結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31470(T2002−31470/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4324726号商標(以下「本件商標」という。)は、「ここ一番」の文字を横書きしてなり、第29類「冬虫夏草とカルシウムとビタミンB1を主原料としてなる丸薬状の加工食品」を指定商品として、平成10年10月16日に登録出願、同11年10月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、これを取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、指定商品についての開発着手及び販売商品として平成10年10月初旬ころに成功した旨を述べているが、商標法において「使用」とは、法第2条第3項各号に掲げる行為をいうのであって、被請求人の上記「開発着手行為」や「販売商品完成行為」は、商標法上の「使用」には該当しない行為であることは明らかである。また、上記「開発着手の時期」や「販売商品完成の時期」についても、被請求人が提出した各証拠には、客観的に証明できる事実がどこにも開示されていない。
(2)被請求人は、栄養補助食品の容器、包装、箱、説明書、ちらしに本件商標をつけて、国内の取引者、需要者等に対して、平成10年10月ころより現在まで取引し、今日に至っている旨主張するので、各乙号証を検討すると、
ア.乙第1号証の1(説明書)及び2(ちらし)は、「株式会社高ボッチ」なる者の「説明書、ちらし」であって、商標権者ではなく、また、上記株式会社高ボッチは、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもないことは明らかである(甲第2号証)。
したがって、かかる「説明書、ちらし」は、本件商標の「使用」を証明する証拠能力を有していないものである。
加えて、乙第1号証の1及び2には、客観的に証明可能な頒布年月日に関する記載がどこにも開示されておらず、したがって、この乙第1号証の1及び2をして、本件商標が、本件審判の請求日から3年以内に指定商品について「使用」された事実を証明する証明力も有していない。
イ.乙第2号証(「内容物」現物)は、内容物が特定できない「薬包」らしきものが添付されているだけであり、また、この「薬包」にも本件商標「ここ一番」が付されているわけでもなく、さらには、客観的に販売できたことを証明できる年月日の表示も全く存しない。したがって、この乙第2号証も、本件商標が、本件審判の請求日から3年以内に指定商品について「使用」された事実を証明する証明力を有していない。
ウ.乙第3号証及び乙第4号証(包装箱及び包装ケース)について
これらの証拠には、包装袋やボトル状の容器の表面に「ここ一番」という標章をあしらった様が写し出されているが、これらの証拠からは、商品の製造者名又は販売者名が全く表示されていないばかりか、商品の販売時期を特定できる年月日に関する表示が全くないから、本件商標が、本件審判の請求日から3年以内に指定商品について「使用」された、という事実を証明することはできない。
(3)乙第5号証は、「冬虫夏草のα波に及ぼす影響」についての私書論文であって、本件商標が本件審判の請求日から3年以内に指定商品について「使用」されたという事実は証明することができない。
(4)以上のとおり、乙第1号証ないし乙第5号証には、本件商標が、商標権者、本審判請求日から3年以内に指定商品について「使用」された、という事実を証明する証拠が全く開示されておらず、したがって、本件商標は、商標法第50条の規定する要件に該当する商標であるから、その登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証の1及び2ないし乙第8号証(なお、乙第1号証の表示が2あるので、最初の乙第1号証(説明書)を「乙第1号証の1」とし、他の乙第1号証(ちらし)を「乙第1号証の2」とした。)を提出した。
1.使用の事実
(1)被請求人は、指定商品(栄養補助食品)について、平成8年ころより開発に着手し、販売商品として平成10年10月初旬ころに成功したものである。
(2)被請求人は、上記栄養補助食品の容器、包装、箱、「説明書、ちらし」に本件商標をつけて、国内の取引者、需要者等に対して、平成10年10月ころより、現在まで取引し、今日に至っている(乙第1号証の1及び2ないし乙第3号証)。
(3)被請求人は、上記栄養補助食品の効果を確認するため、春山茂雄医師に3ヶ月に及ぶ臨床実験を依頼し、その結果、本商品飲用後には脳波のα波が向上するという結果報告書を頂いた。この報告書は、PR用内部資料として取り扱っている(乙第5号証)。
(4)被請求人は、本件商標の商標権を、被請求人が代表取締役でもある「株式会社高ボッチ」に使用許諾している(乙第6号証:商標権使用許諾契約書コピー)
(5)株式会社高ボッチは、本件商標の指定商品(栄養補助食品)を「ここ一番」として製造、販売してきた。
日本国内で取り引きした事実の一部を乙第7号証(販売代理店:都市環境開発株式会社との取引書類)及び乙第8号証(販売代理店:(株)ニッポンファルコンとの取引書類)として提出する。
2.むすび
上記したように、本件商標は、日本国内において継続して3年以上、「冬虫夏草とカルシウムとビタミンB1を主原料としてなる丸薬状の加工食品」に使用している以上、商標法第50条の規定には該当しない。
1.乙第1号証の1及び2ないし乙第4号証及び乙第6号証ないし乙第8号証を総合すれば、本件商標の商標権の使用許諾を受けた「株式会社高ボッチ」は、人工培養した冬虫夏草を50%、カルシウム、ビタミンB1、セルローズを成分をする栄養補助食品(丸薬状の商品)について、本件商標である「ここ一番」を使用し、本件審判の請求の登録前3年以内である平成12年4月10日、同年11月12日、同13年2月6日、同年5月18日及び同年10月5日に「都市環境開発(株)」との間で取引をし、さらに、本件審判の請求の登録前3年以内である平成12年2月10日、同年9月10日、同13年1月12日及び同年4月20日に「(株)ニッポンファルコン」との間で取引をした事実が認められる。
2.前記1.の認定事実によれば、被請求人は、通常使用権者と認められる「株式会社高ボッチ」が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について本件商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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