sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の立証責任

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30675(T2002−30675/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3259517号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年2月14日に登録出願、第25類「ワイシヤツ類」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

被請求人は、本件商標の指定商品について、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を使用していない。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第2号証は、半袖シャツを写真に写したものであり、当該半袖シャツの襟の根元部分に付されている布製ラベルには本件商標と同一の商標が記載されている。

また、乙第3号証の納品書(控)には、「01年8月1日」という日付の記載とともに、「(GW−002)GOOD WEAR 半袖シャツ」と記載されている。

しかし、乙第3号証には、「GW−002」と品番らしきもの及び「GOOD WEAR」との記載はあるが、これが乙第2号証に係る半袖シャツを指すとは限らない。すなわち、乙第2号証は、半袖シャツが折りたたまれた状態で撮影されていることから、これが半袖シャツであるか否かも当該写真からは不明である。むしろ、その濃紺という色合い、生地の厚さ等を考慮すると、長袖シャツであるかのような印象を受ける。したがって、これら2つの証拠を結びつける証拠が何ら提出されていないことからすれば、乙第2号証に係る本件商標が付された半袖シャツが実際に販売された商品であるかについて疑問を持たざるを得ない。

また、仮に当該半袖シャツが実際に販売されているものであったとしても、乙第3号証に記載された「半袖シャツ」が、乙第2号証の「半袖シャツ」を指すか否かが不明である限り、平成13年8月1日に本件商標を使用したことの証明にはならない。

さらに、乙第3号証に記載されている販売先である、熊本県熊本市下通2−7−5マスダハイツ1Fに所在する、有限会社ムーヴメント(以下「ムーヴメント社」という。)は、インターネットの記載によれば、男性用カジュアルウエアの販売店であると推測されるが(甲第1号証の6及び7)、平成13年8月1日にたった5枚の半袖シャツを被請求人から購入したのみであるというのは、不自然である。

よって、被請求人は、「継続して3年以上」の要件を満たしていることを立証していないものと解する。

(2)前記のとおり、ムーヴメント社は、男性用カジュアルウエアの店であるということは推測されるものの(甲第1号証の6及び7)、本件商標を付した当該半袖シャツが販売されたという事実を示す記載は何ら発見しなかった(甲第1号証)。

さらに、同様の調査において、被請求人がTシャツ等を販売しているとの記載は発見したものの(甲第2号証の1ないし17)、本件商標を付した当該半袖シャツを販売したとの事実を示す記載は何ら発見しなかった(甲第2号証の1ないし甲第3号証の3)。

現在、シャツ等のカジュアルウエアはインターネットを通した販売が一般的な販売手段の一つとなっている。また、これらのカジュアルウエア商品においては、消費者の間において,インターネットによるいわゆる口コミ情報が重視されるため、仮に、店頭販売のみの場合であったとしても、販売されていれば、その情報というのはインターネットにおいて話題に上るのが普通である。実際、被請求人の販売に係る本件商標以外の標章に係るTシャツについてはいくつかの記載を発見した(甲第2号証の2、5、7及び17)。

したがって、被請求人の販売に係る商品のうち、本件商標を付した半袖シャツの販売の記載のみが、ホームページ上見当たらないというのは、不自然である。

(3)以上より、被請求人は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者等のいずれかがその請求に係る指定商品「ワイシャツ類」について、本件商標の使用をしていることを証明していないのであるから、その登録の取り消しを免れることはできない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

(1)乙第2号証は、本件商標を使用した半袖シャツの写真であり、本件商標である「Good Wear」を表示した布製ラベルが当該半袖シャツの襟部に縫着されている。

(2)乙第3号証は、被請求人(商標権者)が熊本県熊本市下通2−7−5に所在する取引先のムーヴメント社からの発注に基づき、2001年(平成13年)8月1日付けで発送した乙第2号証に係る半袖シャツの納品書(控)である。

