結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31274(T2002−31274/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第995355号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和44年12月11日登録出願、「PDM」の欧文字を横書きしてなり、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具、医療機械器具、これらの部品および附属品、写真材料」を指定商品として、同48年1月24日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中「医療機械器具、その部品および附属品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品のうち「医療機械器具、その部品および附属品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(a)請求に係る指定商品の使用について
被請求人は、本件商標を指定商品中の「医療機械器具、その部品及び附属品」について使用しており、使用商品である「マイクロデンシトメーター」が医療機械器具の範疇に属するとして、乙第6号証ないし乙第9号証を証拠物件として提出している。
しかしながら、「マイクロデンシトメーター」は「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属する商品とは認めらず、「測定機械器具」の範疇に属するものと認められる。
「商品及び役務区分解説(改訂第3版)」によれば、「医療用機械器具」は、「医院又は病院で専ら使用される機械器具がこの概念に属する。」との記載がある(甲第2号証)。
この点、「マグローヒル 科学技術用語大辞典 第3版」(日刊工業新聞社1996年)によれば、「マイクロ(ミクロ)デンシトメーター」は、「(分光)人の眼で見るには弱すぎる写真のネガ上のスペクトル線を検出するのに使われる高感度のデンシトメーター(濃度計)」との記載があり(甲第3号証)、医療分野に限定されているものではない。また、インターネット上で「デンシトメーター」について検索をすると、医療分野でのみ「デンシトメーター」が使用されているわけではなく、様々な分野において、濃度を測定する機械として使用されている(甲第4号証ないし甲第10号証)。
したがって、「マイクロデンシトメーター」は、医院又は病院で専ら使用される機械器具ではなく、「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属さない。
乙第1号証によれば、「X線写真の濃度管理に高精度・高安定性を誇る濃度測定機器」の記載がある。
また、乙第1号証に掲載されている他の商品については「薬事承認番号」、「医療用具許可番号」の記載が商品説明等の下に記載されているが、「マイクロデンシトメーターPDM−7tepeB」には、その記載がなされていない以上、「医療機械器具、その部品及び附属品」とはいえない。
乙第2号証によれば、「X線写真の濃度管理に高精度・高安定性を誇る濃度測定機器」の記載がある。
また、同様に掲載されている「マイクロデンシトメーター」である「PDS−15」に関して、被請求人は、商標「PDS」について「測定機械器具」を指定商品として商標登録を受けている(商標登録第1021531号 甲第11号証)。このことから、被請求人自身が「マイクロデンシトメーター」を「測定機械器具」として捉え、その範疇をカバーしようとしていることがわかる。
乙第6号証の1、乙第6号証の2、乙第7号証によれば、「マイクロデンシトメーター」の記載は一切なく、「医療機械器具、その部品及び附属品」に属することは何ら証明されていない。
乙第8号証については、「マイクロデンシトメーター」が放射線科で使用されているとしても、「医療機械器具、その部品及び附属品」であることの証明はなされていない。
乙第9号証については、「マイクロデンシトメーター」が総合医療センターで使用されているが、「医療機械器具、その部品及び附属品」であることの証明はなされていない。
以上から、被請求人が答弁している「マイクロデンシトメーター」は、「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属する商品とは認められず、測定機械器具」の範疇に属するものである。
したがって、本件商標を、その請求に係る指定商品「医療機械器具、その部品及び附属品」に使用しているとはいえない。
(b)その他、被請求人の提出する証拠に関して、以下の点を指摘する。
