結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30033(T2003−30033/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2713675号商標(以下「本件商標」という。)は、「SPECTRA」の欧文字を書してなり、平成1年11月20日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成8年4月30日に商標権の設定登録がされたものである。
本件審判請求の登録は、平成15年2月5日にされた。
請求人は、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1) 乙第1号証について
乙第1号証に係る商標使用許諾契約書(写し)の第3条には使用許諾期間の延長に関する規定が存するが、被請求人の提出している書類及び物件からは、乙第1号証に係る使用許諾期間の延長がなされた事実は一切示されていない。よって、仮に同使用許諾契約書の写しが真正なものであるとしても、被請求人の提出する書類及び物件からは、カノープス株式会社(以下「カノープス社」という。)が本件商標の通常使用権を許諾されていた期間は、2002年4月30日までであることが証明されているにすぎない。
また、上記通常使用権についての設定は、本件商標に係る商標原簿には登録されていない(甲第2号証)。
(2) 乙第5号証及び乙第6号証について
被請求人の提出している書類及び物件のうち、本件商標の使用時期に関するものは、乙第5号証及び乙第6号証であると思料するが、乙第5号証に係るカタログは2002年11月10日現在のものであり、また、乙第6号証に係る売り上げ伝票の写しも平成14年11月20日発行のものである。してみると、上述のようにカノープス社に対する本件商標の使用許諾期間は2002年4月30日までであるといわざるを得ないので、上記乙第5号証及び乙第6号証は本件商標の通常使用権者の使用に係るものであることが証明されているとはいえない。
また、乙第5号証に係るカタログが実際に頒布されていたかについては一切証明されておらず、よって、同パンフレットの提出のみでもっては、カノープス社が同パンフレットに係る標章の「使用」(商標法第2条第3項)をしていたことの証明がなされているとはいえない。同パンフレットが実際に頒布されていた真正なものである旨の証明がなされていない以上、被請求人が主張する、乙第5号証における「SPECTRA WX25」と乙第6号証における「SPWX25」の対応関係に関しても、その客観的な信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。してみると、乙第6号証に記載されている標章が果たして本件商標に係るものであるかに関しても、客観的な証明はなされていないといわざるを得ない。
なお、乙第6号証に係る売上伝票に関して、同売上伝票が実際に相手方が受領したものであるかについては証明されておらず、よって、同売上伝票自体が証拠として客観的信憑性に欠けるものであると思料する。
(3) 以上により、被請求人の提出している書類及び物件からは、本件商標の使用に関し、商標法第50条第2項に規定されている要件を満たす証明がなされていないことは明らかであるが、被請求人の提出している書類及び物件に関し、以下の点を指摘する。
(4) 乙第3号証及び乙第4号証について
乙第3号証及び乙第4号証には、図案化された商標が見受けられるが、それら商標は、以下に述べるように、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
乙第3号証及び乙第4号証にて示されている図案化されている商標は、立体的印象を想起させる「W」と「X」のモノグラムと思しき図形部分、図案化された「25」の数字、及び、図案化された「S」「P」「E」「C」「T」「R」「A」の欧文字から構成される部分が、不可分一体に図案化されており、決してその上部の「S」「P」「E」「C」「T」「R」「A」の欧文字から構成される部分のみが分離して観察されるものではない。よって、全体として対比した場合、それら図案化された商標と本件商標は、その外観、称呼、観念において顕著な差異を有するものであり、両者は社会通念上同一と認められる商標とはいえない。また、上記図案化された欧文字部分も「SPEC」の下部と「CTRA」の上部に横線が引かれているその外観から、「スペックティーアールエー」なる称呼も生じ得るものであり、よって、単なる文字商標であり「スペクトラ」の称呼しか生じない本件商標(同書・同大・同間隔で欧文字「SPECTRA」を横書してなる。)と上記図案化された商標とはその称呼を異にするものである。
(5)以上により、被請求人が提出している答弁書は、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品「電子応用機械器具」について使用されていることを立証していないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(被請求人の提出に係る証拠は、甲第1号証ないし甲第6号証として提出されたが、その「甲」の符合を「乙」と読み替えた。)を提出した。
(1) 被請求人は、本件商標を、指定商品「カノープスの製造・販売にかかるグラフィックアクセラレータボード並びにグラフィックアクセラレータボードに接続して使用するためのオプション製品」について、兵庫県神戸市在のカノープス社に対し、1999年2月26日に通常実施権を設定する契約(乙第1号証)を締結し、現在も引き続き許諾している。
(2) 「グラフィックアクセラレータボード」が「電子応用機械器具」に属する商品であることは、日本特許情報図書館の商品・役務名リスト国際分類第8版の検索リスト(乙第2号証)より明らかである。
(3) 本件商標が「電子応用機械器具」に属している商品「グラフィックアクセラレータボード」に使用している事実を証明するものとして、
(ア)SPECTRA WX25の写真のコピー(乙第3号証)
(イ)SPECTRA WX25のパッケージ (乙第4号証)
を提出する。
(4) また、本件商標を付した「グラフィックアクセラレータボード」が実際に市場で取引されている事実を証明するものとして、
