結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31270(T2002−31270/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4108439号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成8年4月10日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定役務として、同10年1月30日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定役務中『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』についての登録を取り消す。」との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定役務中の上記役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録は取り消されるべきである旨主張している。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出している。
被請求人は、本件審判請求に係る指定役務について、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標を使用している事実がある。これを以下のとおり立証する。
(1)乙第1号証は、被請求人が発行し現在使用している会社案内「Corporate Profile」であり、この記載内容からは、被請求人が、請求に係る指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を、その業務としていることが認められる。特に、「図書館システム構築実績例」又は「作業実績」として、我が国有数の著名大学が「クライアント名」として紹介され、また、「主要取引先」として著名な企業、大学等が列挙されており、被請求人が請求に係る指定役務の分野において、確固たる実績を有していることが明らかである。
(2)乙第2号証の1(閉鎖事項全部証明書)及び乙第2号証の2(履歴事項全部証明書)は、被請求人の商業登記簿謄本であるが、それぞれの「本店」「登記記録に関する事項」欄の記載からは、被請求人が住所を変更したことが認められる。このような住所変更履歴を記載したのは、以下に被請求人が本件商標の使用事実を証明するために証拠方法として提出する各文書の作成年月日に応じて、当該各文書に被請求人の住所として記載された内容が被請求人の現住所と異なることから、予めその理由を説明するためである。
(3)乙第3号証は、被請求人の取引先である株式会社紀伊國屋書店(以下「紀伊國屋書店」という。)が、平成12年8月28日に被請求人に対して「LibVision システムの開発、保守及びサポート業務」を発注した際の「発注書」(写し)である。この「LibVisionシステム」とは、乙第4号証として提出するパンフレット(写し)の記載内容から明らかなように、日本アイ・ビー・エム株式会社開発によるコンピュータを使用した図書管理システムであり、紀伊國屋書店は、「LibVisionシステム」の販売を担当していたものである。そして、被請求人が紀伊國屋書店から受注した上記「発注書」記載の「LibVision システムの開発、保守及びサポート業務」とは、具体的には、「LibVision システム」の販売先となる各大学等の顧客に当該システムを導入する際に発生する、導入された当該システムの検索機能により抽出された図書目録や利用者情報等のデータを各顧客の要求に合致するようなフォームで画面や紙等の表示媒体に出力させるためのプログラムを作成する業務である。係る業務が請求に係る指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に該当することは明白である。
(4)乙第5号証は、紀伊國屋書店営業総本部ライブラリーサービス営業本部図書館システム部部長、松島徹氏による「宣誓書」である。この「宣誓書」によると、「宣誓書」に添付されている「書類送付のご案内」という標題の送り状、及び「注文請書」が、被請求人から平成12年9月4日に同社へ郵送され、受領されたことが認められる。
この「注文請書」は、乙第3号証の「発注書」に対応するものであり、被請求人が紀伊國屋書店から前述の「Libvision システムの開発・保守及びサポート業務」を受注した際に発行されたものである。また、「書類送付のご案内」は、当該「注文請書」を紀伊國屋書店に郵送した際に同書に付して同封された送り状である。そして、この「書類送付のご案内」の右上部には、本件商標と色彩のみを異にする同一の標章が付されている。
なお、登録商標と色彩においてのみ異なる商標が商標法第50条の適用上登録商標と同一のものと認められることはいうまでもない(同法第70条第1項)。
この郵送に係る「書類送付のご案内」及び「注文請書」が、請求に係る指定役務に該当する前述の「Libvision システムの開発・保守及びサポート業務」に関する「取引書類」(商標法第2条第3項第8号)に当たることは明らかである。また、これら取引書類を取引先である紀伊國屋書店に郵送した行為が「頒布」(同条同項同号)に該当する行為であることもまた疑念の余地がない。なお、不特定多数の者への配布でないことが同号「頒布」の該当性を何ら妨げるものでないことは、裁判例においても確認されている(東京高裁平成15年1月22日判決 平成13年(行ケ)第530号参照)。
したがって、被請求人が、平成12年9月4日に、本件商標に係る標章を付した「書類送付のご案内」及び「注文請書」を紀伊國屋書店に郵送した行為は、商標法第2条第3項第8号に規定される、役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為に該当するものと評価できる。そして、当該頒布の時期は平成12年9月4日であり、本件審判請求の登録前3年以内の期間である点についても問題はない。
以上、乙第3ないし第5号証によると、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、請求に係る指定役務に関する取引書類に本件商標に係る標章を付して頒布した事実は明白であり、これら証拠方法により商標法第50条第2項に規定する使用の事実は十分に立証されるものである。
(5)乙第6号証は、株式会社リクルートが出版する求人広告雑誌「B‐ing」関東版39号(2000年10月4日号、発売日は同年9月27日)、388ページの写しである。同ページの上部右側には、被請求人の広告が、本件商標と同一の標章(色彩においてのみ異なるが、これが同一性を認める妨げにならないことは前述のとおりである。)とともに掲載されている。そして、この「会社DATA」「事業内容」の項目には、被請求人の事業内容として、「大学図書館システムを中心とした運用、ソフトウェア開発。業務アプリケーションのコンサルティング、ソフトウエア開発。」との記載がなされている。さらに、「ネットが世界を変えるなら、ウィザードはその先を行く」というタイトルの付された囲み記事の箇所では、被請求人の事業内容自体を宣伝する態様で広告記事が構成されている。上記何れに記載された事業内容も、請求に係る指定役務である「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に該当することは明らかである。
ところで、上記広告は一面求人を目的とした広告ではあるが、上記「事業内容」の項目の記載の具体性とともに上記囲み記事の業務宣伝的な構成態様に鑑みると、求人目的の広告であると同時に、需要者への役務提供に向けての広告という性質をも有するものであり、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する広告」に該当するものと解される。
とすれば、上記広告に本件商標に係る標章を付して頒布した行為は、商標法第2条第3項第8号に規定される、役務に関する広告に標章を付して頒布する行為に該当するものと評価できる。そして、上記広告の掲載された「B-ing」関東版39号の発売日は2000年(平成12年)9月27日であり、本件審判請求の登録前3年以内の期間である点も問題はない。
以上、乙第6号証によると、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、請求に係る指定役務に関する広告に、本件商標に係る標章を付して頒布した事実は明白であり、この点からも商標法第50条第2項に規定する使用の事実が立証されるものである。
(6)以上述べたところから、被請求人が、請求に係る指定役務について審判請求の予告登録前3年以内に本件商標の使用をしているという事実が立証されるものである。
被請求人の提出に係る乙第1ないし第6号証及び答弁の全趣旨によれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定役務について、商標権者によって使用されていたものと認められる。
一方、請求人は上記3の答弁に対し、弁駁していない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中の本件審判請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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