フィルム使わず映画ができる/進むデジタル化/製作、配給、興行に革命。日本でも始まった映画のデジタル上映が注目を集めている。映画が誕生して百年以上の間、三十五ミリのフィルムを一秒間に二十四コマで上映する方式は基本的に変わっておらず、フィルムを使わない次世代のデジタル映画(Eシネマ)の出現は、トーキーの登場などと並ぶ革命と言っていい。配給面では大幅なコスト削減になるなど、製作から興行までが大きく変わる。東京・台場のシネマコンプレックス(複合型映画館)「シネマメディアージュ」は、夏休みロードショーからソニーが独自に開発した最新のデジタル上映システムによる映画上映が始まった。千葉県浦安市に七月八日に開業の「AMCイクスピアリ16」には常設のデジタル映画館ができた。(2000.07.26 神戸新聞)

以上の事実を総合勘案すると、デジタル映写装置を備えた映画館が日本全国において開設されていることから、本願商標よりは、全体として「デジタル映写装置を備えた小映画館」の意味合いが容易に把握、認識されるものといえる。

してみれば、本願商標を補正後の指定役務中、第41類「映画の興行の企画又は運営,映画の制作または配給,映画に関する情報の提供,映画の企画又は運営に関する情報の提供,通信を用いて行う映画の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、上記映画館用に提供される役務であること、すなわち、役務の質、用途等を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を発揮し得る商標とは認識し得ないと見るのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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