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Trademark Appeal Case

ゲルマの識別力と誤認混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35434(T2002−35434/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標登録の無効の審判

1 本件商標

本件商標登録の無効の審判に係る、登録第4509924号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゲルマ」の片仮名文字と、「GERMA」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成12年10月25日に登録出願され、

第29類「有機ゲルマニウム・うこん・がじゅつ・ショ糖脂肪酸エステルを主成分とする粉状・粒状・顆粒状・液状・練状の加工食品」及び、

第32類「有機ゲルマニウム・ビタミンを添加した飲料水,清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、平成13年9月28日に設定登録されたものである。

2 本件商標登録の無効の審判

本件商標登録の無効の審判は、本件商標が商標法3条1項3号及び、同法4条1項16号に該当し、登録を受けることができないから、商標法46条により本件商標の登録を無効にすることを請求するものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

(1)本件審判の請求の利害関係について

請求人は、健康食品の製造販売を主たる業務としている法人で、登録第1697085号商標(甲第1号証)及び登録第2267548号商標(甲第2号証)の商標権者であり、同登録商標は、現に有効に存在しているものである。

そして、請求人は、その関連会社である株式会社サンオールと共に本件商標の出願前から長年にわたり、有機ゲルマニウムを含有する液状加工食品「サンゲルマ」(甲第3号証の1及び甲第3号証の2)を精力的に宣伝・広告活動を繰り返してその拡販に努めてきた。その結果、「サンゲルマ」は当該商品に感銘を覚えた需要者の口込みを通じて更に広がり日本全国に普及し、現在に至っては、商取引者、需要者の間に広く知られる様になり、商取引者、需要者の中では当該商品「サンゲルマ」を「ゲルマ」と指称するまでとなっている。

よって、本件商標がその指定商品に使用された場合、あたかも請求人らと何等かの関係を有するものに係る指定商品であるかのごとく、その商品の出所について混同され、請求人らの既得の利益を侵害すると共に信用を損ねる恐れが極めて大きいと云わざるを得ず、よって請求人は本件審判の請求について利害関係を有するものである。

(2)無効原因

本件商標は、「ゲルマ」の片仮名文字と「GERMA」の英文字とを上下二段に併記してなるが、その態様は特に一般の注意を引くような特別の書体や図案により技巧を加えたものではないから、「ゲルマ」及び「GERMA」の文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められる。

そして、「ゲルマ」及び「GERMA」の文字は、インターネットによる「ゲルマ」の検索結果一覧表(甲第6号証)から明らかな様に、「ゲルマニウム(GERMANIUM)」の略称として一般世人に広く知られていること明白である。

甲第6号証から明らかな様に、「ゲルマ」の文字は、「ゲルマニウム」の略語として一般に慣用されており、「ゲルマラジオ」、「ゲルマネックレス」、「ゲルママット」、「ホワイトゲルマウォーター」等の様に商品の原材料、品質を表す文字として普通に使用している事実がある。

よって、本件商標は「ゲルマニウム(Germanium)」の略称として一般に広く使用されている「ゲルマ」及び「GERMA」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中、「ゲルマニウムを材料とする商品」について使用するときは、単にその商品の品質、原材料を表示したものと認識させるに過ぎない。

したがって、本件商標は、商標法3条1項3号に該当し、ゲルマニウムを含む商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法4条1項16号に該当し、同法46条1項1号により無効とされるべきである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人は、請求人の提出した甲第6号証は本件商標の指定商品とは関連がなく、「加工食品」「清涼飲料,果実飲料」について「ゲルマ」「GERMA」が品質表示として用いられている例はなく、従って甲第6号証を根拠とする本件商標の登録が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当するという主張は何ら理由がない、と主張している。

しかしながら、商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当するか否かは、商標の構成が商品の品質、原材料等の特性を直感させるか否かが問題であって、現実にその商品について品質表示として用いられていることを要しない。

甲第6号証からは、一見して直ちに「ゲルマニウム(Germanium)」の略称と直感できる「ゲルマ」の語を有する商標が「ラジオ」、「健康器具」、「貼付剤」、「身装品」、「健康食品」のいろいろな分野の商品に付されていることが確認できる。

この様に、多岐にわたる商品分野で「ゲルマ」を「ゲルマニウム(Germanium)」の略称として使用していることから、「アルミ」が「アルミニウム」の略称として一般の人々が認識し使用しているのと同様に、「ゲルマ」が「ゲルマニウム(Germanium)」の略称と一般の人々に広く認識されているものといわざるを得ない。

従って、本件商標は、「ゲルマニウム(Germanium)」の略称として一般に広く使用されている「ゲルマ」及び「GERMA」の文字のみを普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中「ゲルマニウムを材料とする商品」について使用したときは、商標法3条1項3号に該当し、また上記商品以外の商品について使用するときは、あたかも「ゲルマニウムを材料とする商品」であるかの如き誤認を生じるおそれがあり、商標法4条1項16号に該当すること明らかである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べた。

(1)本件審判の請求の利害関係について

請求人は甲第1号証及び甲第2号証の登録商標を有し、その登録商標を使用して商品を販売しており、本件商標の登録が存在することにより、何ら利益を害されることがなく、本件商標の登録を無効とする利益がない。

請求人は前記登録商標「サンゲルマ」を「ゲルマ」と指称していると述べているが、何ら立証がなく、被請求人は、その主張は不知である。

(2)無効原因について

請求人は本件商標が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号の規定に該当する、と主張し甲第6号証を提出しているので、これにつき反論する。

請求人は多数の掲載番号を示しているが、それらのうち本件商標の指定商品と関連がある事項は殆ど見当たらない。

即ち、「ラジオ」に関する掲載番号は、

3,10,16,17,25,29,43,44,50,53,60,62,65,72,73,78,79,84,107,109,111,113,116,120,133,134。

「健康器具、貼付剤、身飾品等」に関する掲載番号は、

8,13,14,18,19,23,26,31,37,38,41,42,46,48,57,61,63,66,68,74,76,80,102,103,117,123,150。

具体的な商品が不明な掲載番号は、

28,47,64,75,86,87,96,100,108,137である。

このように、請求人の示した掲載番号のうち、指定商品と関連があると思われる番号は、24,32,33,140のみであるが、このうち24と140の「ホワイトゲルマウオーター」は、被請求人の商品の商標であり、商標登録第4362836号「ホワイトゲルマ」を使用しているものである。

そして、掲載番号32は、「アイゲルマ」という健康食品、同じく33の「ゲルマ百歳茶」は健康茶の商標であり共に出所表示として使用され機能しているもので「ゲルマ」が品質表示として使用されていない。

請求人の提出した甲第6号証は、「ゲルマ」という項目で多数の商品又は役務が検索されているが、前記したようにそれらは本件商標の指定商品とは関連がなく、「加工食品」「清涼飲料,果実飲料」について「ゲルマ」「GERMA」が品質表示として用いられている例はない。

従って、甲第6号証を根拠とする本件商標の登録が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当するという主張は何ら理由のないものである。

第4 当審の判断

(1)本件審判の請求の利害関係について

請求人が本件審判の請求をするについて当事者間に利害関係の争いがあるので検討する。

甲第1号証及び甲第2号証によれば、請求人は、その構成中に、本件商標に類似する「ゲルマ」の片仮名文字を有する登録商標を有しており、かつ、該登録商標は、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであることが認められるところである。

そうすると、請求人は、本件商標の商標権が存在することにより、自己の権利若しくは、それにより保護されるべき法律上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがあるということができるものである。

したがって、請求人は、本件審判を請求することについて法律上の利益を有するものである。

(2)商標法3条1項3号及び同法4条1項16号について

請求人の提出に係る甲第6号証(インターネットによる「ゲルマ」の語の検索結果一覧表)によれば、日常生活や商取引において、「ゲルマラジオ」(掲載番号3外)、「ゲルマネックレス」(掲載番号18)、「ゲルマソックス」(掲載番号48外)、「ゲルママット」(掲載番号117)等、「ゲルマ」の文字を含む語が使用されている事実は認められるとしても、これら事例において、「ゲルマ」の語が「ゲルマニウム」の略称あるいは同義語として使用されているものとまでは認めることはできない。

すなわち、「ゲルマラジオ」の語は、掲載番号29によれば「ゲルマニウムラジオ(略してゲルマラジオ)」とあるように、「ゲルマニウムダイオードを使用した鉱石ラジオ」の略称として使用されている。

「ゲルマネックレス」の語については、掲載番号18には「純銀にゲルマニウムを最大限含有させた」とあるのみで、これにより「ゲルマ」の語がゲルマニウムの略称であるとすることはできない。

「ゲルマソックス」については、掲載番号48によれば、「商品名:ゲルマソックス」とあり、この語は、商標として表示されているというべきものである。

「ゲルママット」の語については、掲載番号117によれば「2連ペンダントの形にゲルマニウム半導体をプリントしました。」とあり、「ゲルマニウム」を「ゲルマ」と称している事実は見当たらない。

また、掲載事例61に「報道発表」として「ゲルマ・ガリウム(Ge:Ga)」とあり、「Ge」の文字が化学元素の「ゲルマニウム」を意味するとしても、ここにおける「ゲルマ」の文字が「ゲルマニウム(Germanium)」の略語として使用されているのか俄には認定し得ない。

その他の、甲第6号証における掲載事例についても、そこにおける「ゲルマ」の語の使用が、「ゲルマニウム(Germanium)」の略語として使用されているとの事例と認めることはできない。

また、他に、本件商標の指定商品について「ゲルマ」の文字がその品質、原材料を表示するものとして普通に使用されているという事実は見出すことはできない。

してみれば、本件商標は、これがいずれの指定商品についても、その品質、原材料を表示するものとして取引者、需要者の間に認識されているとすることはできない。

そうとすれば、本件商標がその指定商品について使用された場合、その商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に違反して登録されたということはできないから、商標法46条1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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