結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30799(T2001−30799/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2515267号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示のとおりの構成よりなり、平成1年11月1日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、同5年3月31日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『電気通信機械器具,電子応用機械器具』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁として、要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、被請求人が、過去3年間日本国内において本件商標をその指定商品である「電気通信機械器具,電子応用機械器具」について使用をしている事実は見あたらない。また、本件商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具」については、専用使用権者あるいは通常使用権者のいずれの登録もされていない。したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
請求人は、本件商標を本件審判請求前3年以内に使用していることを立証するものとして、答弁書において、種々の書証、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
しかしながら、被請求人は、取消しに係る指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について本件商標の使用をしていることを何ら証明していない。すなわち、乙第2号証ないし乙第3号証として提出している「貫通型端子盤」は、「電気機械器具」中の「配電用又は制御用の機械器具」の概念に属するものであって、取消しに係る「電気通信機械器具、電子応用機械器具」とは非類似の商品である。
被請求人は、電気通信機械用の接続器としての端子盤・コネクターは「電気通信機械器具」中の「電気通信機械器具の部品および附属品」に含まれる商品である旨主張するが、提出された使用証拠によっては、「貫通型端子盤」が電気通信機械用の特殊な接続器であることが何ら証明されていない。
また、被請求人は電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である旨主張するが、提出された使用証拠によっては、「貫通型端子盤」が、被請求人が「電子応用機械器具」に属すると主張する「電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)」であることについて何ら証明されていない。
尚、被請求人は、乙第1号証における「主要納入先」の中に「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が含まれることをもって、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなる旨述べている。しかしながら、これは単に、同商品が多様な用途に使用できる汎用性を有するものであることを示唆するに止まり、そうとすれば、同商品は、本質的に「配電又は制御」の機能を有するものであって、電気機械器具中の「配電用または制御用機械器具」に属するものであるといわざるをえない。
被請求人は、部品についての本件商標の使用をもって、取消しに係る指定商品に関する使用である旨述べているが、提出された証拠をもってしては、組み込まれた部品が製品全体と一体として識別されるべき特段の理由は存しないといわざるをえないので、本件商標が取消しに係る指定商品について使用をしているとは到底認められない。
更には、乙第4号証として提出している「CD−ROM」についても、同商品は所謂コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体とは認められず「電子応用機械器具」に属するものとはいえない。むしろ、同商品は「端子盤」に関する情報(画像、音声、文字情報等)を記憶させた記録媒体として、取消しに係る「電子応用機械器具」とは非類似の「印刷物」(26AOI)等の概念に属するものであるというべきである。尚、本件商標を付した「CD−ROM」がいつ、実際の商取引の場面において流通し当該商品の出所を識別する機能を果たしたかについて何ら具体的な証明が行われていないから、本件商標の使用証拠として採用され得ないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
被請求人は本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について本件商標を使用していることは、乙第1号証ないし乙第7号証に示す通りである。
すなわち、乙第1号証は被請求人の平成13年度版会社案内の写しである。これによれば、被請求人は中継器・接続器としての端子盤やコネクターなどの商品を取り扱う専業メーカーである。乙第2号証−1は2001年5月21日に被請求人が「株式会社キマ夕」宛てに納品した商品「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)であり、乙第2号証−2は2001年6月4日に被請求人が「株式会社キマ夕」宛てに納品した商品 「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)である。乙第3号証は被請求人の取扱に係る商品のカタログの抜粋であり、該カタログには「2331形式の貫通型端子盤」が掲載されている。
一方、本件審判の取消対象たる「電気通信機械器具」とは、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている通信機械器具をいい、「電子応用機械器具」とは、電子の作用を応用したことをその機能の本質的な要素としている機械器具であって、通信機械器具以外のものをいうと解する。
電気通信機械用の接続器としての端子盤・コネクターは「電気通信機械器具」中の「電気通信機械器具の部品および附属品」に含まれる商品であり、電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である。蓋し、「接続器」は、その用途などにより配電用又は制御用のものが「電気機械器具」に属し、電気通信機械用のものが「電気通信機械器具」に属し、直接的に電子の作用を応用したものでなくても、全体として電子の作用を応用した機械器具であれば「電子応用機械器具」に属すると認められるからである。
