Trademark Appeal Case
役務内容表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第7187号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「トリプルマーカー」の片仮名文字を横書きしてなり、第42類「採血によるスクリーニングテスト」を指定役務とし、平成6年6月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『3成分よりなるマーカー』を意味する『トリプルマーカー』の文字を普通に用いられる方法を書してなるものであるから、これを本願指定役務に使用しても、上記マーカーを使ったスクリーニングテストを認識させるに止まり、単に提供する役務の質・内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「トリプルマーカー」の語は、本願指定商品との関係においては、妊娠中の検査の一方法として、胎児診断に用いられ、「AFP」、「uE3」、「hCG」の3つの成分の値を分析し、ダウン症候群と神経管奇形の有無を検査する方法であることは、請求人提出の資料13の2葉目、同16からも窺うことができる。
そして、「トリプルマーカー」の語が、前記の検査方法であることは、次の新聞等の各種情報からも認め得るところである。
(ア)「胎児の異常を診断『トリプルマーカー』増える 羊水検査の前にリスク算出」の見出しのもと、
「ダウン症など胎児の異常を出産前に診断する方法として羊水検査があるが、実施施設が限られていることや、わずかながら流産の可能性があることなどから、最近は事前に母体採血によって『胎児に異常がある可能性』(リスク)を算出するトリプルマーカー検査を行う病院が増えてきた。・・・。トリプルマーカー検査は、妊娠十五〜十八週の時期に妊婦の血液を採取し、血液中に含まれる三種類のタンパクとホルモンの量を測定することによって胎児のダウン症や神経管奇形などのリスクを算出する・・・。」(1996.10.4 産経新聞 東京朝刊 27頁 産経新聞社)
(イ)「出生前診断技術は適用基準設定を 日本人類遺伝学会 国レベルでの検討必要」の見出しのもと、
「・・・同学会では、先に『遺伝相談・出生前診断に関する委員会』(松田一郎委員長)を設置し、出生前診断のガイドラインを作成しているが、この日の理事会で、同ガイドラインを手直しして、トリプルマーカー検査など出生前検査の適用範囲を定めていくことが承認された。」(1997.4.21 Medical & Test Journal 4頁 株式会社じほう)
(ウ)「『出生前診断』全国調査へ 法規制の是非判断 厚生省が方針」の見出しのもと、
「・・・調査は、各都道府県の中核病院を中心に百以上の医療機関が対象となる見込み。従来からの羊水検査や、母体の血液中のたんぱく質やホルモンを分析、胎児が遺伝性疾患を持つ確率を算定する最新診断技術『トリプルマーカーテスト』などの実施状況について、今年度中に結果をまとめる。・・・」(1997.10.11 読売新聞 東京夕刊 1頁 読売新聞社)
(エ)「5大学病院で遺伝子相談もでる事業 厚生省予算案」の見出しのもと、
「厚生省は11年度、5か所の大学病院で『遺伝子相談モデル事業』を実施する。11年度予算案に盛り込まれた新規事業で、1000万円を計上している。この事業は、大学病院内に遺伝子相談センターを設置し、妊娠中に胎児の異常を診断するトリプルマーカーテストなどの出生前診断や遺伝子疾患についての適切な情報を、、保険所や医療機関に提供するモデル事業。・・・」(1999.1.18 ME Journal 14頁 株式会社じほう)
(オ)「日本産婦人科学会 低用量ピルの6月承認に期待」の見出しのもと、
「・・・また、獨協医科大学は、インフォームド・コンセントすることで、胎児の先天性異常を診断する『トリプルマーカーテスト』の実施率が大幅に減少したことを報告。・・・」(1999.4.14 日刊薬業 8頁 株式会社じほう)
これらの記事内容からみても、本願商標が「胎児に異常がある可能性を算出する検査の方法」であることを認識させるものであり、これを本願指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、該役務の質、品質を端的に表示したものと認識し、把握するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。
また、請求人(出願人)は、出生前スクリーニング検査に関して日本において最大のシェアをもつ会社であり、本願商標を指定役務に使用しつづけてきた。その結果として、本願商標は、請求人あるいはその関連会社の業務に係るサービスであると医学関係者等が認識することができるものとなっている。したがって、本願商標は商標法第3条第2項に該当するものであると主張しているが、「トリプルマーカー」の語は、前記意味合いにおいて、医療関係機関及び医療関係者において普通に使用されており、「トリプルマーカー」の語から需要者が直ちに請求人の役務であることを認識することができる状態に至っているとする証左はない。
そうすると、本願商標が、その指定役務に使用され、請求人(出願人)の業務に係わるものとして、需要者、取引者に広く認識されるに至っているものとは認められないものであるから、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものとする請求人(出願人)の主張は、これを採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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