結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2001−14776(T2001−14776/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「d―cinema」の欧文字を標準文字を用いて横書きしてなり、商品及び役務の区分第9類に属する願書記載の商品を指定商品として平成12年4月26日に登録出願され、その後、指定役務については、同13年5月2日付け手続補正書により「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」と補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、「d―cinema」の文字を書してなるものであるが、これはローマ字の小文字「d」と「映画、映画館」等を意味する英語として親しまれている「cinema」の文字とをハイフンで結合した商標であることが明らかなものであるところ、このようなハイフンによって視覚的にも明確に分離された構成からなる商標である場合には、これに接した取引者・需要者に、ハイフンの前後の各文字(本願商標においては、「d」と「cinema」の各文字)に着目した観察と認識が生ずるのは当然というべきであって、このような観察と認識が生じないとするためには、それを根拠付ける特別の事情が認められなければならないというべきである。
そこで、本願商標を構成する「d」と「cinema」の各文字を分離して観察してみるに、各種業界においては、同一タイプの商品につき、その性能、機能、構成機器の組合せ等の違いによりグレードの異なる商品を提供している場合に、これらを区別する標識となる記号、符号としてローマ字や数字を用いていることは取引上一般的に行われているところである。
そうとすれば、ローマ文字の小文字「d」の部分は、前記記号、符号の一類型と認識されるものといえる。
また、「cinema」の文字は、前記のとおり、「映画、映画館」等を意味する英語として親しまれているものであるところ、いわゆるテレビやDVDプレーヤー等の映像・音響機器等を取り扱う業界では、一般家庭等においても映画館と同様の映像・音響を体感できようにした機能を搭載した商品が作られており、それらの機能を例えば「シネマモード」「デジタルシネマサウンド」「シネマサラウンド」「シネマポジション」「シネマボイス」「CinemaSound」「CinemaDecoder」「CinemaSpeaker」「Digital Cinema Sound」などと表示している実状があることは新聞検索やインターネット検索により容易に確認することができるものである。
そうとすれば、「cinema」の文字を映像・音響機器等に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、単に「映画用、映画館用」といった商品の用途表示として認識するだけでなく、それが一般家庭用の商品であっても「映画館と同様の映像・音響を体感できようにした機能を搭載した商品」であることを表示したものと、すなわち商品の機能(品質)表示として認識することも十分あり得るものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品中「映画機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について使用しても、これに接する取引者・需要者は、「d」の文字部分を商品の記号、符号を表示するにすぎないものとして、また、「cinema」の文字部分を前述のように商品の品質又は用途を表示するにすぎないものとしてそれぞれ理解・認識するに止まり、全体としても自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものと判断するのが相当であるから、結局、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、また、前記商品(映画館と同様の映像・音響を体感できるようにした機能を搭載した商品)以外の商品(電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ)に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨を認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、前記1に述べた構成よりなるものであるが、その構成文字を個々にとらえてみれば、アルファベット一文字が、商品区別のための記号・符号として類型的に使用され、また「cinema」の文字が「映画、映画館」等を意味する英語として親しまれていることは認められるが、当審において、職権をもって調査するも、本願商標の指定商品を扱う業界において、これらを「―」で結合させた形態で、商品の種別、内容などを表す標識として、取引上、普通に使用されている事実は発見出来なかった。
そうとすれば、本願商標は、外観上、「―」で結合させた形態でまとまりよく一体のものとして把握し得る構成よりなるものであり、これより生ずる「ディーシネマ」の称呼も格別冗長とはいえず、無理なく一連に称呼し得るものであるから、かかる構成よりなる本願商標を、その指定商品に使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、原審説示の如く商品区別のための記号・符号と商品の品質・用途を表す文字とを組み合わせたものとして分離して理解するというよりは、むしろこれら構成文字全体をもって、特定の語義を持たない一種の造語よりなるものとして認識し、取引にあたるのが自然であると認められる。
してみれば、本願商標は、特定の意味合いを有しない造語よりなるものであり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであるというのが相当であるから、本願商標をその指定商品中の「映画機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用しても、需要者が何人かの業務に係るものであるかを認識することができないとはいえない。
また、本願商標は、これをその余の指定商品に使用しても、その品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するした原審の拒絶の理由は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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