しかして、被請求人の取り扱いに係る端子盤・コネクターなどは将に「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具」に該当するものである。乙第1号証における「主要納入先」として掲出した中には、「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が共に含まれているので、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなるからである。
また、被請求人は乙第4号証に示すような「CD−ROM」を需要者.取引者向けに、「端子盤」に関する情報を記憶させた記録媒体(商品)「電子計算機(中央処理装置及びその周辺機器−電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープを含む。)」として、譲渡又は貸し渡ししている。この「CD−ROM」は商品「端子盤」のカタログとして機能すると共に、注文する際に商品 「端子盤」を選択・特定するために使用されるもので、需要者・取引者が被請求人のホームページにアクセスし、当該「CD−ROM」に記録された指示通りにコンピュータ操作をすることにより、被請求人に対して確実に商品「端子盤」の注文ができるようになっている。
しかして、当該「CD−ROM」は単なる所謂ノベルティ商品ではなく、「電子応用機械器具」中の「電子計算機」に含まれるれっきとした商品である。
ところで、本件商標は欧文字のみからなる文字商標であるから、被請求人による使用商標(乙第1号証・乙第3号証・乙第4号証)は本件商標とは略同一と認められる商標であり、少なくとも間違いなく社会通念上同一と認められる商標である。
商標「Fujicon」を付して販売されている被請求人の製造に係る商品「端子盤、コネクター」等の中継部品が、情報通信用、情報通信機器用のものでもあることは乙第1号証に示されている通りである。
乙第1号証の「システム構築に−機能と機能を」のページの文章、第3行目以降には、「近年、電子機器・装置は小型化、高機能化がはかられるとともに、・・・。こうしたなか中継部品に寄せられるご要望も年々高度に多様になっています。・・、お客様のご要望に応じた最適な商品開発を進めています。」との記載があり、「確かな技術で結びます Fujicon」のページには、「中継型端子盤、貫通型端子盤」の写真入りで、この写真に表されている「中継型端子盤、貫通型端子盤」が「主に電源機器用及び情報通信用」と明示され、「豊富な経験と実績で信頼と安心」のページの「豊富な品揃え」の欄には、「フジコンの中継部品は制御機器をはじめ・・・、そして最近伸長の著しい情報通信機器、・・・などエレクトロニクス技術が応用されるすべての分野で使われています。」との記載がある。
乙第1号証におけるこれらの記載、表示に明らかなように、本件商標「Fujicon」を付して販売されている被請求人の製造に係る商品「端子盤、コネクター」等の中継部品は、情報通信用、情報通信機器にも用いられるものである。
乙第5号証は、2001年7月12日に被請求人が「株式会社ナカヨ通信機」宛てに納品した商品「中継型端子盤」、「貫通型端子盤」の納品書の写しである。
乙第6号証は、被請求人の取扱いに係る商品のカタログであって、2001年10月に発行されたものである。651ページに渡る大部なものであるため、発行は2001年10月になったが、乙第5号証に記載されている商品が掲載されているものであり、乙第5号証に記載されている商品が本件商標「Fujicon」の下に取引されていたことを証明するものである。
乙第7号証は、「株式会社ナカヨ通信機」のホームページを印刷したものであり、株式会社ナカヨ通信機が、電気通信機器の製造・販売を事業内容としている会社であることを証明するものである。
平成13年9月28日付で提出した「審判事件答弁書」及び乙第1号証〜乙第4号証により、被請求人が、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、指定商品「電子通信機械器具、電子応用機械器具」について本件商標を使用していることを主張し、立証したところであるが、乙第5号証〜乙第7号証により、本件商の指定商品「電子通信機械器具」についてこの使用事実は一層明白になった。
すなわち、前記で指摘した乙第1号証における記載、表示と、乙第5号証、乙第6号証、乙第7号証によれば、被請求人が製造し、本件商標「Fujicon」の下に販売している商品「端子盤・コネクター」は、「電気通信機械器具の部品および付属品」に該当するものであることは明らかである。
そして、「電気通信機械器具の部品および付属品」は、第11類の指定商品「電気通信機械器具」に含まれる商品である。
従って、平成13年9月28日付で被請求人が提出した「審判事件答弁書」及び乙第1号証〜乙第4号証による主張、立証に対する「被請求人は、取消しに係る指定商品『電気通信機械器具、電子応用機械器具』について本件商標の使用をしていることを何ら証明していない。」との平成14年1月16日付弁駁書での請求人の主張は妥当性を欠くものである。
上記の通り、本件商標は被請求人により指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具」について本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において正当に使用されていた事実が明らかであるから、本件商標は商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。
被請求人の提出に係る各号証によれば、被請求人が、本件商標と社会通念上同一の商標を「端子盤」等の中継部品に使用していることが認められる。
そして、該商品は、商品区分の「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品とみることができるとしても、被請求人の使用・取引に係るこれらの商品は、たとい、「電気通信機械器具」に属する商品としては、積極的な表示がないとしても、情報通信機器の部品としても使用・取引されているものと認め得るものであって、「電気通信機械器具の部品及び附属品」に属するものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により取消請求に係る指定商品について使用されていたものと認め得るものであるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件取消請求に係る指定商品についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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