sokuhyo

Trademark Appeal Case

ビデオメールの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−14733(T2001−14733/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ビデオメール」の文字よりなり、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成12年2月29日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『ビデオメール』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、これよりは記録した動画や映像等を例えば圧縮データ化して電子メール通信等を利用して送信することができることを想起させるものであるから、これを本願の指定役務中例えば『移動体電話による通信,電子計算機端末による通信,電話による通信』に使用しても、単に取引者・需要者は上記の如き動画・映像等の通信サービスであると認識するに止まり、自他商品・役務の識別標識とは機能し得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標について

本願商標は、「ビデオメール」の文字を書してなるところ、その構成より「ビデオ」の文字部分は「映像」(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第2版」)を意味する英語「video」を表す語であり、また、「メール」の文字部分については、指定役務との関係においては「電子メールの略」(岩波書店発行「広辞苑第5版」)である「mail」を表すものというのが相当であって、いずれも日常的に使用されている語であるといえる。

2 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かに関して職権により証拠調べを行ったところ、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

(1)平成6年(1994年)10月27日付朝日新聞(東京版、33頁)朝刊には、「ビデオサーバー きれいな画像素早く(200X年のMEDIA:7)」の表題の下、「米国の大都市は五年でこんなサービスが利用できるようになると思う。あちこちから集めたビデオ画像と自分のメッセージをつなぎ合わせて、まとめて何通も送る『ビデオメール』も登場する。仕事の連絡用にも使われるだろう。新しいサービスは、電話網を利用しても実現できる。」との記載がある。

(2)同7年(1995年)4月25日付日刊工業新聞(1頁)には、「通産省、電子商取引とビデオメールの両パイロット事業を支援」の表題の下、「通産省は、九五年度予算の公共投資重点化枠として確保した地方自治体に対する先進的アプリケーション整備支援事業について『電子商取引』(EC)と『ビデオメール』の両パイロット事業を支援する方針を固めた。両プロジェクトとも世界最大のネットワークであるインターネットを活用する見通しで、ECは大阪を中心とした関西地区が、ビデオメールは大分県がそれぞれ対象自治体の有力候補として浮上している。」との記載がある。

(3)同7年(1995年)6月21日付毎日新聞(東京版、14頁)朝刊には、「[特集]マルチメディアの未来 シンポpart2/2 パネルディスカッション」の表題の下、「とりあえず無線で今後期待できるのはマルチメディアではなく、二、三のメディアが融合したサービス。たとえばビデオメール。ビデオ電話はリアルタイムなので伝送速度や質が要求されるが、ビデオメールならリアルタイムではないので速度は速くなくてもいい。」との記載がある。

(4)同9年(1997年)6月17日付日刊工業新聞(1頁)には、「飛べニューフロンティア(15)マップジャパン、低コストTV会議システムを開発」の表題の下、「文書だけでなく音声と画像も同時に送れるビデオメールのメリットは、電子メールの利便性をキーボード入力なしで実現できること。」との記載がある。

(5)同11年(1999年)9月17日付日刊工業新聞(18頁)には、「メカネットの新潮流・ロボット最前線/パーソナルロボ(3)NECが家庭用を開発」の表題の下、「『R100』が話す言葉は300語、認識する言葉は100語で自律移動のほか、感情、人物ごとの好感度、体力、眠さなどの内部状態を持つ。伝言は相手を確認して伝えたり、家電機器などのリモコン操作、ビデオメールの送受信、インターネットへのアクセスやブラウザ表示など、多様な機能を搭載している。」との記載がある。

(6)同11年(1999年)9月23日付朝日新聞(東京版、12頁)朝刊には、「ロボットたちは家庭を目指す」の表題の下、「『ビデオメール送って』。『○○ちゃん、オーケー』。ロボットに指示すると、自動録画された映像がパソコンに送信される。」との記載がある。

(7)同11年(1999年)11月18日付読売新聞(大阪版、5頁)夕刊には、「[生活型録]携帯ノートパソコン 遊び感覚、多様化 用途も幅広く」の表題の下、「テレビ電話のように利用したり、ビデオメールを送ったりできる。」との記載がある。

(8)同11年(1999年)12月3日付読売新聞(東京版、6頁)夕刊には、「[大手町博士のゼミナール]次世代携帯電話 海外でも使えるマルチ端末」の表題の下、「例えば、電子メールに画像を付けて送ったり、携帯電話にカメラ機能を組み込んでビデオメールを送ったり、まさにテレビ電話として使うことも可能でしょう。」との記載がある。

(9)同12年(2000年)2月17日付日刊工業新聞(7頁)には、「セガなど5社、DC専用ビデオカメラを共同開発」の表題の下、「開発では、KDDグループがソフトウエアのみのインターネット上でのビデオメールや...」との記載がある。

(10)同12年(2000年)6月30日付日刊工業新聞(13頁)には、「AVからネットへ―主要各社の戦略(6)三洋電機『ホームモバイルが切り口』」の表題の下、「携帯電話やPHSとの組み合わせで、ビデオメールの送信や、...」との記載がある。

(11)同12年(2000年)7月19日付日刊工業新聞(9頁)には、「セガ、ドリームキャスト対応のデジタルカメラ発売」の表題の下、「また、動画を送信する『ビデオメール』サービスでは、ドリームアイで撮影した最大25秒前の画像を送信できるのが特徴。」との記載がある。

(12)同12年(2000年)8月18日付日刊工業新聞(9頁)には、「『残暑見舞いはビデオメールで』ビデオカメラ各社がPR合戦」の表題の下、「ビデオカメラといえば、いまやデジタルが当たり前。その機能を生かした新しい使い方である『ビデオメール(Vメール)』が話題になっている。電子メールに添付して動画像データを送り、相手先のパソコンで再生するもの。ブロードバンド(高帯域伝送)を最も身近に感じられる事例でもある。」との記載がある。

(13)同10年(1998年)7月15日付日本経済新聞(17頁)朝刊には、「海外の家族とビデオメールをやり取りできます――。在日外国人向けに、テレビ電話を利用して故郷の家族とビデオ録画した動画と音声を送受信するサービスを始める。」との記載がある。

(14)同10年(1998年)4月8日付日本経済新聞(3頁)夕刊には、「ビデオメール可能に、ソニーとマイクロソフト提携で会見――応用ソフトはJava。」の表題の下、「デジタルビデオカメラで撮影した映像をテレビを通じてだれかに送るビデオメールなど可能になる」との記載がある。

3 前記1及び2の事情よりすれば、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、「電子メールを利用したビデオの送信」の意を容易に理解し、自他役務を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。

4 請求人の主張

請求人は、当審における証拠調べ通知に対し、14件の新聞記事では、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとはいえない旨主張し、さらに、他の登録例を引用して本願商標は登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標は、前記1及び2のとおり、指定役務との関係で容易にその質を表示したと理解されるばかりでなく、現実の使用例からしても、自他役務の識別力を有しないとみるべきであり、請求人のあげた登録例に前記認定が右左されるものではない。

5 むすび

上記1ないし4で述べたとおり、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、何人かの業務に係る役務であると認識することができないものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。