被請求人は、乙第1号証として、2001年に被請求人が発行した「KONICA MEDICAL IMAGING PRODUCTS」のカタログを提出しているが、同カタログが2001年に発行されたことが客観的に証明されておらず、発行時期は不明である。したがって、証拠としての客観的信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。
乙第2号証の「コニカ医療用製品・総合カタログ」は、1992年8月に発行されたものであり、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を使用したことを証明するものではない。
乙第3号証の「PDM−5typeB」のカタログは、1988年に発行されたものであり、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を使用したことを証明するものではない。
乙第4号証の「コニカメディカル株式会社が千代田メディカル株式会社にPDM−7typeBを販売した際の売上伝票写し」は、その発行日として「14.11.15」の表示があるが、その日付が客観的に正しいことが証明されておらず、証拠としての客観的信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。
乙第5号証の「コニカメディカル株式会社に発行した納品連絡書写し」は、その発行日として「01/10/18」の表示があるが、その日付が客観的に正しいことが証明されておらず、また、被請求人が子会社に発行した納品連絡書であり、内部的なものであるから、証拠としての客観的信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。
以上より、被請求人が提出している答弁書は、本件商標が本件審判の請求の登録前三年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品「医療機械器具、その部品及び附属品」について使用されていることを立証していないものであることが明らかである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
被請求人は、請求登録日である平成14年11月20日以前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品「医療機械器具、その部品及び附属品」に使用しており、商標法第50条第1項の規定に該当しないものである。
乙第1号証は、被請求人発行の「KONICA MEDICAL lMAGING PRODUCTS」(コニカ医療用画像製品)のカタログであり、その第11頁目には商品「医療用マイクロデンシトメータ」の商標として「PDM−7typeB」が使用されている。
乙第2号証は、被請求人発行の「コニカ医療用製品/総合カタログ」であり、そのカタログ第2頁目には商品「医療用マイクロデンシトメータ」の商標として「PDM−5typeB」が使用されており、該カタログの説明には「副鼻腔炎診断のための上顎洞陰影の解析、オートラジオグラム、病理標本などの解析など、微少画像の測定に最適な装置です。」と記載されているように医療用診断装置としての利用が記載されている。
乙第3号証は、被請求人発行の 「コニカマイクロデンシトメータ」の「PDM−5typeB」のカタログであり、そのカタログ第1頁には「PDM−5は、放射線科における感光材料のM.T.F.、粒状度などの画像評価、フィルム法における骨病変の解析、副鼻腔炎診断のための上顎洞陰影の解析、オートラジオグラム、病理標本などの解析など、微少画像の測定に最適な装置です。」と医療用診断装置としての利用が記載されている。
乙第4号証は、被請求人の子会社であるコニカメディカル株式会社が駒沢短期大学放射線科向けの商品として千代田メディカル株式会社に対して「PDM−7typeB」を販売した事実を示す平成14年11月15日発行の売上伝票の写しであり、実際に商品「マイクロデンシトメータ」を駒沢短期大学放射線料に販売した実績を示すものである。
乙第5号証は、「PDM−7typeB」を販売した事実を示す被請求人が埼玉医科大学に納品するために子会社宛に平成13年10月18日発行した納品連絡書の写しである。
乙第6号証は、「PDM−7typeB」が納品された駒沢短期大学放射線科のホームページ写しであり、駒沢短期大学は、かかる装置を用いて画像解析による医療診断技術の教習を行っていることが理解される。
乙第7号証は、「PDM−7typeB」が納品された埼玉医科大学付属病院の放射線科のホームページ写しであり、放射線を利用した画像診断が行われていることが理解できる。
乙第8号証は、大阪物療専門学校の放射線科のホームページ写しであり、第1頁の「主な装置・機器」として「マイクロデンシトメー夕」は主な医療機器として記載されている。
