結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30636(T2002−30636/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4007399号商標(以下「本件商標」という。)は、「KNOX」の欧文字を横書きしてなり、第14類「貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,時計」を指定商品として、平成7年9月5日登録出願、同9年6月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中の『時計』についての登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1ないし2を提出した。
1.本件商標は、その指定商品中「時計」について、本件審判の請求の登録前3年間継続して商標権者又はその使用権者のいずれによっても使用されていない。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証(店舗、時計等の写真)は、誰がいつ作成したものか定かでなく、また、被請求人の直営店で「KNOX」の表示された時計の販売されている事実はないから、信憑性のないものであり、証拠としての価値を有しない。この点については被請求人は積極的に争っていない。
(2)被請求人は、乙第2号証(倉庫在庫表)の中段に記載されている「304」シリーズの商品は「KNOX」の表示された時計であるとして、これを既定の事実であるかのように、その後の主張を展開している。
しかし、「304」シリーズとされている商品が「KNOX」の表示された時計であることは、全く証明されていない。
ちなみに、乙第1号証に添付された商品の写真が掲載されたカード(以下「商品カード」という。)15枚は、バッグ等が8枚、バース等が3枚、文具ケース等が3枚、ベンホルダー等が1枚であって、「KNOX」の表示された時計は見出せない。そして、これら商品カードに示された商品は、被請求人が販売している商品を示すものであると考えられるから、これら商品カード中に時計がないということは、「KNOX」の表示された時計は存在しないということを示すものである。したがって、被請求人が本件審判請求の登録の当時、「KNOX」の表示された時計を在庫していたという事実は証明されていないことになる。
よって、被請求人が本件審判請求の登録の当時、「KNOX」の表示された時計を在庫していたという主張は、否認される。
(3)被請求人は、乙第4号証(物品受領証)をもって、株式会社新横浜文房具センター(以下「新横浜文房具センター」という。)は、株式会社ノックスから、製品品番「304−001BLメンズ時計」及び「304−001SLメンズ時計」が納品されたものであり、この時計の納品は乙第3号証に示す「カンガルー便」によって行われたものであると主張する。
しかしながら、乙第4号証に示されている時計の個数は、製品品番「304−001BLメンズ時計」及び「304−001SLメンズ時計」がそれぞれ1個、計2個である。
これに対し、乙第3号証(発荷主様控え)に示す「カンガルー便」で新横浜文房具センター宛てに送付された物品の重量は10kgとなっている。時計2個の重量が10kgにもなるのであろうか。
乙第3号証に示す「カンガルー便」で送付された物品は時計ではなく、他の物品であることを疑わせるに十分である。
したがって、仮に、新横浜文房具センターが株式会社ノックスから、前記製品品番の時計2個を受け取ったとしても、それらが乙第3号証に示す「カンガルー便」によって送付されたものであるという被請求人の主張は信ずることができないし、乙第4号証も否認される。
(4)乙第5号証(時計の写真)は、誰がいつどこで何のために撮影したものか証明されていない。したがって、何らの証拠価値のないものであり、否認される。
(5)乙第6号証(新横浜ペペ文房具センターの発行した証明書)は、新横浜ペペ文房具センターと新横浜文房具センターとの関係について証明されていないばかりでなく、証明文言は「KNOXの商標が付された時計304−001メンズ時計BL SL」であるが、写真に示されるバーコードの部分に示される品番は「304−001 26SL」であり、一致していない。
さらに、この証明書には、販売したという「KNOXの商標が付された時計304一001メンズ時計BL SL」がどこから、いつ、何個仕入れたものであり、それらをいつ販売したのかを明らかにしていない。販売したのが、証明書の文言のとおり「平成14年3月頃」であるならば、販売の記録もあるはずであり、このように暖味な表現はとる必要がない。
したがって、乙第6号証は、信憑性がなく、証拠価値のないものである。
3.以上のとおり、被請求人は本件商標の取消審判請求の登録の日前3年間における使用を証明できなかったのであるから、本件商標の指定商品中の「時計」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1.使用の事実