(3)上記のとおり、本件商標は半袖シャツ(ワイシャツ類)について、平成13年8月ころ既に使用されていたものである。

したがって、本件商標は、審判の予告登録前3年以内において、その指定商品について使用されていたものである。

第4 当審の判断

1 乙第2号証及び乙第3号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第2号証は、シャツを折り畳んだ状態の写真と該シャツの襟部を拡大した写真であるところ、該シャツの後ろ身頃の中心と襟とが接する部分の内側に、本件商標と構成においてほぼ同一と認められる商標が表示された布製ラベルが縫い付けられている。

(2)乙第3号証は、2001年8月1日に被請求人より熊本市下通2−7−5に所在のムーヴメント社に対して発行した納品書(控)であるところ、該納品書(控)の「品番・品名」欄には「(GW−002)/GOOD WEAR 半袖シャツ」の文字等が記載され、「数量」欄には「5」の数字が、「単位」欄には「枚」の文字が記載されている。また、「単価」、「金額」欄等には所定の数字が記載されている。さらに、被請求人の名称、住所等の下には、「振込先」として「三井住友銀行/渋谷駅前」の文字と「当座」の番号が記載されている。

2 前記1で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成14年7月3日)前3年以内である2001年(平成13年)8月1日に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した半袖シャツ5枚を熊本市下通2−7−5に所在のムーヴメント社に販売したと推認することができ、これに反する事実を認めるに足る証拠は見出せない。

3 請求人の主張について

(1)請求人は、乙第2号証(商品写真)のシャツは、半袖であるか否か不明であり、乙第3号証(納品書(控))中に記載された「(GW−002)/GOOD WEAR 半袖シャツ」と乙第2号証(商品写真)のシャツとを関連づける証拠は何ら提出されていないから、2001年8月1日に本件商標を使用したことの証明にはならない旨主張する。

確かに、乙第2号証(商品写真)のシャツは、折り畳んだ状態のものであるから、半袖であるか否か明確に把握し得ないところであるが、該シャツには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した布製ラベルが縫い付けられているのであり、また、乙第3号証(納品書(控))の「品番・品名」欄には「(GW−002)/GOOD WEAR 半袖シャツ」の文字等が記載されていることからすれば、乙第2号証(商品写真)のシャツは、2001年8月1日に取引があった半袖シャツと同種のものとみるのが相当である。したがって、前記2で認定したとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人により、請求に係る指定商品中の「半袖シャツ」について使用されたと推認できるものである。

(2)請求人は、インターネットの調査をもとに、(a)ムーヴメント社は、男性用カジュアルウエアの販売店であるのに、平成13年8月1日にたった5枚の半袖シャツを被請求人から購入したのみであるというのは、不自然であり、本件商標を付した半袖シャツが販売されたという事実を示す記載は何ら発見しなかった。(b)被請求人がTシャツ等を販売しているとの記載は発見したものの、本件商標を付した当該半袖シャツを販売したとの事実を示す記載は何ら発見しなかった旨主張する。

(a)について;ムーヴメント社と被請求人との間で、仮に2001年8月1日に半袖シャツ5枚の取引しかなかったとしても、該ムーヴメント社が、被請求人以外の他の業者との間に、取引が一切なかったと認めるに足る証拠の提出はないのみならず、本件においては、被請求人により登録商標が使用されていたか否かが問題となるところであり、ムーヴメント社が本件商標を付したシャツをいつどのような形で販売したかは、本件に直接関係を有しない事柄であるというべきである。

(b)について;甲第2号証の1ないし甲第3号証の3によれば、インターネットによる情報検索日は、2003年(平成15年)3月19日と認められるところ、本件は、前記認定のとおり、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により登録商標が使用されていたと推認し得るところであるから、甲第2号証の1ないし甲第3号証の3をもって、インターネット上に本件商標を付した半袖シャツの掲載がないから、本件商標の使用の事実がないなどとする請求人の主張は採用することができない。

(3)したがって、上記(1)及び(2)に関する請求人の主張は、いずれも理由がない。その他、本件商標の使用事実に関する請求人の主張は、これを裏付ける証拠の提出はなく、認めることはできない。

3 以上のとおりであるから、被請求人は、被請求人(商標権者)が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「半袖シャツ」について、使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。