乙第9号証は、平成12年4月28日発行の三重県公報であり、その第11頁のNO.139には総合医療センターに「マイクロデンシトメーター」取得価格3,490,000円と記載されているように、マイクロデンシトメーターは正に医療機械器具として位置づけられている。
以上の乙各号証により、商標権者であるコニカ株式会社は、本件商標「PDM」を付した医療機械器具に含まれる「医療用マイクロデンシトメータ」について、平成13年10月18日及び平成14年11月15日に使用していることは明かである。
(1)乙第1号証ないし乙第5号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、被請求人であるコニカ株式会社の発行に係る「KONICA MEDICAL IMAGING PRODUCTS」と題する製品カタログであり、その第10頁目の「DENSITOMETER/X線写真の濃度管理に高精度・高安定性を誇る濃度測定機器」の項においては、「世界最高の感度を誇る/マイクロデンシトメータ/PDM−7typeB」の表示とともにその製品写真が掲載されており、カタログの末尾には発行年を表示したものと認められる「001」の表示があり、この表示が「2001年」を表したものであること自体については請求人も否定していない。
(イ)乙第2号証は、同じく被請求人の発行に係る「コニカ医療用製品/総合カタログ/’92−8」と題するカタログであり、そのカタログの2枚目には、「X線写真の濃度管理に高精度・高安定性を誇る濃度測定機器」の項目のもとに「世界最高の感度を誇る/マイクロデンシトメータ/PDM−5typeB」の表示とともにその製品写真が掲載されており、商品説明として「放射線科における感光材料のM.T.F.、粒状度などの画像評価、フィルム法における骨病変の解析、副鼻腔炎診断のための上顎洞陰影の解析、オートラジオグラム、病理標本などの解析など、微少画像の測定に最適な装置です。」と記載されており、医療用診断装置としての利用が記載されていることを認めることができる。
(ウ)乙第3号証は、同じく被請求人の発行に係る「コニカマイクロデンシトメータ/PDM−5typeB」のカタログであり、製品説明として、上記乙第2号証と同様の商品説明が掲載されており、カタログの末尾には「88」の表示がなされていることを認めることができる。
(エ)乙第4号証は、被請求人の子会社と認められるコニカメディカル株式会社が駒沢短期大学放射線科向けの商品として千代田メディカル株式会社に対して「コニカPDM−7B」を販売した際の売上伝票内訳書の写しであり、発行年月日として「14.11.15」の日付が記されていることを認めることができる。
(オ)乙第5号証は、被請求人が「PDM−7typeB」を埼玉医科大学に納品するために子会社と認められるコニカメディカル株式会社宛に納入したことを示す納品連絡書の写しであり、発行年月日として平成13年10月18日の日付が記されていることを認めることができる。
(2)上記(1)で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成14年11月20日)前3年以内である2001年(平成13年)に発行された乙第1号証のカタログに本件商標と社会通念上同一と認められる「PDM−7typeB」の商標を付した「マイクロデンシトメータ」を掲載して頒布していたものと認めることができる。
また、被請求人は、本件審判の請求の登録日前3年以内である平成14年11月15日に、被請求人の子会社と認められるコニカメディカル株式会社により、千代田メディカル株式会社に対して、駒沢短期大学放射線科向けの商品として「コニカPDM−7B」を販売したものと推認し得るところであり、平成13年10月18日に、被請求人の子会社と認められるコニカメディカル株式会社宛てに、埼玉医科大学向けの商品として「PDM−7typeB」を納入したものと推認し得るところである。
(3)そこで、被請求人の使用に係る「マイクロデンシトメータ」が取消請求に係る「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属する商品であるか否かについて検討する。
この点について、請求人は、被請求人の使用に係る「マイクロデンシトメーター」なる商品は「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属する商品ではなく「測定機械器具」の範疇に属するものである旨主張している。
確かに、甲第3号証(マグローヒル 科学技術用語大辞典 第3版)及び甲第4号証ないし同第10号証(インターネットによる検索資料)によれば、「(マイクロ)デンシトメーター」は、医療分野ばかりでなく、その他の多くの分野においてもその用途に応じた精度をもつ製品が使用されていることが認められ、その意味では、一般的にいって、「(マイクロ)デンシトメーター」なる名称の商品が即「医療機械器具」とはいえないことは請求人の主張のとおりである。
