Trademark Appeal Case
商標類似性・混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90178(T2003−90178/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4633647号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年6月21日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年12月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の1.ないし18.の登録商標と観念及び外観において類似する商標であり、本件商標の指定役務と各引用商標の指定役務は同一又は類似のものであって、かつ、各引用商標の指定商品と抵触するものである。
また、申立人が「支払代金の精算、資金の貸し付け」等の役務の分野において使用する二つの同大の円を横一列に配置し少し重ね合わせた図形よりなる登録商標は著名な商標であるところ、本件商標は、この著名な引用商標を看者に強く連想させるものであるから、本件商標がその指定役務に使用された場合、申立人の業務に係る役務と役務の出所ついて混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。1.登録第4013868号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成6年8月15日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年6月20日に設定登録されたものである。
2.登録第4365610号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成10年5月18日に登録出願され、第9類、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成12年3月3日に設定登録されたものである。
3.登録第4365609号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、平成10年5月18日に登録出願され、第9類、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成12年3月3日に設定登録されたものである。
4.登録第3294159号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年4月25日に設定登録されたものである。
5.登録第4338049号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(6)に示すとおりの構成よりなり、平成10年3月27日に登録出願され、第9類、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成11年11月26日に設定登録されたものである。
6.登録第3307525号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年5月16日に設定登録されたものである。
7.登録第3307527号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、平成4年10月27日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年5月16日に設定登録されたものである。
8.登録第4338039号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(9)に示すとおりの構成よりなり、平成10年3月23日に登録出願され、第9類、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成11年11月26日に設定登録されたものである。
9.登録第3294155号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(10)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年4月25日に設定登録されたものである。
10.登録第3294156号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲(11)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年4月25日に設定登録されたものである。
11.登録第2694628号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、平成3年11月28日に登録出願され、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年9月30日に設定登録されたものであるる
12.登録第3307573号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成6年8月15日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年5月16日に設定登録されたものである。
13.登録第2683264号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、平成3年11月28日に登録出願され、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録されたものである。
14.登録第4133306号商標(以下「引用商標14」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成6年8月15日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年4月10日に設定登録されたものである。
15.登録第3133701号商標(以下「引用商標15」という。)は、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年3月29日に設定登録されたものである
16.登録第3097888号商標(以下「引用商標16」という。)は、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成7年11月30日に設定登録されたものである。
17.登録第3210375号商標(以下「引用商標17」という。)は、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、平成4年11月26日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年10月31日に設定登録されたものである。
18.登録第2587324号商標(以下「引用商標18」という。)は、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、平成2年7月31日に登録出願され、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年10月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と各引用商標は、別掲に示すとおりであり、その指定商品又は指定役務は前記したとおりであるところ、まず、本件商標の指定役務と引用商標11ないし引用商標18の指定商品が類似するものか否かについて判断するに、本件商標の指定役務と上記引用商標の指定商品とは、それぞれの業務に係る事業者又は役務の提供場所と商品の販売場所が異なるうえ、その取引形態、流通経路等も共通にするとは認められないから、これらの取引の実情を考えると、両者を類似のものと判断することはできない。
してみれば、本件商標の指定役務と上記引用商標の指定商品が類似するものであることを前提にして、本件商標と引用商標11ないし引用商標18が観念及び外観において類似の商標であるとする申立人の主張は、採用することができない。
(2)本件商標と引用商標1ないし引用商標10は、それぞれ別掲に示したとおりの構成よりなるところ、本件商標と上記引用商標を外観上より比較すると、本件商標は、二つの円を組み合わせ、各円内に欧文字を配し、これに色彩を施した構成よりなるが、その構成は濃い緑色の円に半分ほど重ね合わせるように薄い緑色の円を描き、濃い緑色の円内には「U」の文字を白抜きにし、また、薄い緑色の円内にはハイフン「−」と「LEC」の文字を濃い緑色でそれぞれ大きく顕著に表してなるものである。
これに対し、引用商標1ないし引用商標4は、細い円輪郭を描き、これに黒塗りの円を左右どちらかに3分の1ほど重ね合わせるように描いてなるが、重なった部分は白と黒の横線を交互に配してなるものである。また、引用商標5及び引用商標6は、上記引用商標と同じ描出方法よりなるものであって、異なるところは二つの円に濃い青色と薄い青色を施してなるところであるから、本件商標と引用商標1ないし引用商標6とは、いずれも二つの同大の円を横一列に配置し、二つの円を少し重ね合わせた点においてわずかに共通するが、二つの円の重ね合わせ方、その重なった部分の描出方法に顕著な差異があり、かつ、色彩の有無又は色彩の違いにより、これに接する看者に全く別異の印象を与える図形といえるものである。
さらに、引用商標7、引用商標8及び引用商標10も、図形部分の描出方法は、上記引用商標1ないし引用商標6と同じ方法で描いており、異なる点は図形内に「MasterCard」の欧文字を表してなること及び色彩の有無又は色彩が異なるにすぎないものである。また、引用商標9は、これら引用商標7、引用商標8及び引用商標10と同じ文字を含む図柄を丸みを帯びたやや縦長の長方形の輪郭内に、世界地図を描いたと認められる図柄を上下に配した図形よりなるものであるから、本件商標と引用商標7ないし引用商標10とは、いずれも二つの同大の円を横一列に配置し、二つの円を少し重ね合わせた点においてわずかに共通するが、二つの円の重ね合わせ方、その重なった部分の描出方法に顕著な差異があり、かつ、色彩の有無又は色彩の違い、さらに、顕著に書された欧文字の違い等により、これに接する看者に全く別異の印象を与える図形といえるものである。
(3)そうすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標10とは、上記認定のとおり、いずれも二つの円を重ねてなる点においてわずかに共通するが、二つの円の重ね合わせ方、その重なった部分の描き方が顕著に相違し、かつ、色彩等において差異が認められるものであり、これらの構成上の差異が看者に与える影響は大きく、全体の印象が異なったものとして記憶され、本件商標と各引用商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は外観において判然と区別できる相紛れるおそれのない類似しない商標といわなければならない。
また、本件商標は、その構成中の濃い緑の円内に「U」の文字を白抜きにし、薄い緑色の円内にはハイフン「−」と「LEC」の文字を顕著に書してなるものであるから、該文字に相応して「ユーレック」の称呼を生ずるものである。これに対して、引用商標7ないし引用商標10は、別掲のとおり、「MASTERCARD」の文字を図形中に顕著に書してなるものであるから、該文字に相応して「マスターカード」の称呼を生ずるものである。そこで、両称呼を比較すると、両称呼は、音構成及び称呼音数が相違するので、明らかに区別し得るものである。
さらに、引用商標1ないし引用商標6は、別掲のとおり、図形のみからなる商標であるので、何らの称呼を生じないものであるから、両者を比較することはできない。
次に、観念についてみると、本件商標は、その構成に照らし、何らの観念を有しないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標10は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても区別し得るものであって類似する商標ということはできない。
(4)申立人は、申立の理由において前記したとおり引用商標を特定することなく「二つの同大の円を横一列に配置し少し重ね合わせた図」は「クレジットカード利用者に替わってする支払代金の精算、資金の貸し付け」やその他の商品やサービスを提供する申立人のシンボルであり、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る役務とその出所について混同を生ずるおそれがある旨を主張している。
しかしながら、申立人より提出された甲第20号証ないし甲第24号証によれば、申立人の業務に係る「支払代金の精算、資金の貸し付け」等の役務について引用商標9及び引用商標10が使用されていることが認められ、これらの商標が我が国の需要者の間において相当程度知られていたとしても、それは「MasterCard」(マスターカード)として知られているものであり、その図形部分は該文字の背景図形的に看取されるといえるものあって、かつ、本件商標は、上記認定のとおり引用商標9及び引用商標10を含む各引用商標とは判然と区別できる別異の商標と認め得るものであるから、本件商標をその指定役務に使用しても、本件商標から申立人の主張する引用商標9又は引用商標10を直ちに想起・連想させるものではないと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、その役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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