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Trademark Appeal Case

「ヘアスカルプパック」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−18016(T2000−18016/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ヘアスカルプパック」の片仮名文字を標準文字として、第3類「育毛料を含有する頭髪及び頭皮への塗布用化粧料,育毛料,その他の化粧品,石けん類,義毛用帯電防止剤」及び第5類「育毛剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成11年9月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ヘアスカルプパック』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、その構成中『スカルプ』の文字は『頭皮』の意味を有するところ、美容等の関係においては『頭皮の健康を保つ手入れ』のことを『スカルプケア』のように称していることよりすれば、全体として『頭髪・頭皮の手入れ用の美髪用化粧品又は湿布療法』の意味合いを容易に想起させるものであるから、これを本願指定商品中、例えば、育毛料を含有する頭髪及び頭皮への塗布用化粧料,育毛料,石けん類,義毛用帯電防止剤,育毛剤といった上記に照応する事項を特徴とする商品に使用するときは、単に商品の品質(効能、用途等)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「ヘアスカルプパック」の片仮名文字よりなるところ、構成中の前半部「ヘア」の文字は、「髪の毛、頭髪」(「広辞苑」株式会社岩波書店 第5版)の意味を、中間部の「スカルプ」の文字は、「(人間の)頭皮」(現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社 1199頁)の意味を、後半部「パック」の文字は、「美容法の一つ、卵・小麦粉・果汁などを練り合わせたパック剤を塗り、肌の水分の蒸発わ防ぎ、清潔にして血行をよくし、ひきしめる。」、「皮膚に栄養を与える美顔剤」(「広辞苑」株式会社岩波書店 第5版、現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社)を意味を有するものであり、いずれの語も良く知られた外来語であり、全体として「頭髪・頭皮のパック(手入れ用の化粧料)」の如き意味合いを容易に理解させるものである。

ところで、昨今、髪の手入れ(ヘアケア)の一環として、頭皮(スカルプ〔scalp〕)の手入れの重要性に注目した美容法に関心が高まっており、例えば、「スカルプ〔scalp〕」の語に関して、現代用語の基礎知識(2003年 自由国民社 1199頁)の「美容用語の解説」の項に、以下のように、説明紹介されている。

(a)「スカルプ〔SCALP〕;頭皮のこと。健康な髪を育てるには、頭皮の健康を保つことが必要。そこで、ヘアケアの一環として、スカルプケアの重要性が注目されている。最近は、美容室のメニューや、市販のシャンプーにも頭皮(地肌)クレンジングを強調したものが出てきている。シャンプーなどで頭皮の汚れをよく落とし、マッサージを行うなどのケアが効果的。」

さらに、「ヘア」の語、「スカルプ」の語及び「パック」の語に関して、例えば、以下のよう、新聞紙上、インターネットのホームページに具体的に報道、掲載されている。

(b)「サンスター、ヘアケア製品の主力ブランドを夏まで一新」の見出しの下に、「サンスターはヘアケア製品の主力ブランド『VO5シリーズ』を今年夏まで一新する。...同ブランドはヘアスプレー、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアパック、クリームなど約20数品目ある。...」(1999年3月25日 日刊工業新聞)。

(c)「リンス不要のヘアパックを発売/レブロン」の見出しの下に、「レブロンはこのほど、傷んだ髪を保護する『フレックス・トリートメント・ヘアパック』を発売した。...」(1993年10月21日 読売新聞)。

(d)「[新製品ぴっくあっぷ]化粧品 美白スキンケア急成長」の見出しの下に、「化粧品各社は、...男性用では、育毛剤や整髪料といったヘアケア製品や...体臭を抑えるデオドラント化粧品などが売れ筋。...【ポイント】傷んだ髪の手入れは、スカルプ(頭皮)、地肌の活性・健康が基本との考えから開発された基礎化粧品...スプレータイプのスカルプコンデショナーL...」(1991年8月29日 読売新聞)。

(e)「協和発酵とシュウウエムラ化粧品、女性向け頭皮用美容液を共同開発」の見出しの下に、「協和発酵とシュウウエムラ化粧品は、頭皮に着目した新しい発想の女性向け頭皮用美容液『シュウ ウエムラ スカルプケア』を共同開発、...」(1991年12月10日 日刊工業新聞)。

(f)「育毛/増毛(ヘアスカルプ・サポートシステム)」の表題で、「育毛/増毛(ヘアスカルプ・サポートシステム)美しい髪と頭皮を創る...抜け毛薄毛の気になる方に...(有)欄・ドリーム 京都府京都市山科区...」(http://www.ran‐dream.com/ikumou/)。

(g)「美容室Vivace(ビバーチェ)」の表題で、「...■ケラスターゼ ヘア&スカルプ エステティックシステム...▼1.髪と頭皮の状態を診断。...肌と同様に、髪の頭皮も季節や生活環境によって変化します。お客様の髪と頭皮の状態を的確に診断することから、ケラスターゼのヘア&スカルプエステは始まります。」(http://www2.odn.ne.jp/vivace.com/kerastase.html)。

以上のよう、「ヘア」、「スカルプ」、「パック」、「ヘアスカルプ」及び「ヘアパック」の文字が、「髪と頭皮の手入れ」を指称するときの美容関係用語として普通に使用されている実情よりすれば、「ヘアスカルプパック」の文字よりなる本願商標は、シャンプー、や育毛剤などの化粧品を取り扱う業界及び美容院の業界はもちろん、需要者においては、「頭髪及び頭皮のパック(化粧料)」を意味するものとして理解されるに止まるものとみるのが相当である。

そして、本願商標の指定商品中には、「育毛料を含有する頭髪及び頭皮への塗布用化粧料,育毛料,育毛剤」が含まれているところである。

してみれば、本願商標をその指定商品中の「頭髪及び頭皮への塗布用化粧料」について使用するときは、取引者、需要者をして、その商品の品質、用途を表しているものにすぎないと認識、理解させ、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認められ、かつ、該商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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