(ア)canopus Products Guide(2002.12 カノープス社主要製品総合カタログ:乙第5号証)
(イ)SPWX25の売上伝票の写し(平成14年11月20日発行:乙第6号証)を提出する。なお、上記売上伝票では「SPECTRA WX25」は、「SPWX25」と記載されている。乙第5号証で示した「カノープス社主要製品カタログの16頁に「SPWX25」が「SPECTRA WX25」の型番である旨が記載されているとおり、実際に本件商標を付した「SPECTRA WX25」が、市場で取引されていることは乙第6号証から明らかである。
本件商標は、「SPECTRA」の欧文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品とすること、及び本件審判請求の登録は、平成15年2月5日にされたこと、上記のとおりである。
そして、被請求人は、本件商標の取消請求に係る指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」に属する商品「グラフィックアクセラレータボード」について、本件商標の当該商標権の通常使用権者であるカノープス社が本件審判請求登録日前の3年以内に本件商標を使用しているとして、乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているので、以下、これを検討する。
商標権者は、当該商標権について他人に通常使用権を許諾することができるとされ(商標法第31条)、この許諾には期間的、内容的及び地域的等の制限を付することがあるとしても、通常使用権は、当事者間の契約により発生するものである。
そうすると、乙第1号証に係る商標使用許諾契約書(写し)の第3条には、2006年4月30日まで使用許諾期間の延長に関する規定が存するものであって、カノープス社は、その作成になる取引書類である平成14年(2002年)11月20日付の売上伝票写しを(乙第6号証)を直接取引に関係しない被請求人(商標権者)に渡しているところからも、両者間に2002年4月30日以降も当該商標使用許諾契約があるものとみるのが自然であり、カノープス社は、本件商標の通常使用権者とみて差し支えない。
(1) 乙第5号証は、2002年11月10日現在とするカノープス社の主要製品カタログである。そして、その目次(1頁)に色別で区分けした製品のうち、赤色の縦矩形の製品群には、いずれも「SPECTRA」(右上に小さく登録商標を表す記号「TM」が付されている。以下同じ。)と、その下に各製品の型式表示といえる「WX25」、「WF17」、「Light G64 AGP」及び「Light G32 PCI」の記載、赤色の縦矩形下段に分界線を介して型番として「SPWX25」、「SPWF17」、「SPLG64A」及び「SPLG32PCI」の記載ほか、対応機種、対応OS等を示す記号及び製品の解説がそれぞれ記載されているものである。また、これら各製品の仕様等を詳細に説明・紹介した該当ページ(15頁ないし17頁)には、「グラフィックアクセラレータボード」の表示ほか、「SPECTRA WX25」及び「SPECTRA WX17」等の記載が認められるものである。
してみれば、乙第5号証のカノープス社の主要製品カタログからは、本件商標と構成文字を同じくする商標「SPECTRA」を、その対応機種、対応OS等の製品仕様よりして本件商標の取消に係る指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」に属する商品「グラフィックアクセラレータボード」について、2002年11月10日現在としているところから、本件審判請求の登録前3年以内に通常使用権者(カノープス社)が使用していたと認め得るものである。
(2) 乙第6号証は、カノープス社作成に係る平成14年11月20日付の取引書類(売上伝票の写し)と認められ、商品名欄に「SPWX25」の記載があり、上記商品中の型番「SPWX25」とする「グラフィックアクセラレータボード」の取引がされたことを窺わせるものである。
(3) そうすると、乙第5号証に係るカタログ及び乙第6号証に係る売上伝票の写しをもって、通常使用権者による本件商標の使用が証明されたというべきである。
請求人は、乙第5号証に係るカタログが実際に頒布されていたかについて証明されていないとし、また、同パンフレットにおける「SPECTRA WX25」と乙第6号証における「SPWX25」の対応関係に関しても、その客観的な信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない旨述べているが、製品カタログを販売目的のために作成した以上、これが頒布されたとみるのが一般商取引の実情からみて自然であり、また、乙第6号証に係る売上伝票自体に信憑性に欠けるような不自然さも見出せない。したがって、請求人のかかる主張は、採用することができない。
請求人は、商品「グラフィックアクセラレータボード(型番 SPECTRA WX25)」の写真のコピー(乙第3号証)及び同パッケージ(乙第4号証)に図案化されている商標は、「S」「P」「E」「C」「T」「R」「A」の欧文字から構成される部分のみが分離して観察されるものではない。また、該文字部分も「SPEC」の下部と「CTRA」の上部に横線が引かれているその外観から、「スペックティーアールエー」なる称呼も生じ得るものであって、全体として対比した場合、それら図案化された商標と本件商標は、その外観、称呼、観念において顕著な差異を有するものであり、両者は社会通念上同一と認められる商標とはいえない旨述べている。
しかしながら、商取引の実際において登録商標が配列又は配置、その他態様について少なからぬ変更が加えられて使用されることを考慮に入れるべきであって、該写真のコピー及びパッケージに図案化されている当該商標は、その文字部分が独立した取引指標として機能するものというのが相当であり、これと本件商標とは、外観上の相違があるとしても、取引上実質的な差異はないものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、本件取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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