(1)本件請求に係る時計は、平成10年秋より神宮前店で販売を開始し、現在に至っている。当社は、平成10年11月に社名を変更し、その後、平成12年から同13年のファミリーセールやクリスマスセールなどで大幅に時計の在庫を減らしてきた。現在では、旧上代20,000円から新上代9,800円に変更し、神南1−12−15の直営店KNOX(ノックス)でKNOXオリジナル時計を継続して販売している(乙第1号証及び乙第2号証)。
(2)乙第2号証は、確かに99年(平成11年)3月の倉庫在庫表であり、同日時が審判請求登録日(平成14年6月26日)前3年の若干前であることは、被請求人もこれを認めるところである。
しかるに、同証拠中段に示された「304」シリーズには、右端に表されている如く、在庫が存していたものであり、これは、その後も継続して販売されていたところである。
(3)乙第3号証は、カンガルーミニ便の発送伝票の控えの写本であり、これには、被請求人の取締役が殆ど共通する実質的親会社の「株式会社ミドリ」流山工場内に在する、被請求人のノックス商品センターから新横浜文房具センター宛、商品が発送されたことを示している。
(4)乙第4号証は、この商品発送に伴う新横浜文房具センターの「物品受領書」であり、ここに、製品品番「304−001BLメンズ時計」及び「304−001SLメンズ時計」が表示されている。
これは、乙第2号証中段「304」シリーズの最上段に示す「304−01メンズ時計BL、SL」に該当する商品であり、乙第1号証及び乙第5号証に示す商品である。
(5)乙第6号証は、これらの事実に関する新横浜ペペ文房具センターからの証明書であり、平成14年3月当時において、「KNOX」の商標を文字盤に表示した時計が販売されており、この「KNOX」は、本件商標と社会通念上同一の態様で、かつ、本件審判請求の登録の日3年以内のものであることが確認できるところである。
なお、被請求人は、乙第7号証に示すとおり、平成15年3月17日に本店を移転している。
1.乙第1号証ないし乙第6号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証には、看板に「KNOX」と表示されたKNOXショップ渋谷神南店の店舗写真、店内の商品陳列写真、時計の文字盤及びバンドに「KNOX/Watch」と表示された時計並びに「KNOX/Watch」と表示された時計用包装箱の写真が示されている。なお、乙第1号証には、商品カード15枚が添付されているところ、そのうちの13枚が鞄・ケース類であり、1枚が手帳で他の1枚がペン類である。
(2)乙第2号証は、「99年4月5日作成」に係る「倉庫別在庫表〈99年3月度〉」と認められるところ、「品名」欄には、「304−01」ないし「304−04」のメンズ時計4種類、「304−11」ないし「304−14」のレディー時計4種類が記載され、「色」欄に相当する箇所には、メンズ時計4種類のそれぞれに、順に「BL SL」、「BL GD」、「WH SL」及び「WH GD」の記号が記載され、また、レディー時計4種類のそれぞれに、順に「BLSL」、「BLGD」、「WHSL」及び「WHGD」の記号が記載されている。さらに、それぞれの在庫数は、110前後であり、出荷数は、いずれも0である。
(3)乙第3号証は、西濃運輸が発行した、受付日を「02年02月27日」とする「発荷主様控え」であるところ、千葉県流山市木25所在の「(株)ミドリ 流山工場内 ノックス商品センター」から横浜市港北区新横浜3−4所在の「(株)新横浜文房具センター」への送付記号「←」が記載され、「個数 1個」、「重量10kg」等の記載がある。
(4)乙第4号証は、「02年02月27日」に「株式会社ノックス」が作成した横浜市港北区新横浜3−4所在の「(株)新横浜文房具センター」宛の「物品受領書」であるところ、「JANコード/商品コード」、「製品品番/品名」及び「数量」の各欄には、「1」として「4945846032913/30400103」、「304−001BL/メンズ時計」、「1個」の記載が、また、「2」として「4945846032920/30400126」、「304−001SL/メンズ時計」、「1個」の記載がある。そして、該「物品受領書」の右肩には、「受領/02.3.01/新横浜ペペ文房具センター」の文字がある丸版が押されている。
(5)乙第5号証は、包装箱に収納された状態の時計の写真であるところ、該時計は、時計側が銀色で、時計バンドが黒色である。包装箱の表には、「KNOX/watch」の文字が表示され、包装箱の底には、「304−001/26SL」等の文字が記載されている。
(6)乙第6号証は、平成15年5月14日付けで神奈川県横浜市港北区新横浜3−4 新横浜プリンスペペ4F所在の「新横浜ペペ文房具センター」が証明した証明書であるところ、その内容とするところは、新横浜ペペ文房具センターは、平成14年3月当時、(株)ノックスから同証明書に写真として示した、KNOXの商標が付された時計「304−001メンズ時計BL SL」を仕入れて販売した、というものである。なお、写真の時計には、その文字盤に「KNOX/watch」の文字が表示され、包装箱の底に「KONX」、「304−001/26SL」及び「4945846032920」の文字が記載されている。