しかしながら、被請求人の使用に係る「マイクロデンシトメーター」は、乙第2号証の「コニカ医療用製品」総合カタログ及び乙第3号証の「コニカマイクロデンシトメータ/PDM−5typeB」カタログによれば、「放射線科における感光材料のM.T.F.、粒状度などの画像評価、フィルム法における骨病変の解析、副鼻腔炎診断のための上顎洞陰影の解析、オートラジオグラム、病理標本などの解析など、微少画像の測定に最適な装置である。」と記載されている。これらの用途の記載及び該商品が「医療用製品カタログ」に掲載され、医療用製品として販売されている事実を併せみれば、被請求人の使用に係る「マイクロデンシトメーター」は、専ら医療用の診断装置として、あるいは医療用の診断装置と一体として用いるのに適した装置(附属品)として製造され、販売されているものというべきである。そして、乙第1号証に掲載されているマイクロデンシトメータと乙第2号証及び乙第3号証に掲載されているマイクロデンシトメータとは、型番において「7type」と「5type」の差異があるものの、いずれも同種の製品であると推認し得るものである。
そうとすれば、被請求人の使用に係る「マイクロデンシトメーター」は、その機能上、測定機械器具としての側面を有するとしても、その用途、品質、需要者等を総合してみれば、むしろ、専ら医療用の診断装置あるいはその附属品として製造・販売されているものというべきであり、「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属する商品とみて差し支えないものといえるから、本件取消請求に係る指定商品中に含まれる商品であるといわなければならない。
また、請求人は、乙第1号証のカタログに掲載されている「マイクロデンシトメーターPDM−7tepeB」に薬事承認番号、医療用具許可番号の記載がないことを理由に、該商品が「医療機械器具、その部品及び附属品」の範疇に属さない商品である旨主張している。
しかしながら、薬事法上の「医療用具」の概念と商標法上の「医療機械器具、その部品及び附属品」の概念とは、必ずしも一義的に対応する関係にあるものではなく、各法律の目的に即して定められているものであるから、薬事法上の医療用具として承認を受けていないとしても、そのことの故をもって、上記認定を左右することにはならない。
(4)その他、請求人は、乙第1号証のカタログの発行日、乙第4号証及び乙第5号証の伝票の日付は客観的に証明されておらず、乙第2号証及び乙第3号証のカタログは本件審判の請求登録前3年以内に本件商標を使用したことを証明するものではない旨主張している。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第3号証のカタログについては、印刷業者からの納品書等の発行日を証明する書類は提出されてはいないが、その体裁からみて、いずれのカタログもその成立に疑問を抱かせるところは見当たらないから、各カタログに記載されている日付に発行されたものとみるのが相当である。
そうとすれば、乙第1号証のカタログは、本件審判の請求の登録日(平成14年11月20日)前3年以内である2001年(平成13年)に発行されたものといわなければならない。また、乙第2号証及び乙第3号証のカタログは、記載されている日付からみて、本件審判の請求の登録日前3年以内のものとはいえないが、これらのカタログに掲載されているマイクロデンシトメーターは専門家の使用する精密な機械であり、例えば、乙第9号証(平成12年4月28日発行の三重県公報写し)の総合医療センターに設置してあるマイクロデンシトメーターは349万円であり、甲第6号証(インターネットによる検索資料)に掲載されているTLCデンシトメーターは480万円であるように、高価な機械であることが認められる。そうとすれば、この種の商品は毎年のようにモデルチェンジされるようなものではなく、これを掲載しているカタログも相当長期間に亘って使用されるものということができるから、乙第2号証及び乙第3号証のカタログも本件の審理にあたって斟酌し得るものというべきであり、製品の機能、用途等の理解・把握のためには十分参考となり得るものである。
さらに、乙第4号証及び乙第5号証の伝票にしても積極的に疑念を抱かせる不自然なところは見当たらないから、該伝票に記載されている日付に発行されたものとみるのが相当である。
(5)以上によれば、被請求人は、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品「医療機械器具、その部品及び附属品」中に含まれる商品について使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件審判の取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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