結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35046(T2003−35046/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4535802号商標(以下「本件商標」という。)は、「メラバチン」の片仮名文字と「MERAVATIN」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成13年1月25日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、平成14年1月18日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2049558号商標(以下「引用A商標」という。)は、「メバロチン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和61年1月20日に登録出願され、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和63年5月26日に設定登録されたものである。
同じく、登録第2069627号商標(以下「引用B商標」という。)は、「MEVALOTIN」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年1月20日に登録出願され、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和63年8月29日に設定登録されたものである。
同じく、登録第2448922号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成1年10月27日に登録出願され、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、その指定商品については、平成14年3月22日に書換登録申請がされ、平成14年4月17日で、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」、第8類「ピンセット」、第9類「耳栓」、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第21類「デンタルフロス」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」と書換登録されたものである。
同じく、登録第2448923号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成1年10月27日に登録出願され、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、その指定商品については、平成14年3月22日に書換登録申請がされ、平成14年4月17日で、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」、第8類「ピンセット」、第9類「耳栓」、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」、第21類「デンタルフロス」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」と書換登録されたものである。
そして、いずれも現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証を提出している。
(1)本件商標と引用A商標、引用B商標、引用C商標及び引用D商標とを比較検討してみるに、両者の構成は、それぞれ上述の通りであって、それぞれの構成上、前者からは、「メラバチン」の称呼を生ずるものであるというを相当とするのに対して、後4者からは、「メバロチン」の称呼を生ずるものであるというを相当とする。
しかして、本件商標より生ずる「メラバチン」の称呼と各引用商標より生ずる「メバロチン」の称呼とは、共に5音構成より成るうち、「メ」、「バ」、「チ」及び「ン」の4音を全く同じくしているばかりでなく、異なる音は、「ラ」音と「ロ」音にあるとしても、両音は、共に、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音[r]と、母音との結合した音節であって、調音方法、発音仕方を全く同じくする舌音であり、これを語中において、「ラバ」、「バロ」と語順を置き換えたに過ぎず、しかも、商標の称呼における識別上、最も重要な要素を占める語頭の「メ」音と、商標の称呼上、聴者の印象に強く残る、語尾の「チン」の音をも全く共通にしているものであるから、両者を時と処とを異にして、それぞれを全体として、一連に称呼するときは,両者が、いずれも特定の語義、観念を有しない造語であることと相侯って、称呼全体の語韻、語調が極めて近似し、これらに接する聴者をして、彼此の称呼を、互いに聞き誤らせるおそれの充分にある、互いに相紛らわしい称呼であるといわなければならない。
請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、本件商標と同じく、(旧)第1類の過去の審決例(甲第11号証ないし甲第19号証)を挙げて、請求人は、これを自己の主張理由に有利に援用する。
(2)更に、引用A商標ないし引用D商標は、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」(動脈硬化用薬剤)に付されて使用され、平成1年の発売以来、その売上高は、当初の70億円(市場占有率17.5%)から、その売上を延ばし、平成11年度には、1288億円(市場占有率53.9%)にものぼり、「高脂血症用薬剤」の単品商品が、売出しからの11年間で、何と1兆59億円にも達している事実がある(甲第20号証)。
また、上記商品の宣伝広告活動も、広告代理店、株式会社丹水社を通じて、活発かつ盛大に行っており、その宣伝広告費も、単品商品「高脂血症用薬剤」の金額としては、平成1年に1600万円台であったものが、平成14年は10月までに2100万円台を投じ、発売以来の14年間で、何と4億3000万円以上もの広告費をかけているものである(甲第21号証及び甲第22号証)。
その他にも、「メバロチン」に関して、株式会社医薬広告社を通じて平成7年4月から同13年3月までの広告出稿一覧表(甲第23号証)、協和企画株式会社を通じて1995年度から2001年度にかけての広告出稿一覧表(甲第24号証)及び株式会社東宣を通じて1995年度から2002年度にかけての広告出稿一覧表(甲第25号証)がある。
したがって、引用A商標ないし引用D商標は、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」を表示するためのものとして、この種商品を取り扱う業界における取引者及び需要者の間において、広く認識されている、周知、著名な商標であるから、これと類似する本件商標を、その指定商品について使用をするときには、これらに接する取引者及び需要者をして、その商品が、請求人の業務に係る商品であるかの如く誤認し、その商品の出所につき混同を生じさせるおそれの充分にあるものといわなければならない。
請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、本件事案と判断の軌を一にする、審決例及び判決例(甲第26号証ないし甲第29号証)を挙げて、請求人は、これを自己の主張理由に、有利に援用する。
(3)請求人は、各引用商標の周知、著名性を立証すべく、宣伝広告等を掲載した具体的な誌名等について、その証拠方法(甲第31号証ないし甲第39号証)を提出するものである。
以上の証拠方法によって、先に述べた通り、請求人の各引用商標が、斯界における、最も有効な媒体(雑誌等)を用いて、継続的、定期的に反復した宣伝広告に努めた結果、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」を表示するためのものとして、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識された周知、著名な商標であるといわなければならないところである。
してみれば、本件商標は、引用A商標、引用B商標、引用C商標及び引用D商標と称呼の点において、互いに彼此相紛らわしい類似の商標であるといわなければならず、かつ、本件商標の指定商品は、各引用商標のそれに包含されていること明らかなところであり、かつ、各引用商標が、請求人の業務に係る商品「高脂血症用薬剤」を表示するためのものとして、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されている周知、著名な商標であるから、本件商標をその指定商品について使用をするときは、これらに接する取引者及び需要者をして、その商品が、請求人の取り扱いに係る商品と誤認し、その商品の出所につき混同を生じさせるおそれの充分にある商標であるから、結局、本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号の各規定に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づいて、その登録は、無効とされるべきものである。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
本件商標と引用A商標ないし引用D商標は、上記及び別掲(1)(2)のとおりの構成よりなるものであって、前者は「メラバチン」、後者は「メバロチン」の各称呼を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「メラバチン」の称呼と引用A商標ないし引用D商標より生ずる「メバロチン」の称呼とを対比すると、両称呼は5音よりなるうち「メ」「バ」「チ」「ン」の4音を共通にし、異なる音は「ラ」と「ロ」の音にすぎず、その差異音も50音図中同行に属する近似音といえることから、「ラバ」と「バロ」の語順を入れ換えてあるとしても、本件商標の指定商品を取り巻く環境の特殊性を考慮すれば、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。
また、請求人の提出に係る甲各号証を総合勘案すれば、引用A商標ないし引用D商標は、本件商標の登録出願時には、商品「高脂血症用薬剤」の商標として、周知になっていたものと認められる。
してみれば、本件商標は、上記のとおり周知な引用A商標ないし引用D商標とは、外観、観念上の相違点を考慮しても、称呼において相紛らわしい類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品は、引用A商標ないし引用D商標の指定商品とは同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項により、その登録は無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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