2.前記1.で認定した事実によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以前である1999年(平成13年)3月度の時点で、例えば、品番「304−01」のメンズ時計(色;BL SL)の在庫を112個有しており、出荷数は0であったが、2002年(平成12年)2月27日に、品番「304−001BL/メンズ時計」及び「304−001SL/メンズ時計」の計2個を横浜市港北区新横浜3−4所在の新横浜文房具センターへ販売するために発送し、2002年3月1日に同所に所在の新横浜ペペ文房具センターが受領した。発送した時計のうち、「304−001SL/メンズ時計」の商品コードは「4945846032920」であることが認められ、乙第6号証(証明書)に示された時計の商品コードも「4945846032920」であることが認められる。そして、商品コード「4945846032920」が付された時計には、その文字盤及び包装箱に「KNOX」が表示されていることが認められる。
そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、販売の目的をもって本件商標を請求に係る「時計」について使用したと推認し得るところである。
3.請求人の主張
(1)請求人は、倉庫在庫表に記載されている「304」シリーズの時計に「KNOX」が表示されていることが証明されていないから、被請求人が本件審判請求の登録の当時、「KNOX」が表示された時計を在庫していたとの主張は否認される旨主張する。
しかし、乙第4号証ないし乙第6号証からは、商品コードが一致する「304」シリーズの商品と認められる時計が本件審判の請求の登録前3年以内に取引に資され、該時計には、本件商標と同一の構成態様からなる「KNOX」が表示されていた事実が認められるのであるから、乙第2号証(倉庫在庫表)に記載された「304」シリーズの時計に「KNOX」が表示されていないとしても、在庫商品にも「KNOX」が表示されていたと容易に推認し得るところである。
(2)請求人は、乙第4号証(物品受領書)に記載されている時計の個数は、2個であるのに、乙第3号証(発荷主様控え)の荷物の重量は10kgとなっており、乙第3号証で送付された荷物は時計ではなく、他の物品であることを疑わせるに十分であるから、仮に、新横浜文房具センターが株式会社ノックスから、前記製品品番の時計2個を受け取ったとしても、それらが「カンガルー便」によって送付されたものであるという被請求人の主張は信憑性がなく、乙第4号証も否認される旨主張する。
確かに、乙第3号証の発送時に時計2個のみであったとすれば、「重量 10kg」であるとするのは、大いに疑問があるところであるが、乙第3号証を見る限りにおいては、発送荷物が時計2個のみであったと認めることはできないばかりでなく、前記(1)で述べたように、乙第4号証ないし乙第6号証によれば、商品コードが一致する「304」シリーズの商品と認められる時計に「KNOX」商標が表示され、これが本件審判の請求の登録前3年以内に取引に資されたとみることができ、この取引が虚偽であったと認めるに足りる証拠は見当たらない。
(3)請求人は、乙第6号証(証明書)の証明者である新横浜ペペ文房具センターと新横浜文房具センターとの関係が証明されていないばかりでなく、証明文言中の「304−001メンズ時計BL SL」は、写真に表示された「304−001 26SL」とは一致していない旨主張し、さらに、この証明書には、販売したという「304一001メンズ時計BL SL」がどこから、いつ、何個仕入れ、いつ販売したのかを明らかにしていない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、乙第4号証によれば、新横浜文房具センター宛てに送られた時計の受領印は、新横浜ペペ文房具センターが押しているのであり、両者が同じ住所であるところからすれば、同一会社か、若しくは関連会社と容易に推認し得るところである。また、「304−001メンズ時計BL SL」中の「BL SL」、あるいは「304−001 26SL」中の「26SL」の表示は、「304」シリーズ商品の色彩、種別等を示すものと推認され、該記載に多少の齟齬があったとしても、「304」シリーズ商品若しくは商品コード「4945846032920」の商品それ自体の同一性が左右されるものではない。
そして、新横浜ペペ文房具センターは、「304」シリーズの時計を2002年3月1日に被請求人より受領したことが乙第4号証より認められるところであり、新横浜ペペ文房具センターが該「304」シリーズの時計をいつ販売したか等については、本件と直接関係を有しない事柄である。
(4)したがって、上記(1)ないし(3)に関する請求人の主張は、いずれも理由がない。また、その他請求人の主張は、前記認定を覆すに十分なものとは認められない。
4.以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品「時計」について使用していたものと推認できるから、本件商標は、その指定商品中「時計」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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