結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35467(T2002−35467/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2402052商標(以下「本件商標」という。)は、「ミソピー」の文字を横書きしてなり、平成1年5月25日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録、その後、平成13年12月11日に商標権存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成14年2月20日に、第30類「菓子,パン」に指定商品の書換登録がされているものである。
請求人は、本件商標を無効にするとの審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。
請求人は、平成13年10月31日付で、特殊な図柄付で「みそピー」と表示した商標を出願した。ところが、その商標は、本件商標と類似するとの理由で拒絶査定となった。
しかしながら、本件商標は、以下の理由で商標法第4条第1項第16号に規定する「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当しており、同法第15条の規定に違反している。
よって、本件商標は、同法第46条の規定により、無効にされるべきである。
(1)本件商標「ミソピー」中の「ミソ」が味噌を意味していることは、その商標権者の名称からも明らかである。
また、請求人の製造販売している製品も味噌で味付けしたピーナッツであり、「みそピー」中の「みそ」は「味噌味付き」の「味噌」を意味している。
次に、「ミソピー」中の「ピー」は、「ピーナッツ」の略称である。すなわち、甲第5号証によると、「バタピー」は、「バターピーナッツ」と同じ意味であると記載してある。つまり、「バタピー」は「バターピーナッツ」の略称であり、したがって、「バタピー」中の「ピー」は「ピーナッツ」の略称であるということになる。
このような例は、例えば「柿ピー」でも明らかである(甲第6号証)。柿の種状のあげ菓子とピーナッツを混ぜてなる豆菓子が「柿ピー」という表示で発売されているが、この「柿ピー」中の「ピー」はピーナッツの略称であることは明らかである。
このように、バターや味噌などのような他の名詞の後に略して「ピー」と表示した場合は、「ピーナッツ」を短縮して、略した意味であることは社会的に常識である。
(2)「ピー」とは別の略称であるが、同様な例はたくさんあるので、一部を挙げる。例えば、「肉まん」や「あんまん」などは、それぞれ「肉入りのまんじゅう」や「あんこ入りのまんじゅう」を意味していることはいうまでもない。このように、他の名詞である「肉」や「あん」の後の略称「まん」は、「まんじゅう」を意味していることは常識である。
また、「カラーテレビ」は、カラー映像が見られる「カラーテレビジョン」の意味であり、「テレビ」は「テレビジョン」の略称である。さらに、例えば「かっぱえびせん」の「せん」は、海老味の「せんべい」の略称である。
以上の各例からも明らかなように、「前半の語十後半の略称」からなる語は、後半の略称の商品を前半の語で修飾して、後半の商品の品質や性質、原材料などを表示しているのが通常である。
(3)被請求人は、乙第1号証を挙げて、本件商標と同様な登録商標が多数存在しており、現在も有効に存続していると述べている。しかしながら、被請求人は、請求人の主張とは逆に「ピー」が語頭にある例ばかりを挙げて、略称ではない理由にしている。本件商標のように、「ピー」が語尾にきている例は一つもない。
本件商標「ミソピー」が、後半の略称「ピー」の商品(ピーナッツ)に関して、前半の語「味噌」で修飾して、後半の商品(ピーナッツ)の品質(みそ味)を表示しているのではない、と反論するのであれは、後半に「ピー」の表示のある登録例を挙げないと、反論とはいえない。
(4)特許庁商標課編集の「商標審査基準」の商標法第3条第1項第3号の「その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に関する解説として、「商品又は役務の普通名称には、原則として、その商品又は役務の略称、俗称等も含まれるものとする。」と明記されている。
この記載からも明らかなように、「ミソピー」中の「ピー」や「肉まん」中の「まん」、「あんまん」中の「まん」、「カラーテレビ」中の「テレビ」などの略称は、それぞれ「ピーナッツ」や「まんじゅう」、「テレビジョン」の普通名称であることは明らかである。
(5)以上のように、本件商標「ミソピー」中の「ミソ」は味噌を意味しており、「ピー」はピーナッツの略称であるから、本件商標は、「味噌味付きのピーナッツ」であることを意味している。つまり、ピーナッツ菓子に使用した場合は、味噌味が付いていることを示す品質表示に該当する。したがって、味噌味付のピーナッツ以外に使用した場合は、「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当し、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するので、登録を無効とすべきである。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出している。
(1)本件商標「ミソピー」は、商標権者の考案した造語である。
本件商標の外観構成は「ミソピー」とカタカナ4文字で同書、同大、等間隔に表されるから、その称呼も「ミソピー」と一気一連に称呼し得る。また、造語であるから特定の観念を直ちに需要者に想起せしめるものでもない。
したがって、その商品の品質等も需要者等に直ちに想起せしめるものではなく、本件商標を指定商品「菓子及びパン」に使用したとしても、需要者は「ミソピー」が味噌味付きのピーナツを意味するものと理解しない。
(2)よって、本件商標は、造語であり、その指定商品「菓子及びパン」について使用をするものであるから、需要者がその商品の品質の誤認を生ずることはなく、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(3)なお、「ピー」の文字とその他の文字とが結合した構成を有する造語の登録商標であって、本件商標と同一又は類似の指定商品について登録がされたものが多数存在する(乙第1号証)。これらの商標は、現在も有効に存続しており、商標としての機能を発揮している。
(4)需要者をして品質の誤認が生じるか否かの判断は客観的になされるべきであり、商標自体の構成によって判断すべきである。もし、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当するというためには、客観的な証拠を提出する必要があるが、請求人が証拠方法として提出した証拠には、本件商標「ミソピー」の文字が商標法第4条第1項第16号に該当して、指定商品との関係で需要者に品質の誤認を生ずることを立証する証拠はない。
(5)以上述べてきたように、本件商標は、本審判の請求の理由に該当するものではない。
本件商標は、前記のとおり「ミソピー」の文字よりなるものであって、各文字が同じ大きさ、同じ書体で一体的に表されていて、しかも、全体をもって称呼しても格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、その称呼の音数は長音を入れても4音と短い音構成のものであり、また、全体の文字数も3文字(第3文字に長音符号が付されている。)とごく短いものであるから、かかる構成においては、全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そして、本件商標の指定商品の取引者、需要者の間において、「ミソピー」の文字が全体として「味噌味付のピーナッツ」のような特定の意味を有するものとして理解し認識されているものとは認められず、請求人の提出に係る証拠にも、この点を認めるに足りる証拠はない。
請求人は、「バタピー」、「柿ピー」、「肉まん」、「あんまん」、「カラーテレビ」などの例を挙げ、「前半の語十後半の略称」からなる語は、後半の略称の商品を前半の語で修飾して、後半の商品の品質や性質、原材料などを表示しているのが通常である旨主張する。
しかしながら、本件商標は、構成全体をもって一体不可分のものと認識されるものであって、「前半の語十後半の略称」からなると認識されるものでないこと上述のとおりである。請求人の挙示する例は、そのように略称することが一般的となっていて、その略称をもっても一般に通用するに至っているものというべきであるから、本件商標をこれらと同列に論じ得ないことは明らかである。
してみれば、本件商標は、その登録査定の時に、あるいはそれ以降現在に至るも、指定商品のいずれの商品に使用しても、これに接した取引者、需要者がこれより「味噌味付のピーナッツ」など特定の意味を認識するものとは判断し得ないから、本件商標は、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではなく、かつ、現在に至るも同規定に該当するものとなっているものではないから、同法第46条の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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