Trademark Appeal Case
「氷結」の記述性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90235(T2002−90235/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4536648号商標(以下「本件商標」という。)は、「氷結」の文字を標準文字で書してなり、平成12年6月29日に登録出願され、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成14年1月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(「以下「申立人」という。)は、登録異議申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第12号証を提出している。
食品加工の現場においては、食材を貯蔵等するに際して氷結した状態にしておくことや、食材を氷結した状態において加工することが普通に行われている。
たとえば、本件指定商品中の「果実飲料、果実風味の清涼飲料、飲料用野菜ジュース、焼酎に果汁を加味し炭酸水で割ったアルコール飲料」の原材料となる果汁、野菜汁の貯蔵、加工等に際しては、氷結濃縮の方法を採ることが少なくなく(濃縮を行わない氷結製法が採られる場合もある。)、また「乳清飲料」について、その原材料に氷結発酵乳を使用する例や、「果実酒」について氷結したブドウを原材料とする例をみることもできる。 なお、氷結した原材料を使用することには、風味や栄養分の損失を抑えることができるという利点がある。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、原材料に氷結した果汁、野菜汁、果実等を使用したものであることや、氷結した発酵乳を使用したものであること、すなわち風味等の損失が少ないものであることを理解させるにすぎないものである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中、氷結した果汁、野菜汁、果実、発酵乳等を原材料とする商品に使用するときは、これに接する者に当該商品の原材料や品質を理解させるにとどまり、他方、これを上記のような氷結した原材料を使用した商品以外の商品に使用した場合には、当該商品の品質につき誤認を生じさせるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、同法第15条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、上記のとおり、「氷結」の文字からなるところ、この「氷結」の文字が本件商標の指定商品の取引者、需要者によってどのように認識されているかについて検討する。
確かに、「氷結」の文字が「寒気によって水が凝結すること。こおりつくこと。」を意味する語であることは、申立人の提出に係る甲第1号証(三省堂発行「広辞林」)に記載のとおりである。
しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証をみるに、食品の原材料、加工方法、製造方法又は品質等を表示するために一般に使用されている語は「凍結」又は「冷凍」であって、「氷結」の語が本件商標の指定商品の原材料、加工方法、製造方法、品質等を直接表示するものとして使用されている例は殆ど見当たらない。
すなわち、申立人の提出に係る甲各号証の文献においては、食品等が凍った状態であるという物理的状態を示すために「氷結」の語が使用されたもの、「氷結点」、「氷結曲線」として食品が凍り始める点や氷結する状態を示す曲線の意味合いで用いられたものなどが見受けられるものの、加工・貯蔵法としては、例えば、「冷却冷蔵」、「凍結冷蔵」、「凍結濃縮」、「濃縮冷凍」等の用語が用いられており、「氷結」の語が食品の原材料、加工方法、製造方法、品質等を具体的に表すために用いられているとはいい難い。
そして、各種食品事典によれば、食品の加工方法、製造方法等については「凍結」、「凍結加工」、「凍結濃縮法」、「凍結乾燥法」等の用語が一般に用いられている。
以上からすると、「氷結」の文字が本件商標の指定商品の原材料、加工方法、製造方法、品質等を表示する語として取引者、需要者に認識されているものと直ちにはいい難い。
一方、商標権者及びその親会社たる麒麟麦酒株式会社が缶チューハイについて使用している商標「氷結」が取引者、需要者間に相当程度知られている事実があることからすれば、缶チューハイと少なからぬ関係を有する本件商標の指定商品に係る取引者、需要者は、「氷結」の文字から上記商標「氷結」を連想、想起する場合も少なくないというべきである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の原材料、加工方法、製造方法、品質等を表示するものとしてではなく、自他商品の識別標識として認識し理解するというべきである。
したがって、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能十分に果たし得るものであり、